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第37話・最凶


(先手必勝!)


『武技・抜刀一閃【虹蜺一閃】』


【付与魔法を自動発動します。絶対切断、飛影斬撃】


 縮地でルキという男の後ろに回りこみ、今トハンが溜めずに出せる最高威力の技を打ち込む。


「甘いな」


 しかし簡単に先程と同じように刃をソフトタッチで止められたトハン。


「俺が同じことをされた時の対策をしないと思ったのか?」


 その言葉と同時に刃から威力をそのまま乗せた飛ぶ斬撃【飛影斬撃】をルキはモロに受けた。

 刀と離れたことで、付与された絶対切断の効果が無くなったとはいえ、巨木を一刀両断はできる威力をモロに受けたのだ。

 先程の炎刃抜刀とは比べ物にならない威力だ。


「しかし、私には効かぬ」


 心を読んだのか不明だが、俺の思考に応えるように無傷で佇むルキ。

 ソフトタッチで止められているのにもかかわらず刀を全く離させることが出来ないトハンは諦めて刀を手放し。

 後ろへ跳ぶ、跳びながら無数の魔法陣を一瞬で構築。


(火、水、風、土はもちろんのこと、氷や雷、毒に加えて光闇も他にもこの世界にある全ての攻撃魔法を当てる。どんな生物でも必ず弱点はある。神の時の俺でも極滅魔法はよく効いた。解析が効かない以上、しらみ潰しにやるしかないが必ず何かあるはず)


【観察眼を発動、弱点属性を割り出します】


 そうして上位以下の全ての魔法を当てようと魔法発動をする瞬間……


「ここでは狭いだろう。もっと広い場所に行こう」


 その一言を投げられ、気付けば



 広い荒野にいた。

 周りには何も無く、一面砂漠の世界が広がっている。


 転移魔法!?

 なんにせよ、俺とサトが認識できないほど早く、もしくは悟らせず隠していたかはどうでもいい。

 今は倒すことを優先だ。


「お主のしたいことは分かる。だがこれをすれば効かぬ」


 ルキは一瞬で防御系最上位魔法【天衣の盾】を発動、しかし、それを読んでいたサトは防御貫通破壊魔法を仕込んでいた。


【どんな防御魔法も一撃で破壊する魔法、油断している今がチャンスです】


 防御貫通破壊魔法を発動し、再発動されないように間髪入れずに数千の魔法を撃ち込む。

 ルキは()()()生身で受けた。

 服もボロボロだ。


「それでも我には効かぬ」


 それでもやはり体には1ミリも傷を負うことなく無傷だった。


「本当にどうなっているんだ」


 上半身の服は燃えて無くなっていた。

 しかしまるでゴリラのようにその強靭な筋肉から相当な力を持っているのは容易に理解出来た。


「では、こんどは我から行こう」


 その瞬間、ルキの筋肉は膨張し始めた。

 前世(地球)ではありえない光景に、少し理解が追いつかなかった。


 約2~4倍になった筋肉から想像もつかない轟速でルキは殴りかかってきた。


即時発動魔法(クイックマジック)『ベクトル変換』を発動します】


 トハンは反応に遅れ、ルキの渾身の一撃を避けられなかったがサトは魔法を使い何とかトハンを守ることに成功した。


「と、思うだろうな」


 その瞬間、全ての物理攻撃を一瞬で解析して跳ね返す、サトがいてこそできる。完全な『ベクトル変換』を超える力でルキは殴りかかった。


【数瞬前より力が強くなりました】


 まずいどうする……


 今トハンは、減衰した一撃を防御魔法で守りながら思考していた。


 そもそも、あいつの利き手がどっちかは知らんが右手拳だけでしか攻撃してきていないのだ。

 明らかに手加減されている。


「もっと力を出してみよ。トハンとやら」


 また言葉と同時に威力が増加する。

 トハンは後ろに跳び、格闘武具を装着した。


「俺の得意なことは()()こと、卑怯な手でも使わないと、お前には勝てん」


「卑怯な手?戦いに卑怯も何も無いだろう。自分の使えることを全て使って誠意を込めて戦うのが礼儀というものだ」


「そうか、ならルキも本気でこい」


「いいのか?」


「手加減されているルキに勝っても嬉しくない」


「そうか……ならば、本気で行かせてもらおうか」


 ルキの筋肉がさらに膨張する。


【名称・ルキの速度はあの巨体からは想像もできない速度が出ます。ご注意を】


(わかってるぜ、サト。俺より速いと思った方がいいな)


