07
マトンは黙ったまま前方の横にある廃屋の横にある路地をア顎で示した。アサヒはルイの手を取り一段と薄暗くて狭い路地に入り込んだ。肩幅しかない路地にアサヒとルイは向かい合う様に手を取って、ルイは愉しげに両手揺らして駆けている。
不意に、
アサヒの顔に光が差し込んだ。
路路地を出たのだ。
ゴミゴミとした人通りの路に合流した。急に騒々しくなった。マトンが実際には小走に近い速度で躯を前方に運んでいると云う事実。チュートリアルの後、ルイのアイテムボックスより愛着を取り出してマトンをその場で戦闘型自動人形に改良したのだ。
お蔭で?
素移動速度が速くなっている。同じ速さで進もうとする私達は忽ち群衆の秩序を乱し人々の肩に触れたり足を踏みそうになったり後ろからぶつかったりして、休む間もなく短い謝罪を連発して足を運んでいった。気付くと景観が変わっていた。屋敷が並んでいる。貴族街だと言う。
マトンはその屋敷の中で一際大きい屋敷へ入り込んだ。
───リンリンと、呼び鈴をマトンは鳴らした。そこには背の高い、立派なモーニングコートを着た執事が立っていた。「おやジョゼット主人は居るか?」
「ええ、旦那様は奥の書斎に」
私達は屋敷の奥、住居部分の応接室に通された。豪華な部屋である。調度品も古いが高級な物が揃っている。だが、どうも様子がチグハグなのだ。アサヒは高級なソファーに案内され座った。ソファーは革張りでアサヒの躯を包むように沈んだ。ソファーは堅すぎ柔らか過ぎず三匹の子熊のように心地良かった。アサヒは部屋を見渡した。暖炉の上に写真立てがあった。写真にはルイを抱いて笑ってるルイによく似た女性と、困ったような顔をしたルイが写っていた。「ああ、それは私の妻です」
と、屋敷の主人と思われる立派な髭を携えた男性は机に湯気がでている飲み物をおいた。
「綺麗な方ですね」
アサヒはそう云ながら本島に色白でまるでお人形さんみたいと思った。アサヒは置かれてティーカップをとった。芳醇味な林檎の香りが鼻腔を擽ぐるアサヒは一口飲んで……。
盛大に咽せた。
(だって、アップルティーの味がしたのだ。
アップルティーを飲んだのだから、アップティーの味がするのは当然だ?
「否、否、問題はそこじゃない!」
「味がするのだ」
──コンコンガチャ。
ノック音、旦那様失礼します、と執事が細い長方形の桐箱を持って入ってきた桐箱を領主に手渡した。領主は霧箱の蓋をずらして中身を確認したら一度大きく頷いた。領主は虚ろな目をしていた。領主は辛そうに目頭に指を当てると今度は無理に笑顔を造ってアサヒに礼を云った。
「有難うございます、娘を悪漢から守ってもらたことはジョゼットからきいておる」
「まさかこのサンドリア王国まで手が回ってきてるとは……」
「領主は娘の頭を撫で乍ら云った。
「この子の母はまだウインダスに居ます」
「けど心配はしていません、ウイダミス領には我が四だ大名のフロッグ家がI居ます空、フロッグ家は代々魔族狩の専門ですから」
「
「マトンから聞いておるかも知れんが……。私達はウィンダス領から亡国して来たのだ。内乱と魔族侵略によって、妻が」
領主は桐箱から一本の剣を撮り出すとアサヒの前にあさしだした。その痩身の件は驚くほど豪華で特に鞘は見事な宝飾品で彩られていた。柄の先は半球のメッシュ仕立て。アサヒは目の前に差し出されたので反射的に受け取った。妙にてに柄がて馴染んでしっくりした。
「それはほんの御礼です受け取って下さい」
領主は窓からアサヒが帰って行くのを見下ろしている。そこへ執事が口を挟む。
「良かったのですかアレを渡して……」
「家宝を古風大事に飾っておくものでもあるまい、武器は使ってこそ輝く物だよ」
「天宇受売命の尊のままに!」
「「またあのウイダミス領にもどらねばいかぬな……。あの地獄にな」
アルバン領主は吐き捨てるように云った。




