第7話・危険が迫る?
一目惚れをしたらしい、前世では彼女いない歴=年齢だったから女子と付き合ったこともない。
でも好きな人はいた、だからこれがなんの気持ちか分からないほど馬鹿ではないが、あの時とは比べ物にならないほどの感情の昂りだ。
金髪で少し垂れ目の碧眼。髪型はロングヘア、胸も結構ある美少女だ。
すると女騎士(?)が答える。
「助かった、本当にありがとう。私の名前は、レイヘナラ、騎士を生業としている気軽にレナと呼んでくれ」
そう言いながら深々ーと頭を下げる。やっぱり女騎士だったんだな。
こっちは、緋色の髪にキリッとした黒目。髪型はショートヘアで軽めの鎧を付けている。
そして俺が一目惚れをした女性が話しかけてくる。
「私からも、助けていただきありがとうございます。私の名前は………ミシアと言います!」
2人とも自己紹介を終わらせる。
何があったのか事情を聞こうと話しかけようとするとレナさんが目を大きく見開いている。
不思議に思いどうしたのか聞く。
「あの、レナさん、どうかしましたか?」
「え?・・・あ、いやミシアは、人に名前を言う時はいつも偽名を名乗っていたのだが、本当の名前を言ったのでな、ついびっくりしてしまった。後、私は、「レナ」と呼び捨てにしてくれ」
なにか事情があるのだろうが偽名を名乗るほどの人なのだろうか?
「じゃあ、あまりミシアさんというのは良くないのか?」
ミシアさんに聞いてみると。
「はい、あまり人がいるところでは言って欲しくないですが、3人の時は気軽にミシアと」
「じゃあミシアさ」
「ミシア、です!呼び捨てにしてください!」
レナと同じ事を言ってくるが他人を呼び捨てというのはあまりなれない。
「じ、じゃあ、ミ、ミシア、人がいる時はなんと?」
どういう偽名を名乗っているのか聞いてみる。
「クリス、と呼んでください!」
ニコッ
とっても可愛い笑顔につい見とれてしまう。
ハッ!と我を思い出しコホンと咳払いをする。
「とりあえずイクリーナに向かうか、」
「はい!」「分かった」
2人はそう言いながら歩き始める。
そして歩きながら俺は気になったことを聞いてみることにした。
「えっとクリス達はなんでこんなところでオーク達に襲われていたんだ?」
「私達は、自由気ままな旅をしていてな、イクリーナに向かおうと街道を歩いていたらゴブリンが出てきてな、倒そうとしたら次々とウルフ、オークが出てきて囲まれ追い詰められていてそこからはお前の知っている通りだ……そういえば私達は自己紹介をしたがお前は聞いてないぞ?」
言われて思い出す、確かに俺は名前を名乗ってない。
「あぁ、忘れてた。」
頭を下げながら自己紹介をする
「俺の名前は、トハン、Eランク冒険者だ、冒険者の依頼で癒し草を採取しようと森に入って2人に会ったんだ」
2人は「この強さでEランク!?」と言ったけど
「いや、昨日登録したばかりでな」
「誰かに鍛えられていたりしたんですか?」
確かに鍛えられてはいたが詳しく説明すると絶対ヤバいので
「まぁそんな感じだ」
だいぶわかりやすい濁しをした。
「それで話を戻すが、レナは騎士なんだろ?あの数位は1人で倒せるんじゃ」
そう質問する。
だが予想だにしない答えが帰ってきた。
「何言ってるんだ?あの数のモンスターを1人で倒せるわけがないだろう」
・・・・え?
いや、確かにギルドで、Bランク冒険者に絡まれた時も驚く程簡単に倒れて不自然だと思ったが──
「なぁ、レナって魔法使える?ちょっと使って見せてほしいんだが」
「いえ、私は使えませんが、ミシアは使えますよ」
「じゃあ、あの木に向かって初級魔法を出してみてくれ」
「はい!分かりました」
『我・水の精霊の加護を受けし者・今此処にその力を顕現せよ・【水玉】』
シュルルルル
水が集まってきて
ポン
発射され
バシャ
木に当たった…………
………まさか思ったよりこの世界の人族は弱いのかもしれない。
◇
「今は杖が無いのでこの位ですが、杖があればこの3倍位は出せますよ!」
自慢げに話すミシアは可愛いなぁ・・・
じゃなくて……
3倍……か
(サトこれを3倍にしたらどうなる?)
【木に少し凹みができる程度】
(たったそれだけか、もし俺がウォーターボールを出したら?)
【本気で出せば撃った方角の森は吹き飛び山は平になるでしょう】
(じゃあ俺を人族として加減したら?)
