表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
種馬スキルの悪役貴族に転生した俺、断罪を回避し娘たちと自由に生きることにした。  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/41

第35話 モグミ式高知能自立防衛型オートマタNo.18

「地形認識、モンスター識別、完了。エリア内の敵を殲滅せんめつします。広範囲殲滅魔法、獄炎波動デスブレイズ


 ゴバァアアアアアアアアアア!


 久しぶりにダンジョンに入ったものの、強引についてきたアハツェーンが、モンスターを全部倒しているのだが。

 どうしてこうなった。


「レイン様、周辺の敵は、全て私が排除いたしました。どうぞ、お進みください」


 無表情な顔のアハツェーンが、さも当然とばかりに言い放った。

 何だろう。この脱力感は。


「おい、アハツェーン。お前が全部倒しちゃったら、俺たちに経験値が入らないだろ」

「私はレイン様をお助けするように設計されております。レイン様の敵は、私の敵でもあります」


 くっ、話が通じているようで通じてないような?

 そもそも誰だよ、このオートマタを作ったマスターとやらは!


 錬金術の家を見つけたのが昨日。とりあえず謎の家で一泊することになった。

 メイド服のオートマタを見たリズさんが、『レイン様ぁあ! 新たにメイドを雇うということは、私はお払い箱ですか!』と泣き出す始末。

 まあ、アハツェーンが『私は戦闘メイドでございます。家事は専門外です』と説明し、事なきを得たのだが。


 まだ謎だらけだけど、このオートマタは俺の命令に服従するらしい。


「うーん、こいつステータスはあるのだろうか?」


 謎だらけのオートマタを、俺はステータスオープンしてみた。


 ――――――――――――――――

 アハツェーン Lv71

 種族:ゴーレム(モグミ式高知能自立防衛型自動人形(オートマタ)No.18)

 職業:戦闘メイド

 スキル

 空間探知

 生体認識照合

 鑑定

 自己修復

 炎の矢

 爆炎

 獄炎波動

 ――――――――――――――――


 凄い高機能じゃないか!

 こんなオーバースペックなオートマタを作る錬金術師なんて存在するのか?


 まあいい。ステータスが存在するのなら、パーティーに加入させることも可能かもしれない。


「よし、アハツェーンを俺たちのパーティーに入れておくか」


 俺はステータス画面からパーティー編成画面に切り替えた。


 ――――――――――――――――

 パーティー名

 レインと娘たち


 レイン 天啓の戦士

 エステル 大魔法使い

 シャル 超重戦士

 リゼット 聖女

 メテオラ 魔王

 アハツェーン 戦闘メイド

 ――――――――――――――――


「よし、これでパーティー編成は完了だ」


 何か見てはいけないものを見た気がするけど、今はスルーしておこう。後で……後で確認するだけだぞ。

 ど、どうしたものか。凄いことになってるような? レベルが上がってジョブチェンジしちゃったのか?


