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Recreation World ~とある男が〇〇になるまでの軌跡  作者: 虚妄公
第2章 ダンジョン探索編
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61話 後始末

 リュウジンはリトルランデに構っている2人を無視し、残っている山賊のメンバーのところへ向かった。


 約1名かなり睨んできているエルフはいるが、他の者はこれ以上戦う気はなさそうだった。


「もう終わりでいいのか?」

「はい。頭領が負けた時点でもう勝ち目はありませんので」


 ガルと呼ばれていた男が代表してそう言った。


「しかし、いつか負ける日が来るだろうと思っていましたが、まさかたった1人に負けることになるとは思いませんでしたよ。スキルが使えないので負けるとしたら単純な物量作戦だと思っていました」

「わ、私がミスをしたから・・・」


 そう口に挟んできたのはトーカだった。

 トーカはそう口にした後は下を向いていた。


「お前のミスは矢を全て使い切ったことだな」

「う、うぅ・・・」

「だがそんなものは結果論だ。あの膠着状態であのまま続けていても確かに俺に攻撃を決めることは難しかっただろう。ならばお前のあの選択は間違ってはいなかった。問題は決め切れなかった時のことを考えていなかったことだ。だがな、お前のミスがあろうがなかろうがお前らがあのまま勝てる未来はなかった。それならば勝つための一手を打ったお前の選択はあの場では最善であった」

「そんなもの・・・・・・」

「そうだ。勝たなければ何の意味もない。生きたければ強くあれ。守りたければ強くあれ。それが嫌ならば戦場には出ぬことだ」


 トーカはそのまま黙り込んでしまった。


「それじゃあ、あの頭領によろしく頼む。また会えたら、また殺ろう、と。お前達の連携にも期待している」


 そう言ってリュウジンは踵を返した。

 3人の元に戻るとリトルランデは何故かテルの頭の上でぐったりしていた。

 もう戦うこともないと分かったので眷属召喚を解除した。


「ああ・・・・・・ランちゃんが・・・・・・」

 リンのうめき声とソラのどことなく恨めしい目を無視して


「よし!じゃあ出発するか!」


 ソラがまた御者をしダンジョンに向けて出発した。


「先輩他にもあんなに可愛い子と契約してるっすか?」

 リンが馬車が出発するなりそう聞いてきた。


「いや、今はあいつだけだ」

「でも、なんていうかリュウジンのイメージに合わないですね」

「まぁ俺も当初は違うやつと契約しようとしていたからな」


 暇だったので眷属契約の件をテルとリンに話した。


「何というか・・・・・・ランク詐欺感が半端ないですね。普通のCランクモンスターなら少し苦労しても倒せないほどではありませんもんね。リュウジンさんが倒せないなんて想像できないですね〜。でももし戦力に出来たならかなり楽になりそうです」

「いずれリベンジするつもりではあるが・・・・・・どう攻略したものか思い浮かばん。初手で押し切れるのならばいいだろうが、そこまで実力が離れていない・・・・・・どころか自分の方が格下だろう。いかに相手が侮っていても危なくなれば容赦なくあの『暗黒世界』というスキルを使ってくるだろう。そしてどうあれを攻略するべきか・・・・・・。実体のない相手をどう倒したものか・・・・・・」

「あ、あの・・・・・・倒す必要ってあるのでしょうか?その、暗黒騎士の契約条件が主人として認められる、なので必ずしも勝つ必要はない可能性も・・・・・・。例えばある一定時間生き残るのが条件という可能性もあるのではないかと。もちろん逃げてばかりではダメでしょうが、戦いながらある程度の力を見せるという可能性も・・・・・・。話を聞いている限りだとDランクとCランクで戦力が違いすぎます。これは契約できる眷属の強さではなく契約難度の可能性もあるのではないでしょうか・・・・・・。そもそも設定的な話として主人より弱い騎士など普通いないでしょうし・・・・・・」

「なるほど・・・・・・。一理あるな。倒さないといけないという固定観念しかなかったがたしかにその可能性もありそうだな」

「あと考えられるのは、段階があってその全てを一つずつクリアしていくとか、単純に仲間と力を合わせて倒すとかですかね」

「仲間と力を合わせて倒したところで主人と認められるか?」

「人望のない主人よりは、助けてくれる仲間がいる主人であると示すことも大事かな〜なんて・・・・・・」


(たしかに1人で挑めという指示はなかったが・・・・・・それにいつでも殺せただろうに叙々に力を上げていたようにも思う。あれはテルの言う段階的なものだったのか?)


