第29話・異常事態?
「にしてもどうして下界に?」
変わらず跪いて俺の言葉を待っているエジルに問うた。
「神界では神界の一つ下の界位として【天界】というものがありますが」
「あぁ、そうだな」
「その天界に来る魂が、ここのところ急激に増えております」
つまりこの世に存在する生物が大量に死んでいることになるな。
理由を突き止めないと行けないが
「つまり?その理由を解明すべく、創造神の側近がわざわざ下界に来たということか」
「その通りでございます」
うーん。普通に大問題なんだよなぁ。
(サトはなんか検討着くか?)
【情報不足により失敗。むしろマスターが下界に来たことにより生物の死は格段に少なくなったと推測。増えた要因を断定できません】
俺と同じ考えだ。
「エジル。それは本当に、このクバマの出来事なのか?」
「間違いありません。このクバマで起こったということは、もう調査済みです」
この宇宙には、まだ生命のいる星がいくつかある。
その生きる者が必ず持つもの【魂】
天界の役割は、肉体を失った魂を管理。
新しい肉体への転生などを行う重要な役割を担う。
「それで?他に何が起きた?魂が天界に来るのは日常だし。増えても戦争と一言で片付くはずだ。他にも何かあるんだな?」
「仰る通りで」
そう、別に肉体を失った魂が天界に増えるのは珍しくない。
なんならよくある事だ。
戦争だの。粛清だの。
それでも天霊族が動く程の判断をした。
なにか天界であったのだ。
「一日にこのクバマだけで不明死魂が数万、数十万殺到。しかもその全てが転生門を潜れないという謎の現象が発生いたしました」
(これで何かわかるか?)
【死因は推測出来ませんが。「転生門を潜れない」という現象は断定できます。要因としましては「本人が転生を望んでいない」もう1つが「まだ肉体を失っていない」この2点です。しかし数万の魂が転生門を潜れないとなると要因は1つ。【まだ肉体を失っていない】と断定】
(ありがとうサト)
「理由はわかった。あとは場所だけだな」
「私も感知能力を使ったのですがいまいち場所がわからず。事件が発生したこの星で感知すれば位置を特定できるかと思ったのですが」
「……とにかく。エジル?」
「はい、なんでしょう?」
「まずはその光臨と羽。消せる?」
幾何学的に廻る光臨。
少し発光している羽。
どちらも目立つのだ。
「消すことはできません。ですが偽装することならできます」
「じゃあとりあえず俺と同じ【人族】に偽装してくれ」
「分かりました」
そうして偽装魔法が展開され。
光がエジルを包む。
「終わりました」
だが
「俺から見ると何も変わっていないぞ?」
そう、派手な光を出した割には何も変化がなかった
「当たり前じゃないですかクエター様の神能力【神眼】の権能【看破の魔眼】で偽装系のスキルは無効化されますよ」
(あれ?俺のスキルって封印されていたんじゃ?)
【どうやら神眼の能力の一部権能が以前の封印解除で少し復活したようです】
なるほどな
「とにかくこの国、今ここら辺、人が居ないんだ。国王に通信して避難させた国民を戻さないとな」
にしても俺が避難命令を出して20分で異常が起こった周辺の数万人をよく避難させたものだ。
「私は異常調査の為【大規模探索術式】を構築しますので何処か目立たない場所はありますか?」
「そうだな。この東門から国を出て。向かって北西方面にこの世界で16番目に高い山がある。そこは魔物の巣窟となっていて【魔山】と呼ばれているがそこの頂上とかいいんじゃないか?」
「有益な情報ありがとうございます。それでは異常を発見次第。思念伝達を送りますね。クエター様!」
そうしてエジルは消えた。
消えたように見えるが超光速で動いただけだろう。
『陛下?お伝えしたいことが─────────』
◆
あれから数日が過ぎた。
魔山からはまだ魔力を感じるが魔物が沢山いることによる魔素で誤魔化せているな。
「さて、今日は何を……」
「個体名【トハン】」
学院で教室に向かっていると声をかけられた。
機械音声で抑揚のない棒読みの言葉で
振り向くとそこには特待生クラスの機械族がいた。
この学園唯一の機械族である。
「な、なんでしょう?」
「どうか私を」
「貴方の所有物に」
どうでしたか?楽しんで行けたら幸いです。
もし楽しんでいけたのなら、下にある
☆☆☆☆☆
の評価をつけてくれると嬉しいです。
1つでもつけてくれたら私は嬉しくてどんどん作品を書いていこうと思います。
ぜひよろしくお願い致します。




