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恋想い出  作者: 歩緒路李
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先輩と私の恋物語


 「小林さん。来週の土曜日、空いてる??」


涼やかな眼で見つめながら、高校の先輩・高梁(たかはし) (あつし)が言った。


「どうしてですか?」

 私、小林眞弓(こばやし まゆみ)は、少し微笑みつつも、ジラすような応対をしてみた。


「土曜日、空いてれば東京ディズニーランドに行かない? 駄目かな??」


(なっ、なんて率直に言うんだろう。高梁先輩。)

顔が紅くなり、動揺する心を抑えながら、

「それは、デートのお誘いですか?」

「そうだよ。駄目??」

その涼やかな眼で、真っ直ぐ私の眼を見る。



高梁先輩とは、高校の図書委員で知り合い、先輩が3年、私は1年。

当時の高梁先輩は、年上の女性と付き合っていると聞いたり、一日で二人〜三人と付き合うのが当たり前のプレイボーイ(死語?)ぶりだった。

そんな先輩を私は、

(なんて、嫌な奴!!女の敵よ!!)

と、嫌悪感を抱いていた。


高校生活もお互いに卒業し、久しぶりに図書委員の同窓会で会い、二次会のボーリング場にて、


「土曜日、空いてる??」

と、言ってきたのだ。


「先輩は、確か年上の人とお付き合いしてませんでした?」

「ああっ、高校の時ね。去年、別れて今はフリー。」

「本当に〜。怪しいなぁ〜。」

「ほっ、本当だよ。今は、彼女はいないよ。」 かなり焦って、しどろもどろな先輩。


クスッ


「あっ。俺、もしかして、からかわれてる? まいったな〜。」

涼やかな眼が三日月のように優しく、微笑む。


「ごめんなさい。からかうつもりじゃないんです。なんで私を誘うのかが不思議で、つい.....。」


「なんで、って。可愛くていいなぁ〜と想って、色々考えてから、声をかけたんだよ。」

顔を真っ赤にしながら、下向にうつ向いた先輩。昔と比べて、だいぶイメージが違うのに心が揺さぶられ、私は、

「来週の土曜日、ディズニーランドへ連れてってくれますか??」


〜続く〜




あの誘いから、一週間後。高梁先輩と、ディズニーランドへ来た。

天気は、雨。

別に迷信とか信じる訳じゃないけども、初めてのデートに雨とか降ると、その相手とは、うまくいかない......な~~んて、聞いたことあるけども、本当に雨降りとは.....。

ディズニーランドの雨 ―――― 憂鬱。

 そんな私を気遣うように、

「小林さん。傘一本で二人入っているから、もう少し俺の方に来ないと、濡れちゃうよ。」と、私の左腕を引き寄せる。

『何だか本当に、恋人同士みたい。』

期待に胸を、ときめかせながら先輩の右腕に、私の左腕を入れてカップルのように腕を組む。

「えっ。」先輩がたじろぐ。

「どっ、どうしたの? 腕を組んできて。」動揺しつつも、顔は半分、嬉しそうな先輩。

「雨で濡れちゃうし、手を繋ぐのも変だから、腕を組んでみたの。嫌なら、はずすけど.....。」

「いっ、嫌なことある訳ないだろう~。案外、小林さんって、甘えん坊なんだな。」、顔を赤くしながら私をたしなめた。

「えへへっ」、ペロッと舌を出した私。


そして二人は、ホーンテッドマンションやカリブの海賊等を周り、待ち時間が3時間でも、高校の頃の話や車の話、本の話、家族の話etc―――――――話が尽きなかった。


雨は、止むことなく降り続いている。

「寒くない?」優しく話かけてくれる先輩。

「はい。大丈夫ですよ。」と、返した瞬間。


私の左手を、ギュッと握る先輩の右手。

私の方が、熟れた林檎のように顔を真っ赤にされながら二人で、ディズニーランドの園内を遊んだ。



―――午後五時。ディズニーランドの駐車場。

雨は降り続いている。

先輩の車に乗り、かなり車内が冷えてるので暖めている間、二人は一言も話さず、ただ、何処かを見つめている。

『先輩....何か悩んでいる? 車に乗ってから何も話さなくなるし....どうしたんだろう?』一抹の不安が私の心に押し寄せる。


だいぶ長い間、雨の音と暗い中に、幾つものぼんやりとした外灯の景色だけが静かに流れていた。


「小林さん!」

突然、名前を呼ばれて驚く私。

「はっ、はい!!」


前だけ見ていた先輩の顔が、私の方に向き、「小林さん。俺と付き合って下さい。」


雨のディズニーランド―――その駐車場で、告白されました。

 突然過ぎて、豆腐で頭を殴られた感じの衝撃で言葉が出ないのを何とか出して、


「一分だけ待って下さい。」


~続く~

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