「よくそんなにポンポンと案が出てくるな」

「いや〜、ただのゲームの知識ですよ。よくあるゲームのボス戦にありがちな条件にこのゲームの自由度からあり得そうなことを適当に言っただけです。なので間違っている可能性も全然ありますからね!!」

「いや、助かったぜ。俺にはそんな考え思い浮かばなかったからな。いかにして相手に勝つかしか考えていなかった。それにランクが強さのランクではなく契約難度だというのも納得できるものがある。それならば低いランクでも強い眷属がいるかも知れぬな」

「でも何ていうか意外です。リュウジンさんは仲間と戦うより1人で戦おうとするイメージでした」

「そんなことないっすよ!うちの流派の模擬戦とかでチーム戦とかあるんで共闘できない奴なんていないっす。まぁ先輩はたしかに1人で戦う方が好きそうっすけど」

「どちらかと言えば1人の方が好きだがな。だが仲間がいるなら共闘するに越したことはない。修練ならばともかく生き死にのかかった戦いで仲間を使わんほど馬鹿ではない」


 リュウジンはここ最近の戦闘でスキルを使うことの忌避感も薄れてきて、むしろいかに使えるものを使って効率良く勝つか、という考えに変わってきていた。


「眷属契約の戦いの際に立ち会わせていただくことは可能でしょうか?」

 ソラが御者の方から顔を覗かせた。


「別に構わんが、おそらく巻き込まれるぞ?」

「大丈夫です。ご迷惑はおかけしません」

「そうか。ならまたするときに声をかける」

「ありがとうございます」

「リュウジンさん。SSSランクの眷属見せてくれませんか?」

 ワクワクした様子でテルが言ってきた。


「な、何というか。見ているだけならこんな怪獣ワクワクするだけですけど・・・・・・、これと実際に戦えるって考えるともう笑えないですね」

 テルが軽く引き攣った笑みで言っていた。


「というか眷属との戦いってこの世界でやってたんですよね?!もしこんなの召喚して戦ったらこの大陸自体なくなるのでは・・・・・・」

「たしかにな・・・・・・。そもそもこいつらはこの世界に存在しているのか?」

「いや〜流石にいないでしょう」

「居たらやばいっすよ。一瞬で大陸ごと滅んじゃうっすよ」

「もしかしたら、今後のアップデートで増える大陸とかにいるとかですかね〜」

「あとは魔の森の奥とか?」

(あの神獣共はこの世界のトップ。だとするとここに載っている眷属共よりステータスが上の可能性が高いってことか・・・・・・。神獣と戦うためにはこの眷属を倒せるくらいにならんといけないってことか・・・・・・)


 思わずリュウジンの口から乾いた笑いが出た。


「どうしたんですか?」

 リンとテルがこちらを向いていた。

「いや、何でもない。いずれはこいつらも眷属にせねばと考えていただけよ」

「え〜〜、無理ですよ!流石に。何年も経ってインフレすればあり得るかもしれないですけど・・・・・・」

「戦うときは私も戦うっすよ!!」

「そうか。なら、リン。もっと強くならんとな。剣ではなく自分の持ち味を活かせ」


 リュウジンは真面目な顔でそう言った。

 テルはいきなりのシリアスな雰囲気にドギマギしていた。


「この世界でならいくら壊しても大丈夫っす」

 不貞腐れた様子でリンが答えた。


「わざわざ手加減してまですることじゃあねぇだろ。剣を使うことが悪いとは言わねえ。もちろんお前にとってそれを使うことが有用な場面もあるだろう。だから剣の鍛錬をすることは大事だ。だがお前はそうではなく剣に拘っている。自分からわざわざ戦力を落とすなど新月流の門下生にあるまじきことだ。今のお前の順位は11位だが、俺はお前が剣ではなく自分の領域で戦っていたのならもっと上にいけたと思っている。剣を捨てろとは言わんが、お前も成人の儀を受けるつもりならば甘えは捨てろ。死ぬことになるぞ」

「はいっす」


 リンはシュンとなりそれから黙ってしまった。


「すまんな。こっちの事情に付き合わせて」

「い、いえ。あの成人の儀って何なんですか?死ぬって・・・・・・」

「平たく言えば殺し合いだ。それを生き残って初めて真の新月流と名乗れる」

「そ、そんな。仲間同士で殺し合うだなんて・・・・・・」

 テルは蠱毒のようなものを想像していた

「ん?違う違う。仲間で殺し合いなんかしねえよ。殺すのは敵だ」

「て、敵ですか?その、そもそも犯罪では?」

「この世の中で争いがないなんて事はないからな。そこで生き残るための戦いをする。そのために誰かを殺すことはあるだろうが、まぁ犯罪者になったとは聞かないな」

「そ、その・・・・・・怖くはないんですか?」

「そりゃ怖いさ。だがその程度で臆するのなら俺が今の俺であることはなかっただろう。それで死ぬのなら自分の実力が足りなかっただけのこと。それはもう必然である。そうならぬように今自分を高めているからな」

「成人の儀をやめたりしないんですか」

「中にはそういう奴も当然いる。だが、それを経験せねば辿り着けない境地がある。俺にとってそこに辿り着かないという選択肢はない。故に成人の儀など通過点でしかないからな。やめることなどありえん」

「そうですか」

 そう言ってテルは難しい顔で黙り込んでしまった。


「そろそろ着きます」

 ソラが御者の方から話しかけてきた。


「わかった」


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