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17話 リクルドについて2

 ある程度落ち着いてきたイーニヤは誤魔化すために次の説明を始めた。


「ごほん。STRは攻撃力のことにゃ、数値が高いほど相手にダメージを与えられるにゃ。しかし数値が低くても心臓や首を切ることができたにゃらクリティカルが発生して理論上はどんな敵も倒すことができるにゃ。でも強い敵はそもそも外皮も硬くてある程度攻撃力がにゃいと切ることすらできないからあくまで理論上の話にゃ」


「理論上ね〜・・・。そう言われたら試してみたくなる」

 リュウジンは強敵との戦いを想像して笑みを浮かべていた。


「にゃ〜、オススメはしないにゃよ?真実か知らにゃいが、寝ているドラゴンの首にオリジナルスキルで思いっきり切ったら、武器の方が壊れて速攻でドラゴンに消し炭にされたって話が出回ってるにゃ。強すぎる敵には武器の方が耐えられない可能性もあるにゃ」

 イーニヤは現実でのリュウジンをどのくらい強いのかは知らないが強いということは知っているので武器が耐えられないと誘導することで無謀な挑戦を諦めさせようとしていた。


「武器を壊すのは使い方がなっちゃいないからだ。まぁ俺もまだまだ半人前ではあるが、死んだら2度と生き返れねぇわけじゃねぇのにそのくらいで怖気付いてちゃこのゲームを始めた意味もないしな」

 リュウジンに挑戦しないという概念はなく、見るからにワクワクしている様子であった。


「にゃはは、そうにゃか〜・・・」

 誘導のかいもなくなんの策もなくなったイーニヤはリンの方に目をやった。

 しかしリンに止める気は全くなく、むしろついていくんだという気持ちがあふれていた。


(これは説得は無理にゃね〜・・・)


「次にいくにゃ、次はVITにゃ。これは防御力を表しているにゃ。基本的には鎧などをつけることであげることができるにゃ」


「鎧なんてつけたら動きにくくなって仕方ねぇ。他に上げる方法はねぇのか?」


「にゃはは、そういった人向けの機能があるにゃ!メニュー画面の設定を開いて欲しいにゃ!・・・そこのグラフィックの項目のところに『装備表現の設定』ってのがあるにゃ。これを使えば 鎧を装備しても、装備していない状態で戦えることが出来るにゃよ。

 この他にも血を見たくない人は血を消せたり、色々な機能があるにゃ!自分に合った設定にしておくといいにゃよ」


 リュウジンは早速鎧やその他の装備を不可視化にしておいた。


「リンも鎧をつけているのか?」

「はいっす、何も装備してないように見えるっすけどガチガチに装備してるっすよ」


 そう言われたリュウジンは不可視化したら鎧の感触が本当になくなっているのかと好奇心のままにリンの横腹あたりを触った。


「・・・っひゃ!」

 リンは突然触られ顔が真っ赤になった。


 イーニヤがジトーとした目で見てきて

「リュウジン君、普通にセクハラにゃ・・・」

 呆れたように言ってきた。


「む?だが、普段の稽古で体の接触など日常茶飯事だぞ?今更であろう?」


「まぁ本当はそういうセクハラ的なものは触る前に遮断されるにゃから、触れたってことはリンちゃんも許してるってことっすね」

 イーニヤはニヤニヤとしながらリンのほうに向かって言った。


「〜〜〜!」

 リンは顔が真っ赤になって言葉になっていない言葉を言っていた。


「でも、触れないと戦闘が出来にゃいので下心がある場合のみ遮断されるんにゃがね」

 いたずらが成功したかのように満面の笑みでイーニヤが言った。


 リンはイーニヤを睨みつけていたが、そんなことはお構いなしにリュウジンは話を続けた。


「そんなものを一々個人個人から把握してるのか?」

 リュウジンはそれほど詳しくはないが、非現実的であるということだけはなんとなくわかっていた。


「そうにゃ!このゲームのすごいところの一つが使われているシステムなのにゃ!

 天地雫、土居門大成、神坂香織の3人の天才が開発した「AKD-SR2864」システムが使われているにゃ!まぁ正直あたしも専門じゃにゃいので詳しいことはわかんにゃいっすけど、現実世界の物理法則や五感にゃどほとんど現実と変わりないことができるシステムで現実世界との一致率99.9%を初めて実現したらしいのにゃ!医療現場や自動車教習所の練習などにも使われていて、いまやほとんどのシステムでこのシステムが採用されているにゃ!

 それを初めてゲームで採用したのがこのリクルドにゃ!」

「リクルド?」

 聞きなれない単語を聞いてリュウジンは聞き返した。

「Recreation Worldの略にゃ」

「なぜ略す?」

「にゃぜ・・て言われてもにゃ〜・・・、大体のゲームは略して呼ぶにゃ。毎回正式名称で呼んでいたらめんどくさいにゃ」

「なるほど」

 リュウジンは頬杖をついた状態で欠伸をした。


「何にゃ?飽きてきたのかにゃ?」

「あ〜、正直さっさと戦いに行きてぇ」 

 リュウジンは髪をガシガシしながら答えた。


「じゃあ、残りはぱぱっといくにゃ。INTはかしこさのことにゃ。商人にとってはこれが高いと商談が成立しやすいと言われているにゃ。あとは魔法の威力を上げるのにも関係してるにゃ。次はAGIにゃ。これは敏捷性のことにゃ。これを上げると素早く動くことができるようになるにゃ。リュウジン君には結構大事な要素じゃないかにゃ?最後はLUKにゃ。これは運のパラメーターにゃ。・・・でもこれが何に影響するのかはまだしっかりわかってないのにゃ。運営側の情報にもにゃにも載ってないのにゃ。」

「なるほどな。とりあえず、ATK、VIT、AGIを上げとけば戦闘に支障はないってことだろ?」


「そうにゃね〜、魔法を使わないにゃらそれでも良さそうにゃが、レアモンスターと会うためには LUKが高いほうが有利かもしれないって情報は一応あったにゃ」

 イーニヤはむずかしい顔をしながら答えた。









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