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Recreation World ~とある男が〇〇になるまでの軌跡  作者: 虚妄公
第2章 ダンジョン探索編
38/63

37話 神白の刀

 実戦経験を積むために始めたゲームであるのに色々面倒なことになってきたな、

 と思いながらドーラ工房に向かっていると


 なんだ?複数人からの視線を感じるな・・・敵意はないが・・・


 そうして歩いていると、


「あ、あの!」

「ん?」

「おい、バカ!やめろ!す、すいません」

 男は謝りながら去っていった。

 ――マナー違反だぞ

 そう言っているのが聞こえてきた。


 リュウジンは何のことか分からずとりあえずドーラ工房に向けて歩き始めた。


 視線に晒されながらも歩いているとドーラ工房に着いた。


 中に入ると相変わらず誰もいなかった。

 勝手に中に入っても良いのかと考えているとロゾーが奥から出てきた。


「久しいのリュウジンよ。今日はどうした?刀の手入れでもせがみに来たのか?」

 そう言ってロゾーはニヤっと笑った。

「まずはこの前の刀の代金20万フーロだ」

 そういって差し出した20万フーロを確認したロゾーは

「早かったのう。もう少しかかると思っておったぞ?」

「ああ、臨時収入があったのでな」

「それで刀はどうした?」

 俺が刀を持っていないからか訝しげな目で俺を見てきた。

「折れた」

「何じゃと?!試作品とはいえ生半可なことで折れるはずなどないはずじゃぞ?何と戦った」

 未熟者ならば刀の扱いを間違えて折ることもあるであろうが、リュウジンがそのようなことをするはずがないとロゾーは確信していた。

「悪いが詳しくは言えねぇんだ。だが、刃が通らん強敵と戦ってダメージを与えた代わりに俺の技に耐えきれんくて折れた」

「なるほどの〜。お主の技か。それほど強いのか?」

「いや、本来なら刀が折れることはないが、今回はダメージが一切通らなかったから限界以上の力を出して刀に負荷がかかったみたいだ」

「なるほどのう。して、どうするのじゃ?」

「まずはこれを見てほしい」

 リュウジンが取り出したのは第4騎にもらった剣だった。


 ――神白の刀――

 詳細:『#$¥』が手ずから作った純白の刀。

 この刀を見たものはあまりの美しさに目を奪われるであろう。

 世界に3つしかないレジェンドクラスの武器であり、『意思ある武器(コンシャスウェポン)』でもある神刀である。

 使用者と共に成長していく。

 段階:レベル1

 効果:全パラメータ+100

 ・『神気吸収』

 効果:周囲からエネルギーを吸収し自身のパラメーターに追加する

 効果時間:3分

 リキャストタイム:10分

 備考:譲渡不可

 ――――――


「な・・・な・・・な、なんじゃあこりゃあああああああああ!!」


 正直俺も初めて確認した時には目を疑ったからロゾーの反応はよくわかるし、俺はそれ以上に驚くことがあった。


 ――――――

 リュウジンが初めて確認した時

「な、なんだこれは・・・。強すぎないかこれは・・・」

 リュウジンが手に取って握ってみると


『起動。マスター認証完了。リュウジン様お初にお目にかかります』

「な、なんだ?!」

 リュウジンは突然頭の中に流れてきた声にびっくりし戦闘体勢になった。


『私は『意思ある武器(コンシャスウェポン)』の白と申します。どうぞ末長くよろしくお願いします』

 ―――――

 リュウジンは突然の出来事に対応できず、とりあえず後回しにしたのである。


「こいつをどこで手に入れた!!なんてもんを持ってきやがる!こんなもん国宝レベルじゃねえか!!」

 ロゾーはかなり興奮した様子で叫んでいた。

 いちいち取り合ってたら埒があかないので話を続けた。


「ロゾーにやってもらいたいのは、それに匹敵するかもしくはそれよりも数段性能の低い武器を作ってもらいたい」

 そういうとロゾーは一気に職人の顔に戻り

「まずこれに匹敵する武器なんぞ作れん。これは人種が作れるようなもんじゃないわい。何となくお前さんの事情が見えてきたわい」

「知ってるのか?」

 直接聞くことはできないので、言外に匂わせるように言った。

「ああ、知っている。職業柄ギルドの幹部と話し合うこともあるのでな、何かあったときにすぐに対処できるように知らされているのじゃ。・・・なるほど。あれらが作ったものならこの出来も納得じゃわい。このレベルの武器は作れんが、ワシが作れる最高の刀を作ってやる!一応予算を聞いておくが、妥協しない場合にはそれを超えるやもしれんぞ?」

「予算は大体1億フーロだ。足りそうか?」

「足らんの。その倍はいるわい。まぁお前さんなら後払いで良いが・・・。とりあえず素材から集めなきゃならん。1ヶ月ほど時間をもらうぞ。それまでは前回見せたこの刀を予備にもっておれ。折れたとしても金は請求しないので遠慮なく使え」

 そういって前回2000万フーロの刀だと紹介されたものを渡してきた。

「いいのか?」

「かまわん。本格的にお得意様になりそうだしのう。少しくらいのサービスはしてやる。とりあえず俺は今から作業に戻る!ひと月後にまた来い!」


 ロゾーは自身の勘が間違っていなかったと思い、これからの一仕事を思い浮かべて上機嫌で作業場に戻って行ったのであった。


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