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ワンダーランドにて迷子中〜元の世界にかえしてよ〜

作者: ゆいらしい

初投稿*\(^o^)/*


…ヤンデレが好きです←

こんにちは、アリスです!

現実世界での名前は有田咲。

大学生をやってます!


図書館で「不思議な国のアリス」という本を開いたら

突然、本が光って

「不思議の国のアリス」の世界に入っちゃったようなのです。


正直、さっさと元の世界に帰りたいです。何が楽しくて、大学生がこんなメルヘンな世界で白兎なんてのを追いかけなきゃいけないんだ。


面倒ながらも

私が白兎を追いかける理由は…

ズバリ、元の世界に戻れる……らしい、からです!

…なんでこんな曖昧なのかというと

今隣にいるこの男…自称私の前にやって来た(来させられた)アリス・猫田が言っているだけで根拠は無いからです。


「酷いよ、アリス!(泣)」

by猫田


猫田いわく

元の世界に帰る為には、原作通りに話をすすめれば良いとのこと。


「てか、なんであんたは帰れなかったのさ?」


「う、、、」


まぁ、なんか猫田ってとろいからな

白兎を捕まられなかったのね…

よし!

私は、猫田みたいにならないよーにしなきゃな。さっさと現実世界に帰るんだーーー!


「……そうだね!」


…?猫田の表情が一瞬暗くなったよーな気がしたぞ?

てか、なんか辛そう…


「どーしたの?なんか体調悪い?」


「そ、そ、そんなことっ、無いよ!

それよりっ、ほら、さっさと進もう!」


…猫田は、本当に顔によくでるタイプだ。まぁ、でも、こんな森の中で何時間も彷徨ってるんだから体調も悪くなるわな。


「そうね!さっさとこんな森なんか抜けてやるわ」


この森はとても広い。


私は、『不思議な国のアリス』という絵本の内容をもう殆ど忘れてしまったけれど…

主人公のアリスが森の中で花と歌うシーンは有名だ。

…となると、まだ序盤なのか…


ていうか

さっきクッキー食べて酷い目にあったけど

原作のアリスも同じような目にあったの?


…まぁ、良い←


「猫田!次はどっちの方向?」


「うーんとね、次は………右だったかな?」


私は道案内は、猫田に任せている。

仮にも元アリスだ。

道は知ってる…、知ってるんだよね⁈


「さっきも右じゃなかったっけ⁈」


いや、おいおいおい、猫田さんよぉ

しっかりしてくださいよ!

何てめぇ、オロオロしてんだ

こっちがしてぇーよ


「もぉーー、猫田ぁ

体調不良がたたって頭までおかしくなった?…こんな森の中じゃきちんと休めないじゃない!

これ以上、歩き回ってたらあんた本当にぶっ倒れるよ?」


「…アリス、僕のことを心配してくれてるんだ…」


猫田は嬉しそうに笑った。

瞬間すぐに真顔になって


「………本当に今度の道は、右だよ。」


今度はとか不審な言葉が聞こえたが猫田の顔が真剣なので

取り敢えず触れないでおこう。

私達は、道を進めて行った。

なんだろう

凄くスムーズに進んで行ってる気がする。

…………


「ねえ、猫田!

なんかすんごい順調じゃない?」


と、私は後ろに振り返った。

しかし、後ろにいたのは


「猫田?

そんな奴いないよ、アリス。」


と笑う一匹の猫だけだった。

………うわー、猫田迷子かよ。


もはや、喋る猫には突っ込まず(だって、今更…ねぇ?)

猫田に対する怒りを持っていた。

…暫くの間、静かだなーとは思ってたのよ。


「ねぇ、君。

男の子見かけなかったかな?

その子が猫田って言うんだけど…」


取り敢えず

未確認生物である猫に話かけてみる。口が裂けてる猫なんて、未確認生物でいいと思う。


「僕は、君でも無いし未確認生物でもないよ?僕は、チェシャ猫。よろしくね、アリス」


あーーうん


「ごめんね、チェシャ猫

…それで男の子は見かけたのかな?」


「だから、そんな奴いないよ?

アリスがいると思うなら、いるかもしれないけど。」


……ナニコイツ?


私は、こいつとしゃべっていてイライラしてきた。

まるで、こいつは私が迷うように誘導している気がする。

多分まだ数分しかたってないのに、何時間もたったようだ。


「そう、ならその子を探しに行かなきゃ。」


「左の道を行ったところにいるよ」


チェシャ猫は言い切った。

さっき、こいつ猫田を知らないって言ってなかったっけ?


「知らないんじゃなかったの?」


「知っているもなにも、猫田なんて奴はいないんだよ。

いるとしたら、前任のチェシャ猫さ」


この時、初めてニヤニヤと笑っていた顔をやめて表情を消した。


「この世界は、物語の登場人物を欠かすことは出来ないんだ。

だから、物語の最後には元の世界に帰ってしまうアリスの代わりが次々と連れてこられる。」


「君はこの世界に来てから、チェシャ猫と自己を紹介した猫を見てないだろう?

