2.曇り
曇り…気象観測的には雲の量が空全体に対して9割以上、また、降水などが無い状態を指す。
個人的には、雲がもっと少なくても曇りと言える時はあると思う。特別好きな人は
いないが特別嫌いな人もいない印象。
『次は天気予報です。今日は全国的に曇りとなるでしょう。』
テレビからそんな声が聞こえる。今日の天気は曇りらしい。
「おはよう、早くご飯食べなさい。」
お母さんの声が聞こえる。
「分かった」
普通の朝、普通の母、普通の曇り、普通の日常だ。
私の名前は『天野はる』高校2年生。
「いってきます」
家を出てちょっと歩くと空き地があって、そこには植物がが生えてる。
「(花が色々咲いてるな)」
そんなこと思って歩いてるとちょうど自分の真上にある電線にカラスがとまった。
「(あ、カラスだ。カラスはちょっと怖いな)」
「おー-い」
しばらく歩いたら友達のAが声をかけてきた。
「おはよう」
Aは高校の同級生で仲が良い方、あまり多くない友人の一人だ
「そういえば、数学の課題やった?」
話題は課題であった数学のプリントの話だ。
「やったよ、ちょっと難しかったね」
「よかった、私分からないところあったから後で見せてくれない?」
「分かった」
そんな他愛のない会話をしていたら学校に着いた。
「はいこれ、さっき言ってた数学のプリント」
「ありがとう、すぐ写すね」
自分のプリントに回答を書き写すAを眺めていると朝の時間が終わった。
昼休み、お弁当を食べ終わったらAとの談笑が始まる。
「今日の数学の先生、見た?」
話題は今日の数学の先生の服装。服の後ろ前を逆にして着ていたのだ。
「見たよ、Tシャツの後ろ前が逆だったよね」
「そうