過去のお話
俺は必死に女を離そうとしたがすごい力で抱きしめられているため離せない。
俺「は、離せ…このクソ野郎が!あー!!折れる折れる」
女はなお力を強めていく。
女「嫌じゃ!我が認めた男もう二度と離しなどしない」
その時蓮を担いだ女が到着した。いまだ俺を抱きしめている女は蓮を担いだ女の方を見る。
女「何じゃ!また邪魔しに来たのか桃貴」
女が力を緩めたため俺は急いで逃げ女はしまったと声を漏らした。しかし桃貴さんは話を続け俺は逃れた。
桃貴「いやいや。私がこいつを助けてやったんだぞ、そんなやつに死なれたら気分が悪いだろ。な、舞能?」
女二人の間には時空が歪んだかの様な異様な空気が漂う。その時鬼翔さんが戻ってきた。
鬼翔「…一旦僕は遊達連れて此処から出ますね…」
そう言い鬼翔さんは気絶している蓮を受け取り俺を手招きして逃げ出した。
桃貴「いいのか?あいつ逃がしちゃって」
桃貴さんは挑発する様に言う。
舞能「追っても貴様のせいで追えんだろうて」
桃貴「そうだな!じゃあ今日こそ私の返してもらうぞ!」
そこからは逃げた俺等の方まで届く程の衝撃が伝わってきた。
俺は気絶している蓮を担いでいる鬼翔さんに聞く。
俺「何なんですかあの人達…まあ一人は分かるんですけど…」
その時俺達は領域から出れた。
鬼翔「僕の師匠である桃貴師匠は知ってのとおりお前を昔助けた人だ。そして、もう一人は…」
鬼翔さんはそこから悩んで口に出せないようだった。
俺「覚悟は決めてます、言ってください」
鬼翔さんは観念したように喋り始めた。
鬼翔「まず、軽く色々なところを説明していく…まず僕達が所属している組織の名前は怪調事務と言われる場所だ。何をしているかはまた後で話す。それで、僕達が居た場所は此処と呼ばれる場所だ。そしてお前が昔入った場所は此処でも特別な場所でな唯一*仮面*を買える場所だ。しかしお前は例外だった。お前はそこの此処の神に魅入られてしまったんだ。そのせいで桃貴師匠が行くことになってな。元々は僕だけで行く予定だったんだけどな。そして、桃貴師匠はお前を助けるために自分のお面と身体を半分にして神に捧げたんだ。そのせいで桃貴師匠は力も弱まっている…けど僕より強いんだけどな」
俺は鬼翔さんの話を聞いて納得していた…が、それと同時に一つ疑問が浮かんだ。
俺「え!そうなると鬼翔さんの師匠助けなくていいんてすか!」
鬼翔さんはさも普通の様に言う。
鬼翔「いやー大丈夫だよ。神もお面をちゃんと使えるわけではないから、その分桃貴師匠に分があるんだよ」
俺「なら…いいんですけど…」
桃貴「そうそう、まあ逃げられる事はあるけどな」
鬼翔「そうそう、逃げられる事はあるだろうけどな!あははは…」
俺と鬼翔さんは同時に桃貴さんの方に顔を向ける。
俺・鬼翔「いや!なんでいんだよ!」
俺と鬼翔さんは同タイミング、同リアクションで反応する。