13 捕らえた暗殺者と護衛対象の変更と。
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本日三回目の更新です。
――ヒノside――
ブルーローズへ到着すると、エドガーが少し強張った顔をして私とプリシアを見て頷き、更に入ってきたガーデニアを見て驚いた。
まさかガーデニアが付いてくるとは思わなかったのだろう。だが彼女は何処かご機嫌だ。
「これはガーデニア様」
「わたくしの事は気にしないで」
「そうでしたか。ですが今から、」
「ええ、先の事ですわね? わたくしにも聞かせてくれないから、当事者として」
「当事者?」
「ガーデニア様も狙われたのでその事かと」
「!」
エドガーとしても寝耳に水だったのだろう。「そういう事なら」とブルーローズの地下と繋がっているカサブランカの地下室へと向かった。
貴族達は自分たちの事で手いっぱいでガーデニアには気が付いていないのも幸いしたのだろう、薄暗い地下を進んでいくと牢屋が幾つもあった。
ここは【取り調べ】と言う名の牢獄だ。
此処に入れば、早々出ることも死ぬ事も叶わない。
既に二人の暗殺者が入っており、武器も毒も全てツキに取られた後のようだ。
こうなると、最早彼らの矜持次第で話すか話さないかの違いになってくるだろう。
「兄上お帰り。上から見てたけど綺麗な太刀筋だったね」
「それはよい。襲ってきた者たちは毒もシッカリと奪った後であろうな?」
「口の中の毒仕掛けもとったばかりだよ。うごめいてるのはその所為」
つまり、歯を抜いたという事だ。
嫌がる相手を動けなくして歯を無理やり抜き取る手早さで言えば、私以上だろう。
私は堂々たる護衛向きではあるが、暗殺者は切り伏せるのが得意で、弟のツキは暗殺者を殺すのも生かすのも得意なのだ。
「さて、其方たちには色々聞かねばならぬ。痛み止めだ、飲むといい」
そう言うと私は里から持ってきた痛み止めを二人に投げ渡すと、彼等は薬を手に取ると口に流し込んだ。大量の血が出ている所を見ると、遠慮なくツキがやったのだろう。
「それで、何故プリシア様とこの国の第一王女であらせられるガーデニア様を襲ったのか。そして誰が首謀者なのか話す気はあるか? 今話しておいた方が楽だと思うが?」
「誰が話すか!」
「だがお主達は依頼に失敗した。そして生きてこの場にいるという事を考えた方が良い。私はそなた達を拷問する気などはないが、お主達を捕らえたツキは拷問の達人じゃぞ? まともな精神でいられる時はそう長くは無かろう」
「「ヒッ」」
「私の言う言葉は善意と思って欲しい。拷問にかけられる前に話して貰いたい。其方たちをけしかけたのは、第二王女で相違ないか?」
まさかバレているとは思わなかったのだろう。
暗殺者二人はツキと私を見比べて、暫く沈黙した後――拷問よりも喋る方を選んだ。
そして、プリシアとガーデニアを亡き者にすれば次のこの国の王は第二王女しかおらず、国王にさえなってしまえばシャルルを我が物に出来ると踏んだようだ。
その為、二人にはあの場で死んでもらうように頼んだのだという。
「その言葉に嘘偽りは無いか?」
「ありません」
「助けてください! お願いします!」
「拷問にはかけぬよ。じゃが、ストレリチアの女主人と、この国の第一王女の暗殺は流石に陛下に報告せねばならぬ案件じゃろう。お主達は裏の者たちの末路ではなく、国の法によって裁かれる。今後も暗殺者が増える可能性もあるのじゃろう?」
「俺達が失敗したのであれば、何人でも暗殺者を雇うだろうな」
「ああ、あの女ならやりかねん」
「そうか……」
「いいの兄上? 拷問しなくてもいいの?」
「拷問はしなくとも良かろう。じゃが、その前にお主達には時が来れば法廷なりなんなりで証言せねばならぬ。それまで生きていたいなら大人しくしておる事だ。ツキは拷問が好きでな。先のない者たち相手になら容赦はせぬぞ」
