34話 7神獣
「それで俺が出会った神獣はその7体の中でどれくらいの強さなんだ?」
「正確な強さなんて誰にも測れないわ・・・。ただ・・・、第4騎というのは生まれた順番らしいのよ。第1騎から第3騎までがそれぞれの始まりの生物が最初に産んだ神獣。第4騎から第6騎が2番目に産んだ神獣。そして第7騎は3体の始まりの生物が協力して生み出した神獣だと記されているの。ただある書物にはこう記載されてのいたわ」
そうしてリュウジンの前のウィンドウの表示が変わった。
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第1騎→第3騎→第2騎→第5騎→第4騎→第6騎
第7騎は最も弱いが最も強い。
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リュウジンはそれを見て顔を引き攣らせることとなった。
なんとなく予想はしていたが・・・あれですら世界第5位ということか・・・
(親父ならばあれを倒すことができるのだろうか・・・)
自身の父親もまた自分では測ることもできない遥か高みにいるため、2人が出会ったら・・・、という想像をしてみたがありえないと思い即座にやめた。
「この第7騎は・・・なんだこれは。トンチか?」
「わからないわ。今まで遭遇報告があるのは第1騎、第5騎、第4騎、第6騎だけなのよ。眷属を含めれば第3騎と第2騎も報告はあるのだけど、第7騎だけは眷属を含めてなんの情報もないわ」
「なんの情報もないのならこの記述は何なんだ?」
「神獣関連の書籍や資料はそのほとんどが誰が作成したのかわからないものなの。はるか昔に誰かが書いたものを見つけてきてここに保管しているにすぎないのよ。だから情報の信憑性はほぼ皆無よ。でも、ほとんどの書物には推測ではなく断定で書かれているの。そして複数の書物で矛盾しない情報がたくさんあるのよね。ただの虚言と吐き捨てることができない情報が多いのよね」
「場所がわかっている神獣はいるのか?」
「いるわよ。第1騎の神獣が魔の森の最奥にいるわ」
「魔の森?」
「あら、知らないかしら?この国の南東付近にある森でその内部にいる最も弱い魔物でもCランク、森の奥にはAランクやSランク、SSランクのモンスターすらいると言われる超危険地帯よ」
リュウジンは昨日リンに聞いたことを思い出した。
「いや、名前は聞いたことがある。そいつらは眷属なのか?」
「いいえ。古代種はいるみたいだけど森にいるモンスターはほとんどがただのモンスターみたいよ」
「なぜそんなことがわかる?」
「詳細は言えないけど、調べることができる人がいるのよ♪」
リュウジンは先ほどの門番達を思い出し、あのレベルなら可能なのだろうと納得した。
「今のレベルで第1騎に会いにいくのはオススメしないわよ?」
マックスは少しこちらを伺うように言ってきた。
「大丈夫だ。流石にそれくらいは弁えている。いまの実力で第1騎に会ってどうにかできると思うほど思い上がってはいねぇよ」
「そう。それはよかったわ」
心底安心したという感じでマックスは言った。
「神獣にも性格があって第4騎は比較的人類種に友好的だけど、誰もがそうとは限らないから、もしこれから神獣を見つけようと考えているなら気をつけてね」
マックスは真剣な表情でそう言った。
「他の神獣の通称とかは言えないのか?」
「うん、そうよ。神獣関連は関わった者にしか情報を開示できない決まりがあるの。1体と遭遇した時点で他の神獣がいると言うのは大丈夫だけど、基本的にそれ以上のことを言うことは出来ないわ」
「そうか・・・」
「第4騎の情報もないのか?」
「そうねぇ。後はあなたが知っている程度の情報しかないと思うわ。曰く、従えている眷属は巫女服姿の狐娘や狼。曰く、鈴の音がする。とかね」
「戦闘に関することはないのか?」
「そもそも神獣との戦闘記録なんてものはないの。おそらく戦闘になったものは皆殺されているのでしょうね。ただ戦闘の詳細はないけれど戦ったという記述だけはある者がいるわ。英雄ボイド=リンドール。聞いたことはないかしら?よく子供用の絵本の題材にされている、かの邪竜ジャヴォルグを倒したことで知られる大英雄よ。そして聖国『パラディーン』の聖女エリス=リンドールの祖先よ」
リュウジンはただ強敵と戦って実戦経験を積むためにこのゲームを始めたのに、いつの間にかおかしな方向にいっているなと思い、これ以上は聞いても意味はないな、と思った。
そして頭をガシガシと掻きむしり
「なるほど。まぁとりあえず情報としてはそんなもんなんだな?じゃあ終わりか?」
そろそろ鍛錬もしたいと思い、話を切り上げようとした。
「そうね。大体言っておきたいことは言えたしここらで切り上げましょうか」
そう言ってマックスは立ち上がり持ってきていた書籍や資料を元の場所に戻し、門番の方に向かって歩いて行った。
門番を通り抜けてまたクリスタルのある部屋に戻ってきた。
「しかし、あれほどの人材をずっとあんなところの門番で使っているのか?」
「ああ、あれは分身体よ。本当の彼らは別のところで働いているわよ。ただ分身体と言っても強さは折り紙付きよ。それに何かあった時、即座に分身体と交代して本体が来るから大丈夫なのよ」
そう言ってマックスはまた手を差し出してきたのでリュウジンは手を重ねた。
そしてその後帝都のギルドマスター室に帰ってきた。
「数日後には残りの報酬も渡せると思うわ?準備ができたらこちらから声をかけるわね」
その会話を最後にリュウジンはギルドマスター室から出て、その後ログアウトした。




