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第9話・相棒


「超加速でザンツブルグに行ってもいいけどやっぱり徒歩でゆっくり行くのがいいよなぁ」


 ここに、SSランク冒険者、世界に3人しかいない、現在トップクラス冒険者の1人、たったの3日でSSランクになった冒険者がいた。名をトハン。


【マスター、三種の力を封じられたので魔法を使う場合は、魔力総量を考えてくださいね】


 この世界には魔力の他に力がある。

 その力というのは、竜力・精霊力・神力(しんりき)という。

 竜力は普通は竜種しか使えない特別な力で魔力的な攻撃とは違い、物理的な攻撃のダメージを与えることが出来る。

 つまり、魔法が効かない様な敵にもダメージを与えられる感じだ。

 他に、精霊力、精霊力は精霊と契約しないと発動できない。

 前に使った【神霊炎(ゴッドガイストフレア)】も精霊力だ。

 神と名が付いているが神力は使っていない。

 そして神力、これは神が使う技で消費する力のことを言う。創造魔法、消滅魔法、神聖魔法などが該当する。


「にしても、この世界に転生してたった3日でSSランク冒険者になっちゃうとはなぁ、他にいる2人のSS冒険者はどう思っているだろうか、」


 この世界には4つの大陸がある。

 詳しい説明は省くが、全ての大陸に2人はSランク冒険者がいるらしい。

 ちなみにSランク冒険者はこの世界に12人しかいないらしいが別に敵対してる訳でもなく気ままに冒険をしてるらしい。流石冒険者だ。


「AランクとSランクには絶対的な壁があるらしいな、だから、Aランク冒険者は数千の単位ではいるだろう」


【はい、ですが、冒険者は数億人いるのでAランク冒険者も少なくはあります】


「そろそろザンツブルグに着くな、」


 商業都市・ザンツブルグ

 商業都市と言うだけあって色々な国の名物が並ぶ都市、食料や色々な素材はもちろんのこと、人身売買もとい奴隷売買も行っている。

 この世界では奴隷は珍しくない。

 この世界では立派な()()だ。


 奴隷。殺そうが、人体実験しようが少し罰が下るだけ、人権はほぼ無い、食料は最低限、主の為に何もかもをする存在だ。

 大量生産された特殊な魔道具で主には逆らえない。

 前世の記憶がある分、かなり心苦しいがこの世界ではこれが当たり前なのだ。


「よーし付いた、ここが商業都市、ザンツブルグか」


 周りには水を張った堀があり壁は無い、少しさくがある程度、だが周りが水に覆われいつでも橋を上げられるようになっている。

 魔物で泳げるものは少ない、だからこれで十分街を守ることができる。

 商業都市、人の出入りが激しく特殊な門で危険物の持ち込みを検査しているらしい。


 ビーッビーッ

 と思っていたら俺が通った瞬間警報が鳴った

 その瞬間近くにいた門番が槍を突き出しながら。


「おい、お前止まれお前は何者だ?この門が反応したということは相当危険なものを持ち込んでいるな?」


 相当危険なもの…………あ、なるほど、何が原因かわかった俺は、門番に話す。


「危険、ですか、多分これのせいじゃないですかね?」


 と言いながらSSランク冒険者に与えられる金のギルドカードを見せた。

 見せた瞬間に門番は、顔を真っ青に染めながら槍を引き。


「な、何と、SSランク冒険者様でありましたかこれは申し訳ございません。お通りください」


 少し止められたが、まぁあの人も都市を守るためだしな許してやろう。

 そんなことを思いながら都市を歩く。


「やっぱり商業が盛んなんだなそこら辺に店が立ち並んでいる。とりあえず冒険者ギルドに行くか」


 脳内マップで冒険者ギルドに向かう


「ここがこの都市の冒険者ギルドか」


ガチャ

キィィィ


 筋肉ムキムキな強そうな男の人や、こんな時間に酒を飲んでいる男たちもいる。

 まぁそんなことはいいとして、俺は掲示板へ向かう、すると。


「おめぇみねえかおだなぁ、ヒクッ」


 その酒を飲んでいる人に呼び止められる。

 酒臭い、だいぶ酔っているな。


「ガキ、おめぇ、ここは、ぼうけんさのくるざひょだ、おめえみないなガキがくるばひょじゃねぇんだよ」


「酔ってますね。あまり口の利き方に気をつけた方がいいですよ」


「あぁん?なんだガキ」


 威圧的な目線を向けてくるするとその仲間だろうか?その人と同じくらいの男性が収めようとする。


「ごめんな、こいつ最近嫌なことが続いてて、こうなってるんだ許してやってくれ」


「あ、いえ気にしませんよ」


「なんだガキ?シカトか?」


 そんなこと言いながら、グチグチ言ってくるやつに少し怒りを覚えを


【微量な【殺意】の感情を感知しました。殺意の覇気(オーラ)Lv2を発動します。称号・優しき心により殺意の覇気(オーラ)をLv1にします】


 最近覇気能力(オーラスキル)がLv制になった。

 んな事はどうでも良くて。


「はぁ、てめぇさっきからグチグチうっせぇんだよ」


 その瞬間、ギルド内にいる全ての生物が死の恐怖を感じた。その殺意で男は酔いが覚め。


「!?……あ……あぁ…いや、すまんすまんちょっと酒がはいりすぎていたようだ、許してくれ」


【殺意のオーラLv1を解除します】


「いやぁ大丈夫ですよー怒ってませんから」


 と言ったがそこにいた全ての人達は。


((((絶対怒ってただろ))))


