55話 出発
あの後リュウジンは、Dランクの眷属リトルランダとの戦闘に勝利し契約を結ぶことに成功した。
リトルランダは魔法使いの魔女の成れの果てランダが小さくなった2頭身のマスコットのようなモンスターであり、魔法による遠距離攻撃や樹木などを使った拘束攻撃などをしてきたが、リュウジンは即座に近づいて何度か斬った後に首を飛ばし難なく勝利しリトルランダを呼び出せるようになった。
――[D]リトルランダーー
HP:409
MP:845
ST:47
STR:21
VIT:93
INT:129
AGI:53
―スキルー
『炎魔法』『土魔法』『瘴気』『呪詛』『眷属召喚』
―習熟度―
0/100
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契約したことによってリストでは見れなかったステータスも見えるようになった。
(暗黒騎士に比べると物足りないステータスに感じるが、それでも呪詛などのデバフは役に立つだろう。そして気になるのはこの習熟度だな。これが MAXになったとき、何らかの成長をするのか何なのか・・・。そしてこの習熟度の上げ方だな。単純に考えるなら戦っているだけでいいんだろうが・・・。その辺は検証だな)
そしてリュウジンはログアウトしその日のゲームを終えた。
そして次の日、朝起きていつものように基礎鍛錬をこなし見るまで模擬戦をしていた。
模擬戦を終わったところに師範の1人が近づいてきた
「おいおい、どうした?」
「何がだ?」
「いや〜、今日のお前なんか違うじゃん?一皮剥けたっていうか」
師範の男は、う〜ん、と唸りながら言っていた。
「そうか」
「まぁ何があったか知らんがいいことだ。お前も後少ししたら成人の儀だからな〜」
リュウジンは自室に戻りながら男に言われたことについて考えていた。
(ここ数日で変わったことがあったとすれば昨日の暗黒騎士との戦いか・・・。あのゲームでの戦闘も全く無駄ではないと証明されたわけだな)
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リクルドにログインしたリュウジンはイーニヤ商会へと向かっていった。
少し早くイーニヤ商会に着くと既にリンが来ておりイーニヤと喋っていた。
その時間にイーニヤにダンジョンがどんな感じなのか聞いてみた。
「そうにゃ〜、どこも同じかはわからにゃいけど、地下に潜っていく形式のもので、1フロアが迷路や草原なんてところもあるみたいにゃ。で、基本的には下に降りる階段を探してどんどん潜っていくのにゃ。アイテムはフロアにある宝箱からの入手とボスモンスター撃破で貰えたって報告があるにゃ。まだ情報が少ないから予想でしかにゃいが、ボスモンスターは10階層にごとに1体と各フロアに1体強力なモンスターがいるみたいにゃ。あとは、ボスを攻略したらワープゾーンが使えるようになって、そこから地上に戻ったり、地上からそこに戻ることもできるみたいにゃ。あとは不特定の場所にセーフゾーンがあってそこにいるとモンスターに襲われることはないみたいにゃ」
その後も今現在入ってきているダンジョンの情報を聞いていると、テルが来た。
「すいません!遅れちゃいましたか?」
「いや、俺らが早かっただけだ」
「それじゃあ、そろそろ我が商会からの随行員を発表するにゃ!ソラ!来るにゃ!」
イーニヤがそう言うと外で待っていたのか1人の黒髪ロングの女性が入ってきた。
「ソラにゃ!この商会の戦力No.2で実力は折り紙付きにゃ!」
「ソラと申します。どうぞよろしくお願いします」
とてもクールなその女性はそう言った。
「それで戦力として期待してもいいってことか?」
「普通にパーティーとして使ってくれていいにゃよ!報酬はこっちで用意しているから気にしないでいいにゃ」
「そうか。リュウジンだ、よろしく頼む」
「リンっす。よろしくっす」
「テルです。よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
「それじゃあ馬車を用意したから行ってくるにゃ!」
「はぁ、移動までリアルにしなくていいのにな・・・」
「馬車なら1時間くらいで着く距離にゃ!歩いて行くよりはマシにゃよ。それが嫌ならオリジナルスキルで転移魔法でも作るにゃ」
リュウジンは本気で転移魔法を作るのを検討するであった。
馬車に揺られること30分、リュウジンとリンはずっと瞑想しており、テルはやることもなく他人の配信を見ており、ソラは馬車の御者をやっていた。
するとソラが突然言葉を発した。
「皆様、退屈しのぎのお時間ですよ」
そして馬車が停車した。