【森の木がなぎ倒しながら直進すると考えられます】
加減してもそうなるのか。
「レナ、ミシアは魔法使いとしてどの程度の才能があるんですか?」
そう聞いてみる。たまたまミシアが少し才能が足りないだけかもしれない。
しかしその願いはすぐに崩れることになる。
「ミシア様は凄いんですよ!なんたって、4歳で魔法を発動し同年齢の子から見たらずば抜けて才能があります!まぁまだ、ま」
「あぁそれ言っちゃダメェェ」
何を言おうとしたかはわからんがあの威力で同年齢から見たらずば抜けて才能があるらしい………
うーんどうしたものか以外にもこの世界の人達はあまり強くないらしい、まぁ昨日殲滅して見て思ったが、モンスターもあまり強くはなかったので、この位の強さがあれば良いのかもしれないがさすがに弱すぎる。
とても心配だ。
(ってことでサト頼む)
【了解 杖を創造します ミシアに使い易いよう調節を行います・この世界にも適応する威力になるよう調節します】
【完了。神杖生成、銘・清夜桜】
(神杖?)
【はい。能力値こそ、少し良い程度ですが、マスターが許可するか、もしくは本人に杖に見合う覚悟を手にした時。覚醒します。今の状態は国宝級程度です】
(国宝級!?)
というか銘かをそういえばこの刀に銘は無かったな。
(サトこの刀に銘を付けてくれ)
【了解】
【銘・創頂希刀】
うーん俺にはセンスないしこれでいいや。
するとミシアがを
「どうしたんですか?急に考え込んじゃって」
どうやら心配してくれるらしい。
「よし、決めた。ミシアに俺の大切な物をあげよう」
今思いついたかのように話す、こう言うのが1番良いと思ったから。
「これを受け取ってくれ」
そう言いながら、無限収納からさっき創った長杖を出す。
するとレナが「これはアイテムボックスか?」と言っている。まぁそりゃあ空間の穴から杖を出したらこの世界の人達にはそう見える。
「ミシアにこれをあげるよ、名前は、清夜桜、大事にしてね?」
【称号・優しき心を獲得】
「そんな会ったばかりの人にこんなすごい物」
あわあわしている姿も可愛いな……
ちなみにレナは驚いて杖を見ていた。
「何だこの杖、とんでもない力を秘めている」
まぁそれはそれとして。
「大丈夫、俺には相手の性格を視ることが出来る眼を持っているけど君のような、綺麗で素直で思いやりのできる人なんてそうそういないよ、それに、俺にはもう1つ杖があるし大丈夫だよ!」
「っ!!!」
耳まで真っ赤だ…照れているのだろうか?
「じ、じゃあありがたく……戴きます………………」
「じゃあイクリーナに着くし、俺はこれで失礼するよ。じゃあね、クリス!」
そう言いながら、街に走って入って行く。
「あっ、待って……」
その声は、彼には届かなかったのであった。
◇
「ミシア、どうしたの?」
トハンが街に走っていく姿を顔を赤く染めながら見ているミシアにレナは問う。
そしてトハンから貰った杖を強く握り締めながら。
「いえ、私あの人を見ているととてもドキドキしてそれでいてその気持ちとは裏腹に悲しくて苦しくてそしてとても、後悔する気持ちがあるのです」
その言葉の意味がわからずキョトンとするレナであった。
◇
【自動回収により癒し草の回収は終了しています】
よしなら大丈夫だな。
そして冒険者ギルドの扉を開ける。すると。
「見ろよあいつが──────だぜ」「へぇあいつがが」
なにかヒソヒソ話していたが、悪意は無かったのでよく聞こうとは思わなかった。
「癒し草の採取以来終わりました」
依頼書を出しながら言う。
「はい!では、確認のためここに癒し草を出してください」
無限収納から癒し草を100本出す。
「!?……あ、ありがとうございます!こ、こんなに沢山」
「すげぇなぁやっぱりあいつだよ」
後ろの方で話しているがこれまた悪意はなかったので無視した。
「なるべく沢山あった方がいいかと思って、全て買い取っていただいていいですよ」
「はい!では、鑑定を行いますね」
そう言いながらルーペのようなものを取り出す。
(サト、あれはなんだ?)
【あれは、付与魔法【簡易鑑定】が付与されています】
なるほど、付与魔法をああいう使い方にして誰でも魔力を流せば誰にでも使えるようにしたのか。
「はい!全て癒し草ですね!では報酬と他の癒し草を全て買取で大銀貨1枚ですね!」
「はい、ありがとうございます」
そして俺は頭を下げる。
「こちらこそ、ありがとうございました!」
そして俺は、ギルドを後にする。
◇
そしてトハンが去ってしばらく経った冒険者ギルドで。
ガチャ
そこには2人の女性が現れた。
「冒険者登録したいんですけど」
「私も同じくだ」
そしてその後2人は戦闘能力試験を受ける事になった。
「俺の名前はフレンっていう俺は1人だが、結構経験は積んだ2人で掛かってこい」
「「はい!」」
「これからパーティ制戦闘能力試験を行います。それでは」
「3・2・1・開始!」
始まった瞬間1人の女騎士はフレンを足止めする。
そしてもう1人の女性は立派な長杖を持って。
『我・水の精霊の加護を受けし者・今此処にその力を顕現せよ【水玉】!』
キュイーーーーーン
水が集まってきて
ドン!
