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リセルの恋  作者: 塙瑶花
3/3

舞踏会そして結婚

 

 オールディンとの約束の日まであと二か月と迫った。キーナンはリセルに会いたい気持ちが抑えられなくなってきた。どうにかして遠くからでも彼女を見る方法がないものかと思案していた矢先にオールディンに呼ばれた。


「剣技大会で優勝もした。総務の評判も中々良い。リセル嬢と接触するのも我慢した。そろそろリセル嬢との結婚を認めてやろうか?」


オールディンの言葉をそのまま受け取っていいものかと一瞬迷った。

「ほんとですか? なにか裏がありそうな気がするのですが......」

「もっと、素直に喜べ。ただし、向こうの気持ちが変わっているかもしれないぞ。見目麗しい護衛もついているらしい」

「女性同士もありですが、リセルなら多分大丈夫だと思います」

「女同士?」

「はい、護衛騎士は女性です。騎士団長に聞きました」

「なんと。ワハハ、私の初めての失敗かも知れないな」


「ところで時期が早まったのはなぜですか?」

「お前が察している通りさ。準備が整ったと言った方が良いかな」

「なるほど。レクア王国関連ですか。兄上がひと月ほど前にあちら方面に大隊を連れて行きましたね。総務をやっていると国の政策の流れが良く分かります。ただ、それが私とリセルにどう関係するのか今一つ読めませんが、何はともあれ彼女にすぐに会いに行きます」

「まあ、待て。ジーナ商会長宛に書簡を用意する。それから一か月後にまたローレン王女が来るからその時に舞踏会を開く。()()リセル嬢を連れて参加するように」

「わかりました」



 その日、リセルがチェイスやクリスと共に屋敷に帰ったのは夕方遅くだった。

「良かった。交渉が上手く行って。兄さんのお蔭だわ。クリス、これであの生地で大量生産できるね」

 

 リセルはチェイスとクリスに話しかけながら執事の開けた玄関を過ぎ広間に入った。

突然、チェイスが驚いたように立ち止まったので、その方向を見るとキーナンが腕を広げて立っていた。


「キーナン!」

リセルは迷わずその腕の中に飛び込んだ。

するとキーナンが

「む、胸が大きくなった......」と呟いた。


「久しぶりに会って、最初に言う言葉がそれなの!」

「ごめん、つい。会いたかった。すごく会いたかった」

「私も。元気そうでよかった......」


 後ろでそれを見て立ち尽くしていたクリスの腕をチェイスはそっと取った。

 

 クリスの耳元で

「俺たちは邪魔ものだから、あっちへ行こうよ」

そう言って、リセルに似た顔でニコッと笑った。

 その時、クリスの心臓が跳ねて、体の熱が一気に噴き出しそうになった。


 ここにまた新しい恋物語が始まる。




 舞踏会当日、迎えに来たキーナンはリセルのドレス姿を見て息が止まるかと思った。

全体が鶯色で統一され、袖なしのボートネックで襟元がきれいだ。キーナンの贈ったエメラルドのネックレスが引き立つ。

スカートの部分は厚めのタフタでアンダースカートを作りボリュームを出し、その上に何枚ものオーガンジーを重ねている。上身頃全体には少し薄めの色で花模様の刺繍がされていて、スカート部分よりも薄めの色となっている。