役割は、1人1つ。

役割通り進めないから、

アリスを惑わす役割を放棄したから奴はこの舞台から降ろされたのさ。」


私は、幼いころ読んだ

『不思議な国のアリス』の内容を思い出す。

そして、あれこれ考えをめぐらす


「僕は、あいつと違って役割をまっとうする。」


そういうと、一変してまたニヤニヤと笑い始めた。

「さぁ、アリス。道は左だよ」


さて、私は思う。

何故私がこちらの役割を欠かしてはいけないという勝手なルールでこの世界に連れてこられたのか。


ふざけるなという話である。


私みたいにやる気のないアリスがいるというなら

惑わすことが苦手なチェシャ猫の役割があっても良いのではないだろうか?


ていうか、

普通に嘘つきより正直者で誠実な方が好感高いだろう。


「・・・そういう意味でいうならあなたのことも好きなのかもね。」


なんて微笑んだ。

チェシャ猫はきょとんとする。


この子だって、役割を一生懸命にまっとうしようとしているのだから誠実っちゃあ誠実なんだよね。


でも

「私は、あなたより猫田の方が好きだから…ごめんね。」


私は、右の道を進んだ。


しばらく走ると、ほら、猫田がいた。

猫田は初めて会ったときのように体を小さく丸めて泣いている。


「ねぇ、君は誰?

ここが何処だか知っている?」


私が初めてかけた言葉をかけてみる。


「アリス?どうしてここに・・」


「迎えに来たの。」


猫田は泣きながら


「僕、嘘つくのが苦手なんだ。

あの時、声、君にかけなきゃいけないのに緊張してかけられなかった。」


「だから、僕、悲しくなって・・・泣いていたんだ。」


そう告白した。


「あの時、君が僕に声をかけてくれなかったら

僕はあのまま誰にも気が付かれずに消えていた。」


・・・役割が果たせないと消えてしまうのか・・。

それは、嘘がつけないこの子にとってどれだけこわかっただろう。

でも


「…あんたは嘘はついてないけど

役割自体は果たしてるよ。」


猫田がこっちを見る。

やっと目を合わせた…



だって







「あんたの事信用してないから。」







・・・。

・・・・・・・



猫田は、顔を歪め

これ以上無いって程に悲しそうに泣いた。


…ちょ、これ以上泣かないでよ!

さすがに焦る・・・


「信用はしてなくても、信頼はしてるから!」


猫田の顔は不満げだ。

じとーっと見てくる。


「だって、あんたの道案内には根拠がないし…

それに、まず道っ、覚えてないんじゃない?


そんな奴、信用できると思う?」


「み、道くらい、覚えてるよ!」


猫田はさらに口をとがらせる。


「じゃあ、あんたは相当な方向音痴だ!


・・・だけど、あんたは嘘をつこうかつかないかで、

あんた自身が迷ってる。

一緒にいるあんたが迷っていたらこっちだって不安になってくるっつーの。」


「ね?あんたは私を不安にさせて迷わしている。


役割をちゃ~んとこなしているでしょ?」



猫田は、目を真ん丸にさせて


「出来てたんだ・・・


僕・・・迷わせること、出来てたんだ!」


猫田はとても嬉しそうに笑った。

…迷わせる事に関して喜ばれたのはちょっとなんだな…



「ありがとう、アリス!」


私は、猫田の手をとった。


「猫田は、チェシャ猫を続けていたい?」


今度は、私が猫田の目をじっと見る。


「僕は、今まで出来なかったことが出来たのは嬉しい。


でも、アリスと一緒にいることの方が嬉しい。

アリスと一緒にいたい。」


だから、

僕はもうチェシャ猫をしたくない。アリスを迷わせたくない。」


なんだかホッとした。

なんだろう、めちゃくちゃ嬉しい。


「じゃあ、行こうか。猫田…」


「うん。アリス、一緒にいよーね」






こうして、私は猫田と一緒に行動することになった。

少なくとも、

ワンダーランドにいる間はずっと猫田と一緒にいようと思う。



勿論まだ私は

元の世界に帰るつもりなので

猫田に頼ることなく、1人で頑張らなくてはならない。


……結局、森から抜け出せたかどうかはまた別のお話。





おまけ


「やあ、アリスと猫田。

この道を左にいくと森を出れるよ」


「えぇ⁈

アリス、左だってー!

僕、右だと思ったよ‼︎」


(また左…なんつー学習能力の無い猫だ。てか、猫田…騙されるなよ……)














おまけ2というか

解説?


・最後にチェシャ猫が「猫田」と言ったのは、

猫田という存在は『咲がアリスの物語』上は認められたということです。


あと、チェシャ猫自身も猫田の存在を認めたということです。


チェシャ猫は、根っからの仕事人の為に役割を放棄しようとする猫田が嫌いでした。

でも最後に、アリスを迷わしていてきちんと仕事をしていたということを知って考えを改めました。



・猫田という名前は、嘘が苦手な(元)チェシャ猫だからこその偽名です。だから、まんまww


・猫田は1度もアリスを有田咲とは言いません(猫田も、あくまで物語の登場人物だから)


・猫田は最後に「一緒に行こう」では無く「いよう」と言いました


さりげなくヤンでます

アリス大好きで、大好きなアリスを惑わすのは嫌だけど


物語が進行して

他の登場人物に会わせるのが嫌なので、森から抜ける気はありません。



…なんか全然ヤンでるように見えなかった^^;

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