 トハンも使える覇気を纏う。覇気によって相手に恐怖を抱かせたり、萎縮させる効果があるがあいつに効果があるのか分からない……でも使えるもんは使った方がいい

 魔眼も惜しみなく使う。


 静寂が場を支配する─────


 両者、目にも止まらぬ速さで打ち合う。


 トハンはルキの攻撃を正面から受ければたとえ防御魔法を何重にも展開しようが貫通すると確信し、避けに専念しながら、隙ができた瞬間にステータス上昇を全て付与して殴りかかったが、筋肉が大きすぎてあまり聞いていない様子だった。


(もっと俺の動きやすい場にするか)


【了解。創造魔法を発動します】


 大きな壁が地面からせり上がってくる。

 上から見ると六角形だ。


(壁があれば、動きやすくなる)


【マスターの蹴りでは割れない強度ですがルキの攻撃力に耐えられるかは分かりません】


「充分だよ」


 トハンは今まで考えていた、奥義を使おうとしていた。


(この奥義は前々から考えついていたあることを実践することでできる。強化奥義。だが、なんせ安定しない、だからサト、お前はこの奥義の制御に全思考を使え)


【宜しいのですか?能力の制御を中断するので一度に様々な演算をマスターの思考のみですることになりますが】


(やるしかないだろう。あいつに勝つにはこうでもしないと)


 そしてトハンは壁に跳び移り壁から壁へ、地面から壁などどんどん跳び移っていく、まずは300km。奥義を使わずに出せる最高速度。


「任せたぞ!サト!」


【了解。奥義『創神速』】


 創造魔法、神力を使って()()()()()()()()()()()()極めれば法則なんかも創造できる。

 でも俺にはそこまでできない。しかし逆に言えば他のものは創造できるのだ。

 この奥義は『速度を創造する』しかし一定の速度を創造しないと神力が暴発したりしてしまうがそもそも創造魔法で一定の概念を創造するのは難しい。

 そりゃそうだ創造魔法は世界能力(ワールドスキル)だ。

 でも同じ世界能力(ワールドスキル)なら制御はできる。



 どんどんトハンは加速する─────

 加速して加速して─────

 限りなく加速する─────


 あと少しで音速(時速1225km)に到達し、地面にあった砂も雲の高さまで上昇しきった時。

 空気や砂が体を打ち付け、体の再生が追いつかなくなった。

 

 そうか、サトが再生能力を制御していないから著しく機能低下しているんだ。

 サトはこんなに多くの能力の制御を同時に行っていたのか。

 とりあえず今は、再生を最優先に制御だ。


 ルキは音速に達するトハンを流石に目で負えなくなっていた。

 ソニックブームが場を支配する。


 もっと速くだ。速度に比例して威力は増加する。

 ルキに風穴を開けるほど速く───────


 音速の5倍程の速さに達し、トハンはルキの腹部に向かって武技を繰り出す──────


『奥義「神魔天拳」!』


 壁から壁へ移動しながら。使い、右手拳が燃えるかのように紫色に発光する。

 為なしで使っても山に巨大な穴を開けるほどの威力を誇る──────

 回数制限を持つ奥義だ。

 その数は3ヶ月に1回という。


「これでも喰らえ!」


 もちろん音速より速く動くトハンが出すその声はルキに届くことは無い。


 瞬間────半径5km圏内の全てが吹き飛んだ。

どうでしたか?楽しんで行けたら幸いです。


もし楽しんでいけたのなら、下にある

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 1つでもつけてくれたら私は嬉しくてどんどん作品を書いていこうと思います。

 ぜひよろしくお願い致します。

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