死神さん、お迎えありがとう。だが、断る。2
薄暗い倉庫みたいな所にいた私。薄暗いが私の『5メートルぐらい先のやや斜め前に黒いスーツ姿の男性』がいるのが見えた。
男性は私に背を向けた状態で、金色のアルミ鍋をかき混ぜていた。その鍋からは湯気が立ち上っている。
「男性は鍋を見ているし、距離もある事だし、私には気が付いていないだろう」と私は思い、そして「今の内に(逃げよう)」と思い、そのまま後退りをする為、私は少し動いた。
すると男性は私に背を向けたままの状態で「どうぞこちらへ」と言う。男性が私に気が付いていた事に、ドキッとして固まる私。固まっている私に男性は、同じ状態のまま「どうぞ」と、先程の『どうぞ』よりも強調的に言った。
強調されたので、私は渋々、男性に近付く。男性に近付いた時に見えた鍋の中。その中身は『30人前以上はありそうな具だくさんの味噌汁』みたいな物だったが、定かではない。
何故ならばその鍋からは『味噌汁の匂いがした訳ではなく』、それは無臭であり、私は『色的』にそれを『味噌汁』と認識したのである。
私が認識した時「味噌汁だ」と思ったのではなく、何故か「おぉ、味噌スープ!」だった。
その味噌汁に男性は更に様々な具を足し、かき混ぜ続ける。その作業を眺めていた私。
男性は鍋を見詰めたまま「飲みますか?」と言った。
それに対して私は「いる」や「はい」など言った訳でもなく、沈黙だった。
男性は『沈黙』を『肯定的』ととらえたみたいで、私に味噌汁をそそいだ物を差し出した。差し出されたそれは何故か『シャーレ(科学などで使う透明な平皿)』で、その中には『味噌汁』ではなく、『深緑のスライムみたいにドロリとした物体』が入っていた。
その『深緑のドロリとした物体』は、『人が飲んでも良い飲み物ではない事』や『飲んだら危険な物という事』が明らかで、お世辞にも「美味しそう」や「(是非)飲みたい」と言える物ではない事も明らかだ。
強制的に渡された『深緑の物体入りシャーレ』を、受け取る羽目になってしまった私は、受け取ってからもまた固まる。
固まりつつも私は「先程の味噌汁はどうなったのか?」と思い、視線だけを鍋へと向け、鍋の中を覗いた。鍋の中はシャーレと同じ『深緑のドロリとした物体』だった。
「味噌汁に何をどう入れたらこうなるのだろう?」と思った私。
中々、飲まない私に男性はシャーレを私の口元に近付け、無理やり飲ませようする男性。シャーレが口元に来た時、その深緑の物体が無臭である事に気が付いた。
無臭な物でも、もしその深緑の物体が『ドロリとした物体』ではなく、『サラサラした液体』なら「青汁かな?」と軽い感覚で飲めたかも知れない。
だが、それは明らかに『人が飲んでも良い飲み物』とは思えないのである為、私は「絶対に飲むまい」と思い、男性を押し退けて抵抗しようとした。だが、やはり『男女の力の差』には勝てず、強制的にそれを口に含む羽目になる。
口に含んだそれは無味だったが、それを口に含んだ時、その見た目に、本能的に危険を感じたのか、私は嗚咽をする。
顔を反らして飲むのを拒否しようとする私と、更に飲まそうとする男性。
顔を反らしたり嗚咽したりしながら、男性の不意を突いて「飲めるか!」とシャーレを振り払う私。
シャーレを振り払った時に「チッ!」と、男性の舌打ちが聞こえたような気がして・・・・・・で、目が覚めた。
・夢の感想
2つ目の『死神ネタ』。「男性が死神では?」と思ったのは、目が覚めてからの事でした。