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18話 スキル

「次はスキルにゃ!」

「・・・まだあるのか」

 リュウジンはもう終わりだと思って立とうとしていたが座り直した。

「別にいいってんにゃら終わってもいいにゃよ?」

「・・・いや、聞いておく」

 かなり迷ったリュウジンではあるが、戦いに関することを聞かないって選択肢はなかったので大人しく聞くことにした。

「まず、スキルには大きく分けて3種類あるにゃ!コモンスキル、ユニークスキル、オリジナルスキルにゃ。コモンスキルは誰でも取得できるスキルにゃ。ただ取得条件がわかっていないスキルやまだ判明していないスキルも多いにゃ。簡単なスキルだと『剣をもって素振り100回』で『スラッシュ』ってスキルを覚えれるにゃ。あとはクエストで修行することによって覚えれたってスキルもあるにゃ。何か覚えたいスキルがあればお金を払ってくれれば取得条件教えるにゃよ。掲示板とかにゃと運営の監視があるのかクエスト情報やスキルの取得情報などを書くとすぐに削除されちゃうにゃから、現実世界で直接聞くかこの世界で聞くしかないにゃ。でも現実世界でリアルマネートレードをしていると見做されたら容赦なくアカウントバンされるにゃから、この世界の情報はこの世界で聞くのがオススメにゃ」

 人差し指を立てながらイーニヤは気分良く話していた。

 イーニヤにとっては商売の話なので、今後利用してもらおうという気満々なのであった。

「だが、リアルマネートレードと普通に教えてもらった場合の区別などつくのか?」

 リュウジンはこの世界でならともかくゲーム機器に接続されていないことなどどうやって判断しているのか全然想像できなかった。

「詳しいことはわからにゃいが、人の思考でも読み取ってるんじゃないかな?

 どれだけ考えにゃいようにしても、考えてしまうのが人間にゃからな〜。今のところ規約違反していない人でアカウントバンされたって話は聞いたことがないにゃ」

 イーニヤは頬に手を当て困ったような顔で斜め上を見ながら答えていた。


「それもあの何とかってシステムによるものか?」


「そうにゃろうな〜。このゲームもにゃにかデータを集めるために作ったってインタビューで答えていたから、その一貫にゃんじゃにゃいかな」


「うへ〜、なんか思考を読み取られてると思うとちょっと気持ち悪いっすね〜」

 リンは顔を顰めた。


「ずっと誰かに見られてるってわけじゃにゃいっすから、あまり気にしないにゃ」

 イーニヤは割り切っているのか全く気にした様子もなくミックスジュースを飲んでいた。


「次はユニークスキルにゃ。これは運営の説明曰く、この世界で行動する中でその人に適しているスキルと見做された場合に付与されるこの世界でただ一つのスキル、ってことらしいにゃ」

 イーニヤは何かを見ながらそう言った。

「はいは〜い、あたしもユニークスキル持ってるっすよ!」

 リンは勢いよく手を上げながら言った。

「ええぇ?!聞いてないよりんちゃん!私がこの世界の情報集めてるの知ってるでしょ!?」

 イーニヤはロールプレイも忘れてリンからもたらされた爆弾情報に驚いてリンに詰め寄っていた。

 リンはイーニヤの様子に少しあたふたしながらも


「あはは、ユニークスキルって1人しか取れないからあんまり需要ないかと思って忘れてたっす・・・。あと素に戻ってるっすよ」

 リンは少し顔を引き攣らせながらも言い訳のようなことを言っていた。


 イーニヤは我に返って少し顔を赤めながら席に戻った。


「ユニークスキルの情報は今は100万フーロで買い取ってるにゃ。もし支障がないのにゃら教えて欲しいにゃ。それと当然だけど教えてもらった情報は誰かに教える可能性もあることを覚えておいて欲しいにゃ。誓約魔法で誰にも教えれないようにして教えてもらう場合は10万フーロでなら買い取るにゃ。どうかにゃ?」


 リュウジンは気になる単語があったため会話に割って入った。


「誓約魔法ってのはなんだ?」


「プレイヤーとプレイヤー、プレイヤーとNPC間で魔法による契約を結ぶことができるにゃ。契約内容はお互いが納得した上でないと魔法は発動せず、もしその契約を破るとNPCは死に至るにゃ。プレイヤーに死の概念はないので、アイテムの全没収、ステータスが1/4まで永久半減というかなり重い罰則が課されるにゃ」


「その誓約魔法ってのはどう使うんだ?」

「魔術師ギルドにいって誓約魔法のスクロールを買うか、誓約魔法が使える人に頼むにゃ。誓約魔法を使える人はかなり少ないにゃ。だからほとんどの人はギルドでスクロールを買うにゃ。商人にゃと誓約魔法を使う場面が多いから大商店だと大抵誓約魔法の使い手を雇っているにゃ。イーニヤ商会でもこの前使える子を1人スカウトして雇ったにゃ!」

 相当嬉しかったのかかなりご機嫌な様子でイーニヤは語っていた。


「イーニヤちゃん、別に教えてもいいっすよ。100万はきっちり貰うっすけど!先輩はタダでいいっすよ」

 リンはニカっと笑いながら言った。


「ぐぬぬ・・・。あたしは商人だから、そういうところはきっちりしとくのにゃ。タダより高いものはにゃいとも言うしにゃ」

 そう言って、イーニヤは難しい顔をし、立て直していた。

 リンは先程揶揄われた意趣返しが出来て満足そうだった。


「その割には悔しそうな顔をしていたがな」

「にゃ!それは仕方ないのにゃ?!誰しも人間ならタダには一度は反応してしまうのにゃ?」

 あたふたとイーニヤは言い訳していた。

「ケットシーじゃなかったのか?」

 リュウジンはククク、と笑いながらイーニヤをからかった。


「ケットシーでもにゃ!」

 そんな様子を見ていたリンが笑い、3人は笑いあった。


「ほへ〜、『怪力無双』ってスキルかにゃ。現実世界のリンちゃんを考えたらピッタリと言えばピッタリにゃけど、今以上になるとどうなるのか想像もつかにゃいにゃ」


 新月流で上位にいるものは大抵がそれぞれ異質な才能を持っている。リンが持っているものが人の数倍力が強いというものである。それゆえリンは細かな調整が苦手で力任せな戦法が多く新月流の技もそういった方面の技しかほとんど習得できていない。

 生半可なものがリンの間合いに踏み込んだなら、リンがその気になれば人体を破壊することなど容易いのである。

 ゆえにリンが最も得意とするものは拳であるのだが、なぜかリンは剣を持つことに拘っている。

 リンが本気を出すと剣の方が耐え切れないにも関わらず・・・


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