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種馬スキルの悪役貴族に転生した俺、断罪を回避し娘たちと自由に生きることにした。  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売


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37/41

第37話 いつの間にか凄いことになってた

 俺は何気なく娘たちのステータスをオープンした。我が子の成長を見守りたい親心だろうか。

 いや、それだけじゃない。

 気がかりなことがあったのだ。


 ――――――――――――――――

 リゼット Lv81

 種族:人族

 職業:聖女

 スキル

 神の代行者

 神聖魔法Ⅱ

 対魔族特効

 生命力回復ヒール

 広範囲生命力回復エリアヒール

 状態異常回復アンチドーテ

 解呪

 神聖光ホーリーライト

 神聖光線ホーリーレイ

 魑魅魍魎滅殺の歌声

 ――――――――――――――――


 ん!?

 リゼットが聖女に覚醒しているぞ!

 この前、パーティー編成をした時に気になってたけど、あれは見間違いじゃなかったんだ。


 続いて俺はメテオラに視線を移す。


 ――――――――――――――――

 メテオラ Lv90

 種族:ハーフ魔族

 職業:魔王

 スキル

 魔王の根源(覚醒)

 対神聖特効

 氷の加護

 魔の絶剣

 氷槍アイススピア

 猛吹雪ブリザード

 千の氷槍(ザウザンドスピア)

 魔王権限

 ――――――――――――――――


 や、やっぱり!

 俺の娘が魔王になってしまった!

 これヤバくないか? 王国にバレないようにしないと。


 続いてエステルに。


 ――――――――――――――――

 エステル Lv96

 種族:ハーフエルフ

 職業:大魔法使い

 スキル

 無詠唱魔法

 二重魔法

 魔法効果付与エンチャント

 電撃ライトニング

 雷槍サンダースピア

 龍雷撃ドラゴンライトニング

 神罰の雷ジャッジメントサンダー

 ――――――――――――――――


 エステルがめちゃくちゃ成長してる!

 この強さ……七魔大公に引けを取らないような?


 そしてシャルだ。


 ――――――――――――――――

 シャル Lv89

 種族:ハーフ獣人族

 職業:超重戦士

 スキル

 戦槌の加護Ⅱ

 肉体強化大

 時間加速Ⅱ

 超重力打撃

 無敵の英雄

 狂戦士バーサーカー

 ――――――――――――――――


 とんでもなく強くなってる!

 これって、もう獣王より強いのでは?



