No.04
アサヒはyesをポチッと押した。そうしないと物語が進行しないと思ったからだ。
「経験値を獲るには二種類あります」
「まず一般的な方法は魔物を倒す事で得られます」
「魔物を倒す事で得られる経験値は少量です」
「quest達成の経験値は時間はかかりますが多くの経験が得られます」
「ではコレより護衛クエストを開始します」
「護衛クエストは簡単です」
「ユイお嬢様をサンドリア王国の自宅まで無事に護送するだけでデス、但し、途中には何らかのハプニングが有るかもしれません………」
「此処はバストューく共和国とサンドリア王国のちょうど中間に位置する」
「ソムログ原野です」
「少し遠いですが徒歩でいけます」
「マトンってホント御喋り上手よね、あさひは透き通る青空見上げながら云った。
「そりゃ、私は会話型第二世代器械人形ですからと、マトンは胸を張って云った。
「でも流石に最新型の機械人形の手前であっても所詮は、0と1の世界の住人、語の表面的意義以外のものは割と無関心であります故。
成る程、文学的表現は苦手ってことね、と朝日は同調する。
「いい月ね」
「と云ったら、調子で、気象学的観察なのか、それとも、接吻して貰っているのかが分からない訳ね」
「yes」
「まあ、夏目漱石が聖徒の愛ラヴユーの訳し方に、日本人はそんな事は言わない「月が綺麗ですね」とでも訳しておきなさいと云ったロマンティクな逸話があるのにそれが分からないなんて野暮ったい事だ」
と、朝日は云った。マトンは恭しくいう。
「もし、わたしにキスして貰いたいなら、ちゃんとその通りの言葉で言わなければいけないよok?」
アサヒはいつしか沙道から石道に変わっていることに気付いた。柔らかな風が頬に接吻する。
───騒騒騒。
─────!
アサヒは急に土手を駆け降りて賭けて行った。
「アサヒッ! 待て、それは罠だ」
アサヒはそのまま叢の中へすすんでいく。
待てと云っておるのに、トマトんは両手を挙げて首を小刻みに振った。。
マトンは土手から見下ろし乍らアサヒを追うのだった。
アサヒはは叢に蹲っている白と澄んだ蒼色の子犬を発見した。
エッ? 赤児の鳴き声がこの子からする!
「アサヒ、それは鳴き子だばばかやろー」
マトンが朝日を見つけガチャガチャと駆け寄るアサヒッ! 、危ないッ! 、と叫び声が飛ぶ。
叫び声が響いたあと、アサヒの後方叢から大きな影飛び出してあさひを襲った。
「運が良かったな」
「蒼き狼だ!」
と、マトンは叫んだ。
そう──慥しかに蒼色の狼だった、唯、抱えている子犬を成体にしたかんじの立派な角の生えた狼だ。
「チッ鳴き子が居る時点でもう予測はしてたが、|蒼き狼とは運が悪い」
「アサヒ、其奴等は強いゾ注意しろよ」アサヒは子犬を守る様に身を翻して攻撃を避けた。角を武器に蒼き狼は突進続けたがアサヒに躱され続けられ蒼き狼は諦め叢の中へ帰った。アサヒは抱っこしてる仔犬の毛並みを解くように撫でように解いて大丈夫よと小さく云った。子犬はアサヒの指をカリカリとと齧った。アサヒは大丈夫と、再度優しく云った。子犬は満足に|臍天《へそ天》して、リラックスムードでアサヒの手に顔を摩っている。蒼き狼は鼻を鳴らすと再び叢に帰って行った。
叢から大きな影が飛び出す今度は躱し切れずにギリギリアサヒの身体にか擦った。
アサヒの身体から蒼白い泡が青空へ舞い上がった。
「アサヒ気をつけろ! ソウルスキンが切れるとバッド属性値の衰弱が付くぞ!」
「一定時間行動不能になるぞ」
アサヒの背後、叢より大きな影が角を構えてて突っ込んで来たアサヒは身を反転して拳を蒼き狼の顔面めがけて打ち込んだ打撃の瞬間、白い閃光を放ったと同時に、アサヒは白い泡を吹き出しながら後方へ吹っ飛んだ。
「白い環境効果が出たと云う事はジャストヒットが決まったと云う事だ」
「ジャストヒットはこのゲームでは相手の攻撃が当たる直前の極短いタイミングで攻撃を相手に当てる高度な攻撃技術である」
