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雀たち。

作者: 小波

 

 雨の音なんて案外煩い。だから半分くらいでちょうどいい。雨の音が半分聞こえないならば傘を放り出して雨を全身で浴びれば良い。そして一緒に雨の中で踊ろう。



16歳で家出した。そう言うと


行動力あるねえ!と褒められた。


辛い環境から逃げただけなのだ。



私から見たら大きな声で言えない過去も

違う道を歩いてきた君からすればかっこいい。



私なんて耳が聞こえない!面接に落ちる!普通の仕事はもらえない!


私なんて高校中退の家出娘だ!親にもあばずれと見放された!



いくら元気の出る言葉をかけられても新しい価値観を知らされても、わたしが心からそう思わない限り何も変わってなどくれない。

他人の価値観を魔法のようにかけてもらっただけで人は変われたりしない。自分を愛せるようになったりしない。だけど愛されてる感覚は喜ばしい。もっともっととせがむ度に自己評価は転落していく。わたしがわたしからかけ離れていく。



 わたしの耳はどうせ半分聞こえないからね!と頑固な気持ちで人の輪から遠ざかりそうな世界を泣かずに走ってきた。


 学歴も何も家出しながらやっと生きてきた。愛が何かなんてわからない。わからないものは欲しがっても欲しがっても手に入れたとしても実感が無い。わからないから欲しい。みんな微笑んでいる。そこへ行くのに苦労していない様に見える。同じ服を着てみても同じ場所へ旅をしたことがあっても


わたしだけが笑えない。感情をおっことしてきたの。


 もっていても使わなかったから。なくても同じだと間違えて捨ててきたの。‥持っているだけでとても重い荷物だったの。それだけの時間を孤独に費やしてきたの。


 今更探すのは中毒を抜く様なもんだ。水の中に手を突っ込んで深く深く潜っていく。それでもほっとしている。




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