表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/57

第33話・少年の覚悟


「何してるの!!」


【対象の名称は『リアン』どうやら魔力を持っているようです】


(彼はいつから見ていたかわかるか?)


【超跳躍をして名称『リハサ』をゴミ箱に入れているところまで、ここに来てからのほぼ全てを見ています】


(はぁ、ということは創造魔法を見られたのか)


「リアンくん。僕は別に子供を捨てたとかそんな訳じゃ」


 そう言いながら少しずつリアンに近づく。

 しかしリアンは、後ずさりする。


「じゃあなんで僕の()を抱えていたの?」


(妹?)


【どうやら彼……訂正、彼女(リハサ)は女性のようです。解析を行わず見た目だけで判断してしまいました】


(別にそこはいいんだ)


 問題は言い訳の仕方だ。

 傍から見れば子供を持ってゴミ箱に入れたように見える。

 傍から見ればではなく、実際そうだ。


「リアンくんの妹は貴族の牢屋に閉じ込められていたんだ。助けた俺に謝意はないのか?」


 途方もなく上からの嫌味ったらしい台詞(セリフ)

 だが少年は意外にも。


「確かに。数十日も行方不明だった妹が助かったのは貴方のおかげ……」


 後ずさりする足を止め。

 熟考するように(あご)に手を()える。

 リアンは結論を出したのか。

 トハンを(にら)む。


「でもだからといって……」


 リアンの手には魔法陣が構築される。


「ゴミ箱に捨てるような奴に謝意などない!」


 魔法陣に魔力が注がれる。

 発動魔法は『炎光弾(ホーファ・バレット)

 だが魔法が飛んでくるよりトハンは。

 リアンが()()()()()に魔法を発動したことに驚いていた。

 トハンは左手を突き出し。

 突き出した左手が、魔法と接触する────

 だがトハンの左手に魔法が当たった瞬間


「えっ?なんで!僕の最上位魔法なのに!」


 フワッ!っと魔法が魔力の維持を出来ずに雲散霧消(うさんむしょう)した。


「この程度で倒れちゃ。リアン一人で妹を助けられたことになるぞ?」


「確かに。僕が一生懸命手がかりを掴んで、わざと捕まろうとして泥を少し被って体当たりしたのに、やってから怖くなっちゃった」


「妹への想いはその程度ということじゃないのか?」


 そうして言ってから気づく、今の言葉は軽率だったと。

 トハンがリアンの反抗に備えて構えると。

 そこには絶望の色が濃く現れた瞳を持つ少年がいた。

 意外な雰囲気の変化にトハンは


「えっと……大丈夫?」


「なんで落として上げるんだよ」


 プルプルと震えて涙を流す。


「リハサは唯一の家族なんだ。でも僕は居場所がわかったのに怖くて前に進めなかった」


 リアンが歩み寄ってくる。

 そして俺の体に頭をつけて泣いた。


「僕は、そんな自分が嫌だった。リハサは僕を支えてくれた。いつも笑顔でお父さんやお母さんが死んじゃった時も、僕の前では笑顔を作って、泣いちゃ、2人とも悲しんじゃうよ。って」


 握り締めた右手から血が垂れる。

 そして嗚咽混じりの声で


「そんな自分が、弱い自分が、この世界でのうのうと生きてるのが嫌だった。リハサの方が強いのに、僕がこの世界を生きているのが」


 トハンがリアンの右手を回復魔法で癒しながら。


「でも、リハサは助かったじゃないか」


「確かに、リハサは帰ってきた。帰ってきてくれて嬉しかった。でも貴方の話を聞いて、確かにそうだなって」


「そうか……」


 トハンはしゃがみ、涙目のリアンと目線を合わせる。

 彼の両手を持って問う。


「リアンは妹と楽しく、幸せに暮らしたいか?」


「もちろん」


「リアンは妹を守れるくらい強くなりたいか?」


「なりたい」


「リアンは強くなる責任を負う覚悟があるか?」


「…それは」


「それを決めるのは君自身だ」


 リアンは涙を(ぬぐ)い。

 力強い()


「強くなりたい。妹を守れるくらい。強い自分になりたい!」


「いいねその眼、それじゃあリアンにはこれをあげる」


 トハンはある物をリアンに渡す。


「これは?」


「これの名前は()()()()という。これを付けてこれから生きて行きなさい」


「これをどうすればいいの?」


「俺の故郷ではこのミサンガを付けて、糸が切れたとき願いが叶うと言われている」


「でも、切れるだけなら何かの拍子に切れてしまうかも」


 そう、この世界は危険なことが沢山ある。

 何かの拍子に切れるのはあるかもしれない。

 だけど


「大丈夫。このミサンガは()()()()()()()()()()()()って言う能力がある。つまり無理矢理切ろうとしても切れない訳だ。しかもこの糸は特殊で、もしかしたら死ぬまで切れないかもしれない。でも切れた時、リアンに大いなる力が宿るよ」


「わかった。僕、努力するよ、強くなってリハサを……妹を守れる存在に!」


 そうしてトハンはリアンの手に巾着袋を乗せて。

 それに意識が一瞬集中した瞬間に。

 トハンはリアンの目の前から消えた。


「リアンからしたら白昼夢(はくちゅうむ)でも見た気分かもしれないな」


 空で青い光を体に纏わせ飛翔するトハンがリアンを見て言う。


「普通の人間なら生きてる間に切れない刺繍糸(ししゅういと)神封糸(きんふうし)】強い意志を持つ君なら切れるよね?」


 リアンが目を覚ましたリハサを抱えながら歩いていくところを見て。

 トハンは笑顔でその後ろを見送り……


「さて、制裁を加えてやらないとな」


 トハンは打って変わって怒りを含んだ笑みで仮面をつける。

 トハンはスログアドラーとなり先程の貴族邸へと向かった。

どうでしたか?楽しんで行けたら幸いです。


もし楽しんでいけたのなら、下にある

☆☆☆☆☆

の評価をつけてくれると嬉しいです。


 1つでもつけてくれたら私は嬉しくてどんどん作品を書いていこうと思います。

 ぜひよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