「吹っ飛んだのは此方の攻撃力より相手の攻撃力の方が上回って居たからに過ぎない。だが、それは仕方ない、アサヒは武器を持ってない格闘スタイルだ。格闘は属性値の腕力のみでしか攻撃力に影響を与えないからだ」
「逆にコッチの攻撃力が相手を上回っていれば、相手を大きく仰反ぞらせ追撃を行なえば派生攻撃が追加されるチャンスなのだ」
蒼き狼は叢の中変だと思った。あの開けた原っぱを忙しなく駆けまわる音が聴こえる。恐怖のあまりあの少女が混乱したのだと思った。蒼き狼は身を低くした。音を頼りに獲物の位置を特定する、獲物の背後から急襲すように突進した。草を分け出るとそこに居るはずの少女は居ない。青木狼は辺りを見回すとひと声唸ると再度叢へ消えて行った。自分が音の特定に失敗するとは少女も運が良いと思った。蒼き狼はどうも奇怪だとも思った。狼は生まれつき聴覚が良く相手の位置を音で把握出来る能力を生まれてから自然に使い熟せて居たのだ。今だって少女は原っぱを必要以上に駆けている状態だと把握している。
蒼き狼は飛び掛かる訳でもなく叢からノソリと草を分けてアサヒの前に落ち着いて姿を現せたて云った。
「成る程、合点が入った。噂で聴いたことがある、冒険者の基本職業に加えて特殊職業、旋律を使って戦って味方には強化効果を齎すと云う極めて稀な戦い方をする特殊職業が居ると云う──────」
「貴公───吟遊詩人だったか」
「アサヒの職業は吟遊詩人じゃったか? ならすでに攻撃をしていたのか。
「攻撃方法は呪歌、触れた対象に音を染み込ませる禁呪足跡に音をつけて位置を惑わせて居たか!?」
「似た音声を創造するのは気が遠くなる程複雑だ。その証拠に、現代においても、完璧な音声発声装置を作れない。ところが、人間は驚くほど安安と認識し発声出来る。子供達は苦もなく短期間で音声を認識し発声できる。別に努力は必要ない。認識はこの仮想世界を覆い尽くして居て、汎用な脳の機能では対応してしきれないどうやら職業には認識を司る能力が備わっているみたいだ」
「今まで俺の攻撃を避け続けられたのは運がよかっただけだ思わないか?
「本当に運が良かっただけと思っているのかと、アサヒは含みのある聞き方をした。
「仕様なのか、本能なのか、分からないがおまえはいつも背後から攻撃してくる」
「何処から攻撃してくるかわかれば拍子さえ分かれば避けるのは造作もないと思わないか?」
「さ、避けた!」アサヒは蒼き狼の攻撃を最も容易く避けたのだった。
「成る程、貴方の云う通りだ。
「仕様なのか、本能なのか解らんが、慥に背後から襲わないといけないと云う抗えられない吸引力が働いている」
「音楽はそのひ人間の歩行を模倣して居る。音量は其の人物の距離感メロディーの起伏は動作音に対するドップラー効果、これだけの複雑なプログラムを闘いの最中でこのアサヒはやってのけているのだ。
「才能?」
───否。
「多分、現実世界からの元からこの能力を既に持って居たのではないか?」
「貴方が例令、我の本能を誤認してるなら、貴方は負ける!」
アサヒははっとした。
「マトンは最初何て云った?」
「彼奴等と云わなかったか!」
「思い違いをしてたのは私だ」
「敵は1匹だと思った思い込んでいた」
「己の出した結論に満足して他の可能性を探さなかった
「今から間に合うか?」
アサヒは直様行動に移す。先ずは足音だ。自然界の中で極めて重要な拍子だ。コッツ、コッツコッツ、コッツうごく動物から響いて来る、鼓動音に似たこの種の足音は、動物が何者かを掴む上で大切な音のてがかりとなる。仲間か将来の恋人か、殺人者化を判断する。
後方からの蒼き狼の攻撃をアサヒは前転して躱した。次いで、両草から子犬が飛び跳ねて近付く子犬達は次々にアサヒに取り憑いてははなれ或いは纏わりついた。マトンの眼にじゃれついてるのんびりした蒼き狼の家族の一枚絵が浮かんだ。マトンは両目を擦る動作をして、照準を合わせる。スチールは収縮して消え去り前までの闘いの構図にもどる。
───手前は一体何に魅せられていたのか?
