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第51話・今後について


「この街の損害に関しては大丈夫そうだな。復興は1~2年あれば行けそうだ。陛下にこの街の復興支援をしてもらうよう頼んでおいてくれ」


「そうですか、母上に伝えておきます」


 俺は朝食を食べながらミシアとこの街の損害について話していた。

 にしても……ミシアの右目は破裂してしまった。

 その時に筋肉ごと壊されたのかミシアは右目が開けられない状態にある。

 とはいえ何かあったら大変だ……ひとまずは…………


「ミシア……しばらくの間この眼帯を付けておいてくれ、痛みを和らげる魔法が付与してある」


 俺は眼帯をミシアに着けて右目を隠した。


「あ……ありがとうございます」


 この大陸のお姫様として容姿は大事だ。

 右目が無いなど大きな印象喪失だ。

 何か、対策を考えておこう。ミシアが学院に戻るまでに……


「トハン様、ただいま戻りました」


「あぁ、おかえりエジル」


 エジルは来ていたローブを脱ぎ、椅子にかけて「失礼します」と仰々しく座った。


「えっとそちらの方はいったい?」


 頭にハテナを浮かべてエジルを見るミシア。

 偽装魔法で見た目は貴族とかにいそうな美少女。

 俺の銀髪とは少し違う白髪。しかし力強いでルビーような赤い目を持ち、気品も兼ね備え、上品なその姿はどこか別の国の王女様のようだった。


「彼女は、エジル。俺の幼馴染で……えっと」


 やべ、設定考えてなかった。


「改めて自己紹介をさせていただきます。名をエジルと申します。トハン様とは幼少期から鍛錬などを一緒にしておりました。今でも昨日のように思い出せます」


 その設定で行くのか、確かにあの強さを見せたあとでなんでそんな強いのかと言われた時に「トハンと一緒に競い合っていた」と言えばSSランク冒険者である俺と競い合えるほど強いという建前はできるか……


「よろしくお願いします!エジルさん」


「そんな堅苦しい呼び方はおやめ下さい。エジルでいいですよ」


 ブーメラングッサリしてるぞエジルよ。


「ではそう呼ばせて頂きます!ですがエジルもその堅苦しいのはやめてください!私も『ミシア』と呼んでください!敬語もなしですよ!」


「承知しま……コホン。わかったミシア、これからよろしくね」


 何だこのてぇてぇ空間は、尊死するぞ……


「確かエジルは傭兵として活動しているんだったな」


「はい、その通りでございます」


 俺に対しての敬語は治らんな。まぁ仕方ないか、俺とエジルの関係は、神とその側近。

 そんな間柄では敬語はすぐに治ったりしない。


「傭兵として貴族と話すからなのか、はたまた別の理由があるのか、貴族令嬢みたいだなエジル。敬語もやめろ、幼馴染だろ」


 俺がハリウッド顔負けの演技……は言い過ぎだろうが演技を決めてそれにエジルは乗じた。


「わかったわ。トハ…ン」


 表面は素晴らしい笑顔だがその後ろに『なんて無礼を働いてしまったのだろう……死にたい』と思ってるのが伝わってくるぞ。


「とにかく……これからの話をしよう」


 ひとまず、エジルがここにいるってことは例の大量に魂が天界に来る原因を突き止められたんだろう。

 でもその話はミシアの前ではできない。

 後でその話は聞くとして……

 他のことが重要だ。


「はい、この街『レイヴンチェスト』はアダルシア王国の平等派の一家、レイヴンチェスト家が管理する。別名・砂の街と言われる。砂丘に作られた街です」


 確かに街を出れば見渡す限り砂だらけ、特に大きい建物もない。

 こんな辺鄙(へんぴ)な場所に街を作る理由はいったい?


「なんで砂だらけのこの場所に街を作ったのか気になるという顔をしていますね」


 見透かされた……


「まず理由の1つ目は、ここら辺一体は珍しい魔物が生息しています。木々に満ちた森とは違い、厳しい環境下で生きる魔物達からは希少な毛皮やその環境に生きるために着いた美味しい肉など、結構人気の街の1つなんですよ」


 なるほど、他の街とは違うところが多くあるから物珍しさで魔物を倒すために冒険者が、珍しいものを買いに商人が、観光として貴族が来る。

 だからこんなにも厳しい環境にある街でも繁栄しているのか……


「周りを調査しに回ったけど、特に魔物がいる印象はありませんでした。魔素も感じられませんでした」


 ふむ……エジルが魔素を感じられないというのはだいぶ居ないんだな……魔物。


「それはそうでしょう。あんな大きく強いなら…他の魔物は逃げて行ってしまうでしょうね」


「それは大変なんじゃない?」


 エジルがお茶を飲みながら質問する。


「そうですね。この街は希少な魔物の素材を冒険者が集め……ギルドが商人に売り、それを貴族が買う。というシンプルかつ素晴らしい方法で繁栄してきました。その源である魔物たちが逃げたとなれば……少しまずいかもしれません」


 困ったように悩ませる姿はこの国の姫として国民を思う気持ちがとても伝わってきた。

 俺もそれに応えないとな。


「魔物を呼ぶならできるぞ。ただ、デメリットとして凶暴化してしまう。何とかならないか?」


 この宿のおばちゃんがクッキーを持ってきて出してくれた。

 どうやら白金貨のお礼らしい。「こんなのじゃ割に合わないだろうけどね」と言っていたが俺からしたらお金はすぐ生み出せる。クッキーの方が嬉しいね。


「この街の冒険者ギルドのギルド長に面会できるようお願いしておきます。そこで対策を立てた上で呼びましょう」


 魔物を呼ぶと言うが、それはこの街の繁栄のために必要なのだ。それを理解してミシアは考えたのだろう。

 犠牲者も出てしまうかもしれないな。


「ここにトハンがいるというのは本当か」


 そう言って扉を開けたのはルキであった。

 そういえば、今この街にはSSランク冒険者がいるんだったな。

 俺もそうだが、俺は魔力も魂も回復まで時間がかかる。

 エジルにも手伝ってもらうか。


「あぁ、俺はここにいるぞ」


「そうか、お主と謎の少女にはこの街を守ってくれた報酬としてギルド長が直接例を言いたいそうだ」


「そうか、昼に向かうと伝えてくれ」


「わかった」


 まさかあっちから言ってくるとはな。

 手間が省けたというものだ。



 俺は一呼吸ついて、もう昼だ。

 冒険者ギルドに向かうか。


「姫様!ご無事ですか」


 と思ったら今度はなんだ?

 サト……あれは?


【風貌からアダルシア王国、王家直轄騎士団と推測】


 正気に戻った護衛……ってとこか。


「お前たちは何者だ!姫様を返せ!」


「ちょ、ちょっと待ちなさい!貴方たち!この方は私を守ってくれた人達ですよ!武器をしまいなさい!」


 これは……

 姫様を守ったと思ったら護衛から怪しいと言われ武器を向けられるこの状況……確か女王を助けた時も似たようなことがあったような気がするなぁ。


「こっ、これは申し訳ありません」


 おばちゃんはこの国の姫が泊まっていることを知って目眩がすると言って、部屋の奥に行ってしまった。

 ま、仕方ないか。


「ミシア……様、私は冒険者ギルドに向かいますので護衛とお過ごしください」


 そう言って俺はエジルと一緒に宿を出た。

どうでしたか?楽しんで行けたら幸いです。


もし楽しんでいけたのなら、下にある

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 1つでもつけてくれたら私は嬉しくてどんどん作品を書いていこうと思います。

 ぜひよろしくお願い致します。

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