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6話 ドーラ工房

 とりあえず受付嬢にもらった紙に書いてあった1番おすすめな店の前に到着した。

 店の名前は『ドーラ工房』と書いてある。

 武器が置いてあることから武器屋であり鍛冶場でもあるのだろう。


 そう思いながら店の中に入っていった。


 いくつもの剣が無造作に樽の中に入れられている。

 その中の剣を一つ適当に手に取ってみた。


 ――ソード(量産品)――

 種類:片手剣

 効果:STR+10

 備考:街の武器屋や冒険者ギルドに定期的に卸されている剣。

 価格:2万

 ―――――――――――――


 しかし、イマイチ手に馴染まなかったので別の剣を手に取ってみた。

 そうしていると店の奥から1人の人物が出てきた。


「おい!!ここには新米に売るような剣はない!さっさと出ていけ!・・・ん?」

 奥から出てきた男は怒鳴るだけ怒鳴ってすぐにまた店の奥に行こうとしたが、剣を持ったリュウジンを見ると食い入るように観察し始めた。


 リュウジンは突然怒鳴られたことよりもその男の容姿に驚いていた。

 その男はヒューマンに比べて背が小さく、しかし顔にはモサモサしたヒゲが多くあった。


 お互いが観察するような状況であったが、店の男の方が先に口を開いた。


「お前さん、新米であってるよな?何年もヒヨッコどもを見ているが、お前さんの姿を見る限りは新米に思えるんだが、その剣を持っているときの立ち姿は達人に近いそれにも見える。お前さん何者だ?」

 そう言いながら店の男は訝しげにリュウジンを見てきた。


「あ〜、新米ってことは合ってる。今冒険者ギルドで登録してきて、受付嬢にオススメを聞いてそのままここに来たからな。だが、これまでの人生の半分くらい鍛錬に費やしてきた。それより俺も一つ聞きたい。あんたは人間なのか?」


 リュウジンはずっと気になっていた男の容姿について尋ねた。


「にんげん?ニンゲンとはなんじゃ?」

「ああ、すまん。ヒューマンって意味だ」

「ワシはヒューマンではない、ドワーフじゃ!ドワーフを見るのは初めてか?その年でドワーフを見たことないなんてどんな辺境に住んでたんじゃ?ワッハッハッハ。まぁ良い。受付嬢の紹介でもあるみたいだし無下にもできん。着いてこい。」

 そう言ってドワーフの男は店の奥へと入っていった。


 リュウジンは男の後を追いながら店に所狭しとある武器を眺めていた。


「お前さん、普段使っている武器は剣ではないじゃろ?どんな武器が欲しいんじゃ」

 振り返ることもなく店の奥に進みながら問いかけてきた。

「刀だ」


 そう答えると、少し開けた部屋にたどり着いた。


「刀か。ここで少し待っておれ」


 そう言うと、ドワーフは店の奥にいき3本の刀を持ってきた。


「刀はこの辺では馴染みのない武器じゃからワシが今までに作った刀はこの三本じゃ。持ってみろ。」

 そして刀を1本渡してきた。


 持ってみるとしっくり来る感じがあった。

「抜いてもいいか?」


「ああ、かまわん」


 刀を抜いて軽く振っていみた。

 それだけでも様になっており、見惚れるほどキレイな立ち姿であった。


(ほう、やはりそこいらの新米とは一線を画すの)


「どうじゃ?なかなかいいもんじゃろ。昔経験がてら試しに作った物じゃからこの3本の中で1番安い物じゃが、それでもそこそこ使えるはずじゃ。そういえばお主の予算はどれくらいじゃ?」


「予算?」

 そういえば自分がどれくらいのお金を持っているのか確認してなかったな。

 どこで見れるんだ?

「何じゃ、自分の予算も把握しおらんのか。本当に変わっておるのお主は。ワッハッハッハ」


 そういわれながらもメニューを開き、そこにあった持ち物欄をタップした。


 そして50000フーロというのを見つけた。


「つかぬことを聞くが、お金の単位はフーロというのでいいのか?」


「お主、本当に今までどんな生活を送ってきたんじゃ?お金の単位はフーロで合っておる」

 相当呆れた様子で答えられた。


 超人気作である『Recreation World』は発売から3ヶ月ほどであり、何年も前から宣伝されていたのでほとんどのプレイヤーは事前知識としてその辺りの情報を持っているが、凛に勧められるままに始めたリュウジンは全くその辺の情報を知らなかった。









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