「ちょっとレイン! 聞き捨てならないわね! オートマタをパーティーに入れて、私を入れない気なの!?」


 そういえばこの女を忘れていた。剣姫ヴィクトリアを。

 昨日も無理やり家に泊ったんだよな。

 夜這いされそうだったから、アハツェーンに命令して俺の部屋に入れさせないようにしたけど。


「ヴィクトリア、これは俺のシステムの問題でな」

「何よシステムって! 私だけ除け者とか酷いわ!」

「それは……」


 除け者にするつもりはなかったけど、そう思われたかもしれないよな。

 この世界の人間は、ステータス画面や経験値の存在を知らない。俺だけ元世界のゲームシステムを引き継いでいるからだ。

 でも、システムの問題じゃなく、彼女の気持ちも考慮すべきなのか。


「すまん、ヴィクトリア。お前が結婚結婚しつこかったら、つい冷たい態度をとってしまった」

「分かれば良いのよ。でも、結婚はしてもらうからね」

「それは勘弁してくれ」

「ふん、私が居ないと魔石や素材を換金できないくせに」


 ヴィクトリアの言葉で我に返った。確かに俺は王都から追放された身だ。魔石を換金するには、俺の代わりに彼女が冒険者ギルドまで足を運んでもらわないと。


「くっ、確かに……。分かった。お前をパーティーメンバーにするよ」

「ふふっ♡ これで私も家族みたいなもの。結婚も秒読みね」

「そんな訳あるか」


 こうして、俺のパーティーが七人と大所帯になった。



「このメンバーだと初級クエストはイージーすぎるな。よし、下層に行ってみよう」

「はい!」

「はいなの!」

「行きますわよ!」

「しょうがないのう」

「かしこまりました」

「帰ったら結婚よ!」


 皆に声を掛けると、一斉に返事が返ってくる。

 賑やかになったものだ。

 あとヴィクトリア、フラグみたいなのはやめてくれ。



 ◆ ◇ ◆



 初の下層クエストを行った俺たちは、大量の魔石を回収し帰路についていた。

 結論から言って、地下二階と三階も楽勝だった。娘たちのレベルが上がり、そこらのモンスターでは相手にならないくら強いのだ。


「お父さん、私、役に立ちましたか?」

「シャルもシャルも」


 エステルとシャルが、俺のところに駆け寄ってきた。褒めてもらいたいのだろう。


「もちろん二人とも役に立ってるぞ。偉い偉い」

「えへへぇ♡」

「わふぅ♡」


 頭を撫でてやると、くすぐったそうな顔をして抱きついてくる。子供は可愛いな。


「旦那様、私も役に立ったでしょ!」


 ヴィクトリアまで駆け寄ってきたのだが。こいつは子供か。


「べつに」

「ちょっとぉ! 私って、クエストやるとレア素材のドロップ率が良いのよ。役に立ってるでしょ」


 言われてみれば……。今日はめちゃくちゃレア素材がドロップしてたな。そういえば、ヴィクトリアのスキルに『幸運Ⅰ』ってのがあったような?


「ヴィクトリア、いつもドロップ率が良いのか?」

「そうよ。毎回大量の金貨をゲットしてるわ。私、これでもお金持ちなんだから」

「なるほど……」


 この女が美麗で裕福そうなのが理解できたぜ。幸運スキルのせいか。

 今回は、ヴィクトリアの幸運スキルと、娘たちやアハツェーンの攻撃力で、大量の魔石やレア素材がよりゲットできるわけだ。

 これは一回クエストやる毎に大金持ちになりそうだぞ。


「私たちの結婚資金ね♡ 旦那様♡」

「おい、結婚するとは言ってないぞ」


 ギュッ!


 リゼットとメテオラが、俺の腕にしがみ付いてきた。


「お父様は渡しませんわよ!」

「そうじゃ、父上はわらわのものじゃ!」


 えっ? リゼットは相変わらずだけど、何でメテオラまで?

 リゼットは胸がペタペタだけど、メテオラは意外と大きくて困るのだが。


 これにはヴィクトリアもムッとした顔を見せる。


「ちょっとぉ! レイン、私と娘とどっちと結婚するのよ!?」

「何で娘と結婚する前提なんだ」


 グイグイ迫ってくるヴィクトリアだが、娘たちにガードされていて近寄れない。


「もうっ! もうもうっ!」

「いいから、お前はギルドに換金に行ってくれ。パーティーに入れてやっただろ」

「もうっ! 帰ったら聞かせてもらうんだからね!」


 プリプリしながらヴィクトリアは王都へ向かった。

 俺たちは道を分かれ湖畔の家へと歩く。



 ◆ ◇ ◆



 家に到着すると、玄関の前に新たなゴーレムが二体設置されていた。

 こちらは普通のゴーレムといった感じだ。頑丈そうなボディに、屈強な手足。それぞれ額に『1』と『2』と数字が書かれている。

 ただ、素材はアハツェーンのように特殊な感じだけど。


「何だこりゃ」

「レイン様、こちらは護衛用のゴーレム。名前をアインスとツヴァイです」

「はあ」


 グイッ!


 ゴーレムが俺に頭を下げた。こいつらも俺に従うのか。

 もう驚かないと決めていたが、次から次へと俺を驚かせてきやがる。一体いくつのゴーレムを作ったんだ。

 アハツェーンが『12』ということは、最低十二体のゴーレムが居るのか?


「おいアハツェーン、これもマスターとやらが作ったのか?」

「はい、偉大なるマスターモグミ様は、天才錬金術師です。この他にも複数のゴーレムを所持しております」

「へ、へえ……」


 無表情のアハツェーンが平然と言ってのけた。

 そのマスターとやらは、絶対に敵にしたくはない。こんな高性能のゴーレムを量産できるなんて、世界征服でもするつもりかよ。



 家に入りダイニングに向かうと、リズさんが慌てふためいていた。


「どうかしましたか?」

「あっ、お坊ちゃま、じゃなく、レイン様!」


 リズさんが俺を『お坊ちゃま』と呼ぶときは、気が動転している証拠だ。


「料理が一人分、消えてしまったのですよ!」

「えっ?」


 テーブルの上には、六人分の夕食が並べられている。その内の一皿が、食べ終わったかのように料理が消えているのだ。


 テーブルに座るのは、俺、エステル、シャル、リゼット、メテオラ、そしてヴィクトリアだろう。

 アハツェーンは食べないだろうし、リズさんは普段キッチンで食べている。一緒に食べようと誘っても、メイドですからと返されるからな。


「消えた料理……もしかして、この家に誰かもう一人住んでいるのか?」


 俺はアハツェーンに視線を向けた。


「禁則事項です」

「はあ?」


 怪しい。明らかに怪しい。この戦闘メイドは、俺に何か隠している。



 もしよろしかったら、ブクマと星評価で応援していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

-


お姉ちゃんは、彼女で先生で超ブラコン

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
Amazonリンク

i973423

-


姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
ブレイブ文庫 第2巻
ブレイブ文庫 第3巻
COMICノヴァ

-

Amazonリンク

i973423
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