蒼き狼の遠吠えが聴こえた。「朝日受け取れ!」とマトンは、木剣を投げる。アサヒの足元に木剣は転がった。子犬はアサヒの肩に乗っている仔犬がくポォとポォと声高く鳴いている。
「アサヒッ! 総攻撃がクルゾッ!気をつけろ!」
「気をつけろですって? 大丈夫よもう自分の攻撃は既に終わっているッ!」
断続的にかぜは吹き荒いでいる。
───騒騒騒騒。
叢から大きな影が飛び出して来る。アサヒは難なく前転しながら躱すと、木剣を握り締め同時に振り替える動きと反す木剣を薙ぎ払う! 白い打撃と同時に放たれる、蒼き狼は仰け反った頭に乗っている仔犬はポォポォ可愛く笑い乍ら短い前脚を器用にアサヒの眼を隠した。
「コラッ!前が見えんッ」
アサヒが攻撃動作をおこなうと、不思議な事が起こった。身体ガヌルリと自動で動き出した。新体操バトンの様に、木剣をクルクルと高速回転させ右や左手に持ち替え対象に背後を見せると勢いそのまま脇の横を通すように木剣を突き出した。狼の喉元に当たると狼は倒れ乍泡になって消え失せた。
「Congrats」とルイは叫んで拍手した。
「叙述トリックなんて辞めてよね」とアサヒは苦笑しながら土手へ上がって行く。
「ハテ? 叙述トリック何の事でしょう?とマトンはクツクツと肩を揺らす。
「アラ、白刃を着る気? まあいいわ、叙述トリックてのはよく推理小説に出てくる技法のことよ
「: 一人称や三人称の語り口を工夫し、読者が登場人物の性別、年齢、立場、人数などについて無意識のうちに特定のイメージを持ってしまうように仕向ける。」
仮令、女性が犯人であり、それをそれを誤魔化す為に集団に紛れ込ませて、彼等と標記するなど。
「推理小説には不文律がある、地の分に嘘はつかないである。
「江戸川乱歩は推理小説と云うものは文学ではない」と述べるなど、娯楽()性が高く、文学(芸術性)に欠けるという見方や、大衆小説としての側面が強いという考え方から生まれている」
「だから、文学で揶揄ったからそのお返しで文学をもじったのかと思った訳よ」
「手前は所詮、0と1の住人そんな人間みたいな感情は持ち合わせていませんぜ」
マトンは両腕を組みながらうんうーんと唸って先頭を歩いていた。
「マトンな何か悩み事?」
「チョット否、明瞭解らん」
「何よ何よと、アサヒは興味津々に聴いた。
「アサヒは泣き子に釣られた蒼き狼は自分の得意なフィールドへ誘い出すのだから、問題はその後じゃ、蒼き狼の徒党を使った連携が見られんかった」
「何故奴等は徒党を組まなかった?」
なんだそのことかー、アサヒは別段気にすような素振りを見せずに軽くて云った。
「私は音とは何だろうと考えた」
「音とは生活音だと考え至った」
「動物の足音は拍子で音量は其の物体との距離感、音源の起伏効果は動作音に、自然界の音の法則に近づけていったのだ、其れ等を繋ぎ合わせて曲を創る、曲名をつけるならば、『野でのんびり暮らす蒼き狼』と云うのはどうだ」
「まさに、手前が見た光景に相応しい曲名!
「まさか、あの一帯全部マルっと錯覚の世界へ引き摺り込んだと云うわけか!」「なんて言う規格外の魔唱力じゃ」
「アサヒt云う処女、本当に何者だ?」
「仮に、敵『敵が来た』『敵が来た』と騒いで眼前に広がるはのんびりと暮す一家だとしたらどうなる?
」アサヒは少し意地の悪い貌をして云った。
「皮肉な事に奴こそがイソップ寓話に出て来る『オオカミ少年』だったのじゃな」
「いま頃、他の狼達は野でのんびりして居るはずだと、アサヒは涼やかに云ったのだ。
「ん?」
マトンは何かに気付いたのかアサヒを呼び止める。
「おいアサヒ、オマエの子犬、玩具動物になっているぞ」
「ドミニオン?」
「ドミニオンは所謂、装備のアクセサリー枠で属性値に影響をあたえる。狼ならAGI➕1だろう」
子犬は居心地が良いのか肩やアサヒのあt頭上にだらしなく乗っかってる。
「ぽーぽー」
「ぽーと鳴くからお前の名前は『ポン太』だ」
「キュイキュイ」
「名づけてから鳴き声を変えるのはずるいぞ」
ポン太は頭上より飛び降り着地付近で一回転を成功させた。ポン太はお尻を見せるとフリフリダンスをお披露目した「キュイキュイ」あさひの
貌がこ紅潮し、だが、可愛いから許すとサムズアップした。
蒼き狼改め、──『ポン太』
「