 そう思ったのは言うまでもない。


「あ、あの先にこっちに来てくれませんか?」


このギルドの受付嬢が俺を呼ぶ。


「はい、なんですか?」


「あなたは何者ですか?」


「俺ですか?俺は最近SSランク冒険者になったトハンですよ」


ザワザワ

「SSランクだって?」「それって最近イクリーナで現れたっていう」「つまりあいつが、スログアドラーか?」


スログアドラーって何!?


「SSランク冒険者様でしたか、それでこのギルドには何をしに?」


 スログアドラーが気になるがいいか。


「なにってもちろん依頼ですよそれが我々冒険者のすることですし」


ガタッ


「なら、して欲しい依頼があるのです!」


受付を乗り出し言う。


「あっはい、俺ができることなら」


「ではこちらに来てください」


そんなことを言われながら2階に向かう


コンコン


「入っていいぞ」


「失礼致します」


「何の用だ」


そこに居たのは顔に古傷が付いた強そうな人が書類仕事をしていた。


「はい、SSランク冒険者のトハン様お連れしました」


驚いた顔でやっと顔をあげた。


「なるほど、SSランク冒険者がここに来たということはあの依頼の話だな。俺は、ギルドマスターのガイトだ」


この人ギルマスだったのか、そんなことを思いながら、引き出しから出した依頼は、偵察依頼・危険度S以上

の依頼だった。


「最近、ザンツブルグの近くにある山に竜種が住み着いて、その竜種が敵対関係を持つ竜種か確かめてきて欲しいのだ」


 竜種、この世界では生態ピラミッドのほぼ頂点に君臨する準最強種だ。

 準最強種と言っても竜種の全てが敵対する訳ではなく、個体によっては、守り神的な存在になる時もある。

 実際それぞれの大陸にある王都には、必ず何らかの準最強種が守り神として、都市を守っていたりする。

 だからそれぞれの大陸は戦争をしていない。

 昔はよく戦争をしていたらしいが今は落ち着いている(この間僅か0.2秒)


「分かりました」


 ほぼ即答である。


「そうか、無理だよなそりゃ竜種なんてさすがに………………………え?すまんもう1回言ってくれ」


「え?だから依頼を受けるって」


「いやいやいやいくらSSランク冒険者とはいえ相手は竜種だぞ?」


「あれ?皆さんは俺がSSランクになった功績を知らないんですか?」


「??なんの功績を上げたんだ?」


 どうやらマジで知らないらしい。


「魔力災害による50万をこえる魔物、モンスター、そして1人の魔族撃破、いずれも単騎討伐」


 また口を開けて唖然としている。

 この世界の人間は、そんなに唖然とするのが好きか?


「それはマジか?」


「マジです」


「マジなのか……」


 はぁー、とため息をつくガイト。


「疑うなら、イクリーナ支部のギルドマスターに聞いてください」


「いや、SSランクの冒険者が言うのだ真実だろう、まぁだが魔族を単騎討伐したのなら大丈夫か」


 魔族はこの世界にはいない生物だが、魔族は最強種に分類されている。


「なら今から行ってきますね」


「え?今からなのか?もうそろそろ日もやんでしまうぞ?まだ害がある訳じゃないから明日でもいいんだぞ?」


「いえ、今行きます」


「……分かった、行ってこい」


 そうして冒険者ギルドを後にした。


「にしてもあのギルマス、相当な力を持っていたな」


【はい、この世界の基準で考えると、元Sランク冒険者だと推測】


「へーにしても、威嚇のオーラ出しながら歩くと本当にモンスターが出てこないな」


 モンスターは理性なく行動するが、俺の強さを本能的に勝てないと分かったのだろう。


「この山か」


 ギルドマスターに言われた山のふもとに来てみると。


「なぁ、これ本当に竜種なんだよな?この世界基準で考えると、感じたことの無い威圧感だぞ?前に戦った魔族より全然強いと思うんだが、竜種は魔族より弱いんじゃないのか?」


【力が少し封印され、威圧感だけでは、特定出来ませんが、少なくとも、前に闘った魔族より強いです】


「だよなぁ…まぁ受けてしまった以上行かない訳にはいかないよな」


『超加速』


 少しずつ、威圧感が強くなってきた。

 そして頂上に着くと


(こ、こいつは!)