「キーナンと会う日のために、メイベル師匠に教わりながら作っていたの」

「すごく美しくて、見せたいような見せたくないような」

「キーナンの青い正装も素敵。私の瞳に合わせてくれたの?」

「もちろん! 今日は俺からあまり離れるなよ。どうも父上がリセルを必ず連れて来いと言ったのが気になるんだ」

「離れるつもりはないけれど、人生何が起こるか分からないからね。まあ頑張るわ」


 舞踏会場では、仕事仲間や貴族たち挨拶する時も、皇族たちに挨拶する時も、キーナンの母親アリアナに会う時でさえキーナンはリセルの手をしっかり握っていた。

「キーナン、願いが叶ってよかったわね。リセルさん、キーナンをよろしくね」

「はい、アリアナ妃殿下も御息災にお過ごしください」


 ローレンと共にいる侍女二人がそれを見て

「ローレン殿下、キーナン殿下と一緒にいる女は平民と言う話ですわ」

「悔しいけれどドレスは素晴らしいわね。顔もそこそこだし。金持ちかも知れないけれど所詮平民でしょ」

 そう言ったので、ローレンは決心した。

「自分がどういう立場か思い知らせてやるわ」


 その時、壇上で宰相が全員に告げた。

「皆さま、ご出席ありがとうございます。陛下は所用が長引きまして少し遅くなります。皆様には用意されております軽食を遠慮なくお召し上がりになって欲しいということでございます。なお、ダンスだけは陛下がいらっしゃってからということになります」


 キーナンがリセルの耳元で囁いた。

「父上は、また、何か企んでいるな」

「どういうこと?」

リセルが尋ねると同時に後ろから声がかかった。


「キーナン殿下、陛下がお呼びです。お一人で来るようにと」

「はあ、やっぱりだ。リセル、大丈夫か?」

「会場の外にはクリスもいるし。たぶん大丈夫」


 キーナンが去った後はゆっくり歩きながら会場の夫人たちのドレスをチェックし今後の流行を思い浮かべていた。食材のほとんどの仕入れはハインズ商会が関与しているはずだが、意外と産地が分からない。もっと勉強が必要ねと思っていたら、やたらに体格の良い銀髪の給仕に

「お嬢様、お飲み物はいかがですか?」と聞かれた。


 前髪が長くて、顔が良く見えない。怪しい人ではないとは思うけれどリセルは用心して

「ありがとう。でも、今日はあまり飲み物は摂らないようにしようと思っていますの。それでなくても初めての舞踏会で緊張しているから、いろいろと不都合が......ね?」

首をすくめて微笑むと、彼も「面白い方だ」と微笑んだ。


 そこに、人をかき分けて赤い火の玉のような物が突進してきた。

実際には赤いドレスを着たローレン王女だ。金髪を結い上げ、豪華な衣装に身を包んだ彼女は本来は美しい人なのだろうが目を吊り上げた険のある表情がせっかくの美しさを台無しにしている。


 リセルの目の前で止まった王女が口を開いた。

「あなたよね。平民のくせにキーナン殿下の恋人気取りの女は。殿下は私との婚約が決まっているのよ。立場をわきまえなさい」


 リセルは丁寧に淑女の礼をしながら言った。

「レクア王国のローレン王女殿下とお見受けしますが」

「あら、平民のくせに良く知っているわね。まあ、これだけの美貌でこの素晴らしいドレスを着ていれば当然かしら」

「近隣諸国の王侯貴族のお名前と絵姿は全て頭に入れておりますので」

「生意気な女ね」


「王女殿下は、私を恋人気取りとおっしゃいましたが、事実、キーナンとは恋人で結婚の約束をしております」

「キーナン殿下を呼び捨てにするなんて、あなた平民でしょ! とんでもなく失礼な女ね。彼の婚約者は王女の私なのよ! 許せないわ!」

そう言って、脇のテーブルに置いてあったワイングラスを取り、その中のワインをリセルのドレスにぶちまけた。


(赤ワインか〜。まいったな)


