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15話 猫耳少女

 ルクスが去るのを見送ったリュウジンはリンに話しかけた。

「さて、じゃあ行くか」


「了解っす!まずは喫茶店に行くっす!」

 そう言って2人は歩き始めたが


「ま、待つにゃ!」

 そんな2人に猫耳少女が話しかけてきた。


 リュウジンはこの猫耳少女のことを測りかねていた。

 決闘の内容時体は相手に圧倒的な有利な条件であったが、この少女自身からは敵意のようなものは感じられなかったため、味方なのか敵なのか決めかねていた。


「なんだ?」

 リュウジンはほんの少しだけ威圧を込めてその少女に返答した


「・・・んぐ。威圧を込めるのはやめてほしいのにゃ」

 少女の猫耳は垂れ下がり全体的に庇護欲をそそるような様子であった。

 しかしリュウジンはそんな様子を意にも介さず


「あれほど向こうに有利な決闘条件を提示しておいて味方と思えとでも?」


「む。それを言われたら痛いにゃが、できるだけ其方の意向に沿った条件にしたつもりであるが違ったかにゃ?」

 そう言って上目遣いで聞いてきた。


「まぁその通りであるが・・・」

 リュウジンにとってはまさにその通りでありハンデなんてつけられたなら逆に拒否していただろうと考え言い淀んだ。


「私は商人にゃから、相手の欲しているものを読み取ったのにゃ」

 調子を取り戻した猫耳少女は胸を張って堂々と答えた。


「はぁ〜、はるちゃんそのキャラやめまないっすか?聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるっす」

「にゃ〜、リンちゃんリアルネームはやめるのにゃ!この世界ではイーニヤって呼ぶにゃ!あとこの世界では私はケットシーにゃんでこの喋り方はやめないにゃ!」

 少女は堂々と言い放った。


「おい、リン。こいつ知り合いか?」

「はいっす。学校のリア友っす。一応先輩も同学年っすよ?御門商会の娘っす。覚えてないっすか?(小声)」


「全然覚えてない」

 リュウジンは武術にしか興味がないので友達がいないことはないが同年代の生徒をほとんど覚えていなかった。


「改めて自己紹介するにゃ!この世界でイーニヤ商会の会長をしているイーニヤにゃ!何か欲しいものがあれば来るといいにゃ!また買取もしているにゃ!情報なんかも買っているにゃから、なにかいい情報が手に入ったらもってきて欲しいにゃ!どうぞよろしく頼むにゃ!」


「ああ、よろしく」

 リンの友達であり、同じ学校の学友であるということからひとまず敵である可能性は低いと考え普通の態度に戻った。


 その後3人でゲーム内のカフェ店に移動した。


「コーヒー1つ」

「オレンジジュースとチョコレートパフェで」

「ミックスジュースと苺のショートケーキにゃ」


「ゲームの中で飯が食えるってのはなんか変な感じだな」

「出来るようになった当初は味が薄かったりあんまり美味しくなかったらしいっすけど、技術が発達して現実と変わりない味になったらしいっすよ」

「現実世界で太れない人とかが、VR世界で気にせず食うのが趣味って人もいるにゃからね〜」


 適当に雑談をしていると頼んだものがテーブルに揃った。

「じゃあそろそろ本題に入るか」

「まずは一応このゲームでの自己紹介するっす。キャラネームはリンっす!一応プレイヤーの強さランキングは3位っす。まぁ正直今の強さランキングってあんまり信用してないっすけど・・・NPC込みの強さランキングは圏外っす」

「次はあたしにゃ。さっきの言ったけど、イーニヤ商会の会長をしているイーニヤにゃ。プレイヤーの商会ランキングは1位で、NPC込みの商会ランキングは圏外にゃ。基本何でも扱っているにゃんで何か欲しいものがあればうちを覗いてみるにゃ。帝国なら支部が大体大きな街ならあるにゃ。王国には最近少し進出したにゃ。この世界一の大商会目指して頑張っているにゃ!」

 イーニヤはまるで目が燃えているかのように漲っていた。

「リュウジンだ。昨日このゲームをやり始めたとこで何も分かってない。実践経験を積み強敵と戦うためにこのゲームを始めた。以上だ」

 リュウジンは淡々と自己紹介をした。

「今日は先輩にこのゲームについて教える約束してたっすから色々説明していきますっす」

「ふむ、そういうことなら普段は情報にはお金を取るとこにゃが、今日は出血大サービスで色々教えてあげるにゃ!」


 そうしてリュウジンへのこのゲームについての解説が始まったのであった。







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