「お助け下さい!!」
「そいつは……そいつは悪魔だ!!」
「失礼しちゃう! 麻酔もなしに歯を抜いただけじゃん!」
「助けてやっても良いが、本当に法廷なりで呼び出された場合、しかと話をするというのであれば助けてやろう。もし法廷で裏切れば容赦はせぬ」
「「はいぃぃぃ!」」
「食事の際に定期的に痛み止めは渡してやろう。それがせめてもの慈悲じゃ」
「兄上優しすぎない?」
「もうこの者たちは裏切らぬよ。エドガー殿もそれでよろしいじゃろうか」
「ヒノが決めた事ならそれでいいだろう。さすが兄貴の息子だな」
「恐れ入ります」
そう言って牢屋を後に、ブルーローズの貴賓室へと向かうとそれまで無言だったガーデニアが口を開いた。
「命を狙われることは多かったのです。その度に多くの者が死にましたわ」
「……ガーデニア様?」
「狙っている相手も薄々気付いていたのです。ですが、ハッキリと実の妹から命を狙われていると知ると……辛いものですわね」
力なくソファーに座り込むガーデニアに私は慌てて駆け寄り、身体を支えた。
「急ぎ父に話すべきでしょうか……」
「暫くの間は暗殺の失敗で相手も動くことは出来まい。ましてや暗殺者が戻ってこないという点は不安を煽るには丁度いいじゃろう。暗殺者を纏める裏稼業の者たちも下手に命令は聞けまいて」
「……」
「ガーデニア様、わたくし達は互いに辛い立場ですが、今は堪え時ですわ」
「プリシア……」
「ですが、身辺にはお気を付けを。わたくしはストレリチアに戻る事は出来ましても、ガーデニア様は城でカトレア様と会う機会も多いでしょうから」
「……そうね」
「今は泳がせるのです。もし心配であれば、ヒノを護衛に付けましょうか?」
「え」
「ヒノ、わたくしは今後、ガーデニア様がいらっしゃるお茶会にしか出ません。その間、ヒノはガーデニア様を守ってくださいますか?」
「シャルル様が了承するのであればですが……」
「大丈夫よ、シャルルはわたくしのお願いは聞いてくださいますから」
「ならば、ガーデニア様の了承を得られれば、」
「お願いします!!」
即答だった。
ガーデニアとて必死だったのである、色んな意味で。
自分好みの私と常に一緒にいられ、更に命の危険から守ってくれるというのであれば、是非にでもお願いしたい案件だった。
「分かりました。度々ブルーローズには戻ってくる事にはなりますが宜しいでしょうか?」
「その時は一緒に参りますわ」
「畏まりました」
「それから……ヒノ様とお呼びしても宜しいかしら」
「いえ、従者となるのですからヒノと呼び捨てで構いません」
「ヒノ……」
「此れからガーデニア様を私がお守りしましょう。銃や剣であれば太刀打ちは可能です。毒見役も引き受けましょう。私はあらゆる毒の耐性は付けておりますゆえ」
「そんな危険なことまで、」
「兄上と僕は毒耐性をつける為に幼い頃から毒には慣れさせられたんだ。頼った方が良いよ? お姫様」
「……分かりましたわ。これからよろしくね、ヒノ」
「はい、命に代えましても」
こうして、エドガーの推薦状を手に私とガーデニアは城へと戻り、国王夫妻には推薦状と共にシャルルの従弟である事と、ガーデニアとプリシアが暗殺されそうになったことを両陛下に伝えると、城の中の警備も厳しくなった。
これではカトレアも動こうにも動くことは出来ないだろう。
そして件のカトレアはというと――。
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もう少ししたら商売の話になりますが、最初にドーンとなりました。
後からと言う訳にもいかず、最初からです(/・ω・)/
今回の「シャルル」に関しては、少々早めに終わらせる小説になるかなーと予想中。
40~50話くらいで終わったらいいな!
応援よろしくお願いします(`・ω・´)ゞ!