「ちょっと良いドレスを来ているからと言って調子に乗るんじゃないわよ。ワインがかかったくらいが平民には丁度いいわ! これくらいで済んだことを感謝するのね」

ローレンはさらに追い打ちをかけるようにリセルにそう言った。



 さて、キーナンは何をしているかと言うと、会場の裏の控室に監禁されていた。

部屋に入った途端にドアの外から施錠されたのだ。

外にいる騎士に尋ねると

「陛下から、迎えが来るまでこの部屋から出るなとのご命令です」

そう言われた。


「リセルは? リセルに危険はないのか?」

「それは大丈夫だと思います」

ここで足掻いても仕方がない。腕と足を組みソファに座り、キーナンはただ時を待った。


どのくらい経ったろうか。

ドアが開いて、ジーナ商会長が年配の女性を伴ってやって来た。

「キーナン、この方は、リセルの裁縫の師匠でメイベルさん。さあ、皆、入って」

ドレスを抱えた数人の女性たちが入って来た。

「万が一ってこともあるからね」とメイベルさんが言った。


 キーナンは事態を飲み込めなくて戸惑ったが、

「さあ、行きましょう! さて会場で何が起きているやら。リセルが切れていないと良いのだけれど。それからあなたたちの婚約が成立したわ。今、陛下が用意していた書類にサインしてきました。おめでとう!」

 そのジーナの言葉に、キーナンは不安と嬉しさで駆け出したくなった。


 時は少し遡る。


 リセルは怒るとむしろ冷静になっていく性質だ。

「ローレン殿下、ご存知ですか?」

「なんの話?」

「このドレス、このように仕上がるまでにどれくらいの人々の手と時が必要なのか」

「知るわけなでしょう」

「いいですか。絹を作るには、まず蛾という虫の卵をふ化させ幼虫を育てます。室温の管理をして、毎日桑という餌の葉を与えます。およそ二十日を過ぎた頃に幼虫が糸を吐き出し繭を作ります。その繭から採取される糸が絹です。それを何本か撚って丈夫な糸を作ります。それから染色、織りの過程があって生地ができます。染色も織り方もそれぞれの地域で違いがあります。そして出来上がった生地を店まで運びます。産地から集まった生地の中から何点かを選び、ドレスをデザインし縫製します。もちろんレースや刺繍糸についても同じです。お分かりですか? これに何人の手がかかっているのか。どれだけの時を経ているのか。数えきれない人たちがこのドレスを作るために努力しているのです。王族だからと言って、そのことを尊重せずにわざわざ汚すなんて、民からの信頼をなくすだけです」


「あなた馬鹿なの? 王族のために平民が働くのは当たり前の事でしょ」

「いいえそれは違います。平民が健やかに働けるために王族が存在するのです」


「くだらない。あなた、平民のくせに私がキーナン殿下と結婚することに嫉妬しているのね。恥を知りなさい!」


「恥? では言わせていただきます。王女殿下の身に着けていらっしゃるものには何一つこの国やご自分の国の物はありませんよね。アクセサリーも含めてすべて西の大陸からの輸入品です。確かに良い品物ですが、この国やご自分の国にもっと良いものがあります。お金を掛ければ良いと言うものではありません。この国の皇子と結婚したいのなら、せめてこの国で生産しているものを一つでも身に着けていただきたいと思います。私に投げつけた言葉をそのままお返しいたします」


「な、なんて不敬なの。黙っていればいい気になって! ワインだけでは足りなかったようね。その安そうなネックレスも外した方が良いわ」

 

 ローレンはそう言うと、リセルの首からあっという間にネックレスをもぎ取り、それを足蹴にした。そして扇を閉じて振りかざした。


 これだけ言ったなら打たれても仕方がないかとあきらめてリセルは目を瞑った。

「そこまでだ」という声がした。だが扇が額に当たった。当たったのだがあまり痛くない。

ギリギリのところで、誰かがローレンの腕をつかんだようだ。

 目を開けるとそれは、先ほどの銀髪の給仕だった。彼はその髪、いや鬘を引っ張り外した。


 ローレンが、「あ、陛下」と言ったので、リセルも慌てて礼を取った。

 

「ローレン王女。あんたの負けだ。いいか、平民と馬鹿にするこのお嬢さんのハインズ家はあんたの国を買収できるほどの金持ちだぞ」

「えっ」

「買収しなくても、ハインズ商会がレクア国から手を引けば、国はおしまいだ」

 ローレンの顔がだんだん青くなってきた。

 