発射され
ドガーーーーーン
フレンの足元を抉りとった
そうしてその2人は冒険者になり、パーティランクDとして活動し始めたのだった。
◇
そしてトハンは休心宿にて。
「レイナさん、今日1日は帰ってこないですが心配しないでくださいね?」
レイナさんに今日は戻らないということを伝え。
「そうですか…気をつけてくださいね!」
北の森に入った。
「ふー、今日は色々あったなぁ。でも俺はあまり恋愛とか無理だしって感じだし、ドキドキしながら冒険者生活なんてできないだろうからなぁ」
森には顔全体を隠す仮面と体格がわからないほど体全体を隠すローブを着た人がいた、そうトハンである。
ちなみになぜ森に来たのかと言うと森の方が音がしないからだ、なんの音かは……
なんてことはいいとして。
「サト、なんかあった時の為に装備を色々創っておいてくれ」
【了解】
そして無限収納の中に沢山の衣服や武器が創られていくなぜ衣服かと言うと端的に言ってしまえば、動きやすいからである。
付与魔法・能力をしていれば、そこらの鎧なんかより全然強くて動きやすいし、なんなら鉱石を能力を使って柔らかい糸にして服を創ったりしている。
「この世界に転生してまだ少ししか経ってないのになんだかここにずっと住んでいたような気がするんだよなぁ」
今の時間は夜中3:26
「ま、それはいいとしてこれから何しようか、眠くないから何かしたいんだk」
ドゴーーーン
という爆発音と共にサトが。
【警告・城塞都市イクリーナ南東方向に大規模な魔力災害が発生】
そしてサトに言われた通り南東方向を見ていると、とんでもない魔力が溢れていた。
基本的にこの世界は魔力は見えない。俺が持ってる【魔力眼】があれば別として普通は見えない。だが魔力眼を使ってないのに南東方向にとんでもない魔力覇気があった。
強すぎる魔力は視認できる。それを利用したのが俺の覇気能力だ。
(サト、何が起こった!?)
【何らかの原因により空間に亀裂が生じ、その中に大量の魔素が入った事により、空間の中で魔素が暴走。それにより大量の魔力が発生した模様。同時に大量の魔素を検出しました。演算終了。この事件の危険度・Sランク】
魔素・それは魔力・魔物・モンスターを作る為の元であるその魔素が大量発生したということは、モンスターや魔物が大量発生したということにもなる。
「事件?それはどういうことだ」
【この一連の流れが何者が故意的に引き起こしたことということです】
「チッ、今はこんなこと気にしてらんないとりあえずこのことがどうなっているか、街に戻ってみよう」
【何者かの上位存在により一部能力を封印されました】
何!?上位存在……俺の上位存在は上の兄姉達と父上と母上だけだ、と、とにかく今は急がないと。
能力【神速】を発動!
・・・
発動しない!?
(サト俺はなんのスキルを封印されたんだ?)
【世界能力は『サポーター・創造魔法』以外が封印。神能力は全てを封印されました。さらに封印された能力を複数創造もできません。さらに他の色々な能力も制限を受け使用困難です。解除には少なくとも2時間はかかります】
なんてことだ、これは相当ヤバいかもしれない。
とにかくだ今は都市に向かうのが先決だ。
希少完全能力【超加速】
【到着予定・26分後。封印解析……解析完了予定・2時間後】
◇
一方・城塞都市イクリーナ・イクリーナ支部。
「現在、大量の魔物・モンスターが街に向かっています!戦える冒険者はなるべく戦いに出てください!しかし強制ではありません!この街を守るためにどうか力をお貸しください!!」
しかし冒険者達は「モンスターはいいが、魔物はなぁ?」という同じような意見だった。
魔物とは、知性があるモンスターで、モンスターよりも厄介なのが魔物、本能のまま動くモンスターと違い、考え、行動することが出来てしまう。
今、イクリーナにいる冒険者は1万人程度だが、戦いに出ると言ったのは3000人ほどだった。
ここに街を守る兵士500名、騎士100名、聖騎士3名を合わせ約3600人。
それに対し、魔の軍勢はゆうに万を越えていた。
そして聖騎士のリーダーは、部下の騎士、兵士、そしてこの街の冒険者達に向けて大声で言う。
「我々は全力で魔物達と戦う!だが正直、勝つのは難しいだろう…」
ほぼ全員が俯く。
「だがせめて、この街のもの達を逃がす時間を創るのだ!このままでは、王都にまで魔物達は進行し、この大陸全てが魔に支配されてしまうかもしれない、いま伝令兵を王都に向かわせている。少しでも時間稼ぎこの大陸を守るのだー!」
「ウォォォォォォ」
そして南の大門が開かれる。
巨大な魔力が発生した時に魔力波と呼ばれる波動が出るのだが、それの影響により、東南にある森は吹き飛び、壁も少し脆くなっている。
そして
大量の魔物と冒険者達が戦う!
このあと冒険者はどうなってしまうのか?
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