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国枝は椅子を引いて気を引き締めて云った。
「本日も宜しくお願いします」
「国枝さん、そんなに畏まらないで、私も緊張しますからと、神楽博士朗らかに云った。
「リヴァイアサンオンラインオンの世界はどうでしたか?」
「驚きでした。あの世界味覚も存在するのですから」
「ええ、そうでしょうとも、味覚を再現するのには苦労しましたから」
「味覚の再現否、LOの現実感を現すのに必要な、このコクーンSystem。博士はコクーン型のカプセルを触った。
「このカプセルに入れば、脳のどんな小さな領域でも、永続的な損傷を与える事無く刺激できる。貴方はこの装置をどんなことにつかうだろうか。
コレはSFの話しではない。磁気刺激装置と呼ばれる装置は既に存在している」
「装置は既に存在しているし、比較的簡単に作れる」
「装置を頭皮に当てがって、脳組織に小さな区画に急変動する強力な磁気を当てて活性化させ、機能についての手がかりを得る。例えば、運動皮質の決まった部位を刺激すると、それぞれ別の筋肉が収縮する、手の指がピックと動くかも知れないし、不意に片方のの肩が操り人形のように勝手に挙がるように感じるかも知れない。もしこの装置を利用する機会が有れば貴方は自分の脳のどこを刺激するだろうか」
「もし貴方がたまたま、神経外科の分野で最近出ている中隔──脳の真ん中にある視床下部前付近に位置するニューロン──集団に関する報告を知っていたならば、磁気をそこへ向ける気になったかもしれない」
「この領域に刺激を受けた患者は強い喜悦を感じたと云う」
「或いは、左側頭葉が『いい』気分と関係していると云う臨床所見を考慮して、、左眼の上部分を刺激してナチュラルハイが誘発するかどうか試してみたいと思うかも知れない」
「カナダの心理学者マイケル-バーシンガー博士は、数年前にこれと似た装置を手に入れた時、自分の側頭葉を刺激することにした。そして驚いたことに、産まれて初めて神様を感じたと云ったのだ」
國枝は博士が生粋の無論信者のを他雑誌から識っていたので興味本位に聴いてみた。
「まさかはかせも?」
「ハハハ可笑しなこと云う、科学と信仰は畑違いだよ。神を信じる科学者も沢山居る。可ノアインシュタインもそうだったんじゃなかったかなー」博士は笑い乍云った。國枝は失礼な質問かとおもっていたが、神楽博士は、逆に気分がよさそうに、一層愉快にそうに云った。
「無神論者の脳に刺激をしたらどうなるだろうか」
「神を感じるのかなと、博士はお茶目に笑った。
「当初味覚を再現するのは簡単なことだと思われていた。味覚を感じる領域ん異刺激を与えるだけで万事上手くいくと思われただが、結果は駄目だった如何せんどうやっても感じられなかったよ」
「其処で): 味蕾の中にある味細胞が、甘・酸・塩・苦・うまの5つの基本味を感知します。
脳へ伝達: 味細胞からの信号が、3種類の味神経(顔面神経、舌咽神経、迷走神経)を経由して脳の味覚野に伝えられ、味として認識されます。
「だがもし、この能動的なフィードバック-ループの何処かが妨害されその為にプロセス全体が危うくなったらどうなるdろうか。脳は直ぐさま嘘を吐いて意識を騙そうとするだろうね。このアプローチはビンゴだった。味覚領域にに反応が出た。
「味がしたのだよ」
「脳が意識を騙そうとする時、脳の現象は」
「凡ての現象は──反転する」
───《国枝頼子の第二回LOリポート》より───。