(陛下、それはちょっと大げさではないですか)

リセルは心の内でそう思ったが、もちろん口は挟まない。


「そして、彼女は我が国の第六皇子、キーナン・ルロイの正式な婚約者だ。そうだな? ジーナ・ハインズ商会長」

「はい、その通りでございます。ローレン王女殿下が足蹴にしたネックレスこそ、その証拠でございます」


(え、母さま)

キーナンもいる。今にもローレンに飛び掛かりそうだ。


「だからあんたが襲ったのは我が身内。つまりあんたは我が国に対して手を上げたわけだ。キーナンが贈ったネックレスを破壊し、彼女の額に傷を付けた」


 リセルは傷と言われて確かめたかったが、動くわけにはいかないとそのまま礼を取っていた。痛くないのでたぶん少し赤くなった程度だろう。つまり陛下はその頃合いでローレンを制止したと言うわけだ。


「衛兵! 彼女とその侍女たちを拘束しろ。彼女についてきた従者も同様だ」

ローレンは、後ずさりながら

「だって、だって、どんな手を使っても婚約しろと言われたから......」

そう言ったが、周囲の目は冷たかった。


「これだけ近隣諸国の貴族が集まる場所でやったことだ。お前の父親も責任を取り国王の座を降りることになる。王族はみなその立場を失う。お前はお前が馬鹿にした平民になるんだ。今、ちょうどレクア国の近くに我が国の第三皇子ロシュベルがいるから彼にすべてを任せることにする」


 足をもつれさせながら連行されるローレンを見て、キーナンは自分のリセルへの想いが利用されたのを知った。

(なんでも利用するのは父上のやり方だ。怒る気にもなれない。リセルが傷ついてないと良いのだが......)


 リセルを抱きしめようと腕を伸ばしたが「ワインで汚れるわ」とキーナンの両腕を掴んだ。

 そして僅かに顔を前に出し「ねえ額に傷があるかしら?」と聞いた。

「傷はないよ。少し赤いかな」

キーナンはその場所にそっとキスをした。

「痛いかい?」

「ううん、大丈夫」

リセルがいつもの笑顔を見せたので、キーナンは心から安堵した。


「さあ控室に行こう。メイベル師匠がドレスを持って待っている」

「え、ホント? 嬉しい。キーナン、あの壊れたネックレス」

「ああ、作り直してもらおう」

 キーナンはそれを拾ってポケットに入れた。



 今度のドレスは、白に近いクリーム色。ビスチェ風だが、胸から首元まではレースで覆われている。

「なんだかウェディングドレスみたいね」

「ウェディングドレスは俺から贈れるように稼ぐよ」

「期待してます。でもきっと父さまが母さまに贈ったモスリンのウェディングドレスを着るわ」

「では、披露宴のドレスを贈るよ」

「ええ」

 メイベル師匠が、「あ、これも着けて行くんだよ。会長の物だけどね」

 それはエメラルドとダイヤモンドがあしらわれたイヤリングだった。


「師匠、ワインのシミはもう取れないかしら?」

「ちょっと時間が経ってしまったからね。それはそれでまた工夫すればいいさ」

「そうね。キーナンに会えるのを願いながら作ったドレスだから捨てたくないわ」

何気ないリセルの言葉にキーナンの心臓が撃ち抜かれた。



 会場ではもうダンスが始まっていた。

「あら、母さまと陛下が踊っているわ」

「陛下はジーナ会長のような人が好きだろうな」

「そう?」

 ジーナの色はひまわりのような強烈な黄色だ。人を惹きつける色だ。


 ジーナとオールディンには甘い雰囲気と言うより、互いに相手の能力を認め合う同志感が漂っている。

   

