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プラトニック ラブ  作者: 伊咲 汐恩
第三章
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信用できない文字コミュニケーション




セイはスマホを紛失してしまう事を常日頃から念頭に置いている。

電話帳やメールやSNSメッセージや画像などといった個人情報の流出を防ぐ為に、必要最低限しかスマホを触らない。


文字は人の顔が見えない。

だからこそ、一方的に送信されてきた内容だけでは簡単に信用しない。

このように、異常なくらい警戒深くなった理由は、送信主が画面に表示されている人物になりすましている可能性もあるから。



紗南に送るLINEメッセージは保健室で会う約束をする時だけ。

内容はたったの一行で約束の時刻のみ。

しかも、電話帳には紗南という名前で登録していない。

その理由は、何か遭った時に被害を及ばせない為だ。


通話は仕事の連絡のみ。

友達との雑談で使用する事は滅多にない。

それ以前に誰かと雑談する余裕もない。


本当は1日でも早く伝えなきゃいけない留学話や、西門で抱き合っていた男の話など、言いたい事や聞きたい事があるけれども、自分の中のルールは変えたくない。



一方の紗南は、真逆の考え方を持っていた。

事前に約束をしなければ会えない関係だけに、手軽に使えるスマホを用いて少しでも多くコミュニケーションを図りたいと思っている。


周りに目を向ければ、当たり前のように彼氏と連絡を取り合っていて、常に繋がり合ってるようで羨ましい。

セイからLINEメッセージが届かないスマホを寂しく眺める紗南には無縁な話だった。


紗南はセイと会えるだけでも嬉しいし、人と比較しちゃダメだと思っているが、やっぱりそれだけじゃ満たしきれない部分もある。


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