「どうかしましたか、お父さん?」


 俺がボーっとしていたからなのか、エステルが心配そうな顔をしている。


「な、何でもないよ。娘たちの成長を見守っていただけだぞ」

「そうでしたか」


 そう言ってエステルは良い笑顔になる。

 出会ったばかりの頃は、人の顔色をうかがったり、自己肯定感が低くオドオドしていたけど、最近は笑顔も増えて元気になってきた。

 端正な顔立ちと綺麗な金髪で元から可愛かったけど、最近は更に美しさに磨きがかかってきたような。


「エステルは可愛いな」

「ふえっ♡」


 エステルの頭を撫でてやると、彼女はくすぐったそうな顔になった。


「お父さん、恥ずかしいですよ。えへへ♡」

「あー! シャルもシャルも!」


 それを見たシャルも駆け寄ってきた。

 同じくシャルの頭も撫でてやる。


「シャル、また身長が伸びたな」

「わふぅ♡ シャル大きくなるの」


 と、こんな風に娘を可愛がっていると、他の娘が嫉妬するのもオヤクソクだ。

 プク顔になったリゼットとメテオラが、俺に詰め寄る。


「ちょっとお父様! お二人だけズルいですわ!」

「こら、わらわも褒めぬか!」

「分かった分かった。順番だぞ」


 次から次へと娘がじゃれてきて忙しい。こんな日常も良いものだと実感する。

 強くなったとしても、俺の娘には変わりない。俺が愛情をもって育てないとな。


「よし、武器も強化されたことだし、今日もダンジョンに行くとするか」


 俺は娘たちパーティーメンバーとダンジョンにもぐった。



 ◆ ◇ ◆



「今日も凄かったな」


 娘たちが覚醒したからなのか、武器がレジェンダリー装備になったからなのか、俺たちパーティーの進撃は止まる所を知らない。

 今日は地下10階まで楽勝で進んでしまった。

 この分では最下層を目指すのも夢じゃないぞ。


「じゃあヴィクトリア、今日も魔石の換金を頼めるか?」


 俺の後ろで熱い視線を送っているヴィクトリアに声を掛けた。


「任せて! もうっ、レインったら♡ 私のプロポーズは受け入れてくれないのに、人を道具のようにこき使うんだから♡」

「おい、人聞きの悪いことを言うなよ」


 彼女には分け前の金貨も渡している。こき使ってはいないぞ。


「娘の前でイチャイチャとかできねえだろ」

「あら、夫婦が愛し合うのは、子供にも良い影響を与えるのよ♡」

「わたくしは許しませんことよ!」


 リゼットが俺とヴィクトリアの間に入ってきた。

 どうも最近はリゼットの愛情表現が冗談じゃない気がする。俺が他の女と話していると、尋常じゃないヤンデレオーラを放出しているのだが。


「リゼット、親子は結婚できないんだぞ」

「愛があれば乗り越えられますわ」

「乗り越えちゃダメ」


 くっ、リゼットって見た目は清楚で優しそうなのに、その実どこか威圧感というか迫力が凄いんだよな。

 これも聖女の威厳なのか?



 ダンジョンからの帰り道、王都と湖畔への分岐に差し掛かったところだった。

 何やら冒険者が湖畔方面に行き来しているのが見えた。


「何だあれは? 人が俺たちの家の方向に……」


 急いで湖畔へと向かう。道が舗装整備され両脇には花壇が並べられていた。

 いつ整備したんだろ?

 林を抜けると、そこは小さな街ができていた。


「な、なんじゃこりゃあ!」


 俺たちの家の手前には、武器屋とアイテム屋と食堂が立ち並んでいた。

 店は繁盛しているのか、何人もの冒険者が出入りしている。


「一体全体どうなってやがる! たった半日で店が建っただと!?」


 試しに武器屋を覗いてみると、質の高そうな剣や杖が並んでいた。

 量産品のようだが、どれも機能性に優れた装備に見える。


「これは……」

「いらっしゃいませ。あ、レイン様。レイン様は無料で構いません」


 店の中には、アハツェーンみたいに無表情の自動人形オートマタが店員をやっていた。

 その額には『12』と数字が書かれている。


「申し遅れました。私は偉大なるマスターモグミ様のしもべ。名をツヴェルフと申します」


 店員はモグミ式高知能自立防衛型自動人形(オートマタ)No.12だった。


「えっと、ここで何をやっているんだ?」

「はい、モグミ様に命じられ、ここダンジョン近くの湖畔でお店をやっております」


 もう何も驚かないと決めていたはずなのに、事態は俺の想像を超えてきたのだが。


「レイン様」


 いつの間にか俺の横に立っていたアハツェーンが、それぞれの店を指差す。


「他にもございます。アイテム屋を任されているのがNo.13のドライツェーン。食堂はNo.14のフィアツェーンでございます」

「そ、そうなんだ……」


 店員がモグミの作ったゴーレムなのも驚いたが、俺が聞きたいのは半日で街を作ったことなのだが。

 どうなってやがる。


「レインさぁ~ん! レインさぁ~ん!」


 何やら懐かしい声が聞こえてきて顔を上げると、ギルド受付嬢のサーシャさんが手を振っていた。


「えっ、何でサーシャさんが?」

「レインさん、酷いじゃないですかぁ! 手紙をくれるって言ったのに」


 そういえばそんな話をしたような。


「すみません、サーシャさん。落ち着いてから書こうと思っていたのですが、色々あり過ぎて……」

「私ずっと待ってたんですよ。そしたら、王都の目の前に住んでいるだなんて」


 それは俺もビックリだよ。

 てっきり他の街に移住しようと思っていたのに、まさかダンジョンの近くに住むだなんて。


「それで、何でサーシャさんが?」

「私、ここにギルド出張所を出すことになりました」

「はああ!?」


 ふと立ち並ぶ商店に目を向けると、その中にギルドの建物があった。ご丁寧に『王都西ギルド、ダンジョン前出張所』と看板まである。


「先日、額に『15』と書かれた自動人形オートマタがギルドを訪ねてきまして、資金を提供するからダンジョン前に出張所を作らないかって。開業資金は出してもらえるし、ダンジョン前なら利便性も高いということで決まったんです」


 もう訳が分からない。

 モグミはここに街を造るつもりなのか?


「レイン様、No.15は交渉担当フェンフツェーンでございます」

「へぇ……」


 わざわざアハツェーンが説明してくれるが、もう俺の頭はオーバーフローだ。


「さすがレインさんですね!」


 目を輝かせたサーシャさが、俺に熱い視線を送る。


「前から凄い人だと思ってましたが、まさか街まで造っちゃうだなんて。もう偉人レベルですよ! 尊敬します!」

「そ、そうなの? 俺はよく知らねえけど……」


 造ったのは俺じゃないのに。どうしてこうなった。


 こうして、俺たちの家の周りに街ができた。

 俺の行く先々で、勝手に金や物が手に入るようになっているのだが。



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