「正直な話、ここまで上手くレクアが手に入るとは思わなかったな」

「陛下がうちの優秀な商会員に目を付けた時から、だいたいの予想はついていましたが、娘を利用して欲しくはなかったですね」

「だが、大した娘だよ。将来が楽しみだな」

「お褒めに預かって光栄です。でも、陛下がそうおっしゃるとまた何かを企んでいるのではないかと気を回してしまいますわ」

「君は中々興味深い人だね。私の五番目の妻にならないか?」

「お戯れを。四人の奥様達を大切になさいませ。皆さんの仲が良いと私の商売も繁盛しますわ。平和が一番です」

「そう来たか。若い頃に君と出会っていたら、私はどうなっていたかな。それを考えるのも一興だな」



 キーナンとリセルの結婚式は、リセルが学校を卒業してからになった。キーナンは商会に戻り、商会員としてジーナやチェイスの片腕として活躍している。

 リセルの方も、もちろん服飾関連の勉強を継続している。そのかたわらジーナの着たウェディングドレスを今風にしようとメイベルの意見を聞きながら少しずつ手直ししていた。


 二人の結婚式は初夏の晴天の下、盛大に行われた。ジーナはリセルのウェディングドレス姿を見た途端に泣き崩れてしまった。オールディンも忙しい執務の合間をぬって、数分だけ顔を出した。

さらに「ほんの()()()()()結婚祝い」として今は使われていない旧伯爵邸を二人にくれた。

キーナンとジーナは(絶対裏に何かがある)と思いながら、丁寧に礼をした。


 その一年後にチェイスとクリスが式を挙げた。

 

 その後、なんと母のジーナまでが、伯爵令嬢時代の婚約者であったエルサス王国のフィリアス将軍と結婚することになった。

 エルサス王国での式を取り仕切ってくれと言われて、キーナンと二人で急ぎエルサス王国に向かった。

 二か月近い滞在で、二人は、エルサス王国上げてのジーナことジョジーナとフィリアス将軍の結婚式、そしてパレードを現地の担当者らと共に演出した。

 

 

 エルサス王国でのすべての日程を終え、二人はオルトン皇国への帰途の船に乗っている。

 

「キーナンいろいろありがとう」

「エルサス王国での交友関係も広がったし、中々有意義だったぞ」 

「母親の結婚式を取り仕切る娘なんて前代未聞よね。私としては少し複雑な気分だったけれど母さまが幸せならいいわ」


 潮風が、リセルの髪を弄んでいる。リセルが寂しそうに見えてキーナンは思わずリセルを抱き寄せた。

「ねえ、フィリアス将軍の色はどんな色だった?」


 キーナンは結婚してから自分の能力をリセルに打ち明けている。


「そうだな。藍色に近いが藍色ではない。エルサス王国を手中に収めることもできたろうにそれを望まなかった」

「母さまを捜していたからかな」

「どうだろ」


「アリアナお義母様も週末をナタリアおばあちゃんの家で過ごすようになって、なんだか生き生きとしているわよね」

「ああ、俺たちの結婚式で刺繍好きな二人が意気投合したっていうから驚きだよな。母上があんなに楽しそうなのは初めて見たよ」

「陛下が良く許してくれたわね」

「平和が一番とか言ってたな」

 

 リセルはしばらくキーナンの胸に顔を寄せていたが、少し躊躇いながら囁いた。

「それから、あのね。もしかして出来たかもしれないの」

「え?」

「赤ちゃん」


 その言葉を聞くや否やキーナンはさっとリセルを抱き上げた。

「こんな潮風に当たる所にいては駄目だ。部屋で絶対安静だ!」

「そんな~」



 この二人が十二年後に皇帝と皇妃になるなんて、この時は誰も予想していなかった。

本当に先のことは分からないものだ。



---End---


お読みいただきありがとうございます。

オールディンはキーナンが気に入り。自分の跡を継ぐ力があるかを試しているのですね。

ジョジーナとフィリアスの結婚までのいきさつは、「婚約は永遠に続く~結婚式をしても結婚していない?~」に書かれています。

誤字報告、いつもありがとうございます。

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