【解析眼・解析結果・神竜族】


(神竜族!?神竜族って1つの()()()3匹しかいないとんでもなく希少な種族じゃないか)


「迷えし人の子よ、今すぐここをされ、さもなくばお前を殺す」


 全身白色の白竜だ。

 女性っぽい声をしている多分メスなんだろう


(神竜族には驚いたが、神族では無い、俺の方が上だ)


「いやぁさすがにここを去る訳には行かないんだよねぇ」


「ならば死ね」


【警告・【光竜之息吹(ライトドラゴンブレス)】の発動を確認・直撃すると大ダメージを受けます】


(大丈夫だよ)


短距離転移魔法(テレポート)


「な!?」


「どうした?テレポートがそんなに驚いたか?」


「人の子よお主は何者だ?」


「そうだな、俺の名前はトハンだけど多分こう言った方がいいかな」


 そして神力を解放し、トハンではなく昔の転生前の声で言う。


「神竜族のお前ならば、耳にしたことはあるだろう。我の名は、クエター。この宇宙を創りし創造神である」


「な!?御無礼をどうかお許しください」


 そしてまたトハンの声に戻し。


「まぁこんなところに、創造神が来てるとは思わないだろうな、別に許すぞ、それで?なんでこんなところに?」


「はい、私は、数万年前から生きているのですが、もう寿命がほぼ無く、なので、私が産まれたこの山で最期を迎えようかと」


「なるほどな」


 もうそろそろ死ぬのか……!ということは


「なぁ確か神竜族は死ぬ時自分の能力を引き継いだ自分の分身のような存在を産むんだよな?」


「はい、」


「このままだとその子供は、運が悪ければ人族に利用されてしまうがどうするつもりだ?」


産まれたばかりの子供は、人族に捕まり利用されてしまう。それが分からないほどでもあるまい


「私のスキル【導き】で『最期を迎えたいのなら自分の産まれた場所で最期を迎えよ』という導きがあったので従いました。今までもこの導きに助けられてきたのでそれに従った次第です」


「なるほどな」


【最後の導きを授けます。神竜の子をトハンと共に育てさせるのです】


(今の声は?)


【世界の声です】


(世界の声?)


【はい、世界の声とは特別な種族へと進化する時、あるいは、神託等で聞こえる声のことです】


(へぇ………ってちょっと待って世界の声は、俺が神竜を育てろって言うのか?)


【はい】


(えぇ、でも)


【神竜を利用され、神竜が悲しい竜生をおくらせてもいいと?】


「あぁ、わかったよ俺が育てりゃいいんだろ?」


神竜が居るに越したことはないが神竜を育てるのか。


「ありがとうございます」


 パァァァァ

 神竜が光り始める。


「創造神……様をどうか我の分身体の名前は───にしてくださいそしてどうか、旅の()()にしてください」


「あぁ、分かったよ!」


 出ている光が集まっていく───


「キュウ!キュウ!」


「よしよし、今日からお前の名前は」



『シリク』



「だぞ!」


「キュウキュウ!」


パァァァァ


【名付けにより強化を開始します

名付け親が神族だったため、魔力ではなく神力を吸収します。

一定値の神力を確認しました。進化を開始します】


(また世界の声だ)


【神化成功。神竜族から神族へ進化しました。神族へ進化した為、ステータスを100倍にします。称号・元神竜族の親を獲得】


「凄く強くなったな、まだ神族になりたてで俺より全然弱いが、この世界では、俺を除いたら最強だろうな」


「キュウ!キキュウ!」


そして俺の顔をぺろぺろ舐める。


「おぉおぉ、元気だな」


そして俺の肩に乗り


「キュウ!キュウ!(行くぞー)」


「なんとなくだけど何を言いたいのか分かるな。わかった、じゃあ戻るか!」


 そうしてシリクが相棒になった


「流石にその姿は目立つから、見た目偽装するか」





「あの竜種は、危険だと思ったから吹っ飛ばしておいたよ」


嘘だが俺が一瞬神力を解放したせいでその力が混乱を招いていた、だからこういう嘘をつく


「あの力はお前だったか、それにしてもとんでもない力だな、あんなところにある山からも力を感じたよ」


「アハハー」


「で?その猫はどうした?」


「この子はシリク、俺の相棒だ」


「相棒、ねぇ、お前みたいなやつについて行けるとは思わんが」


 無理もない見た目はただの猫だ。


「大丈夫こう見えても魔物だ、魔族くらいなら倒せるんじゃないか?」


「なに!?その根拠は?」


「シリクと闘ったんだよ、俺には及ばんが、あの魔族より全然強い」


 産まれたばかりとはいえ神族になった、魔族どころか魔王も多分倒せるだろう。


「そうか、ならいいだろう」


 そうして報酬白金貨5枚を貰って俺はギルドを後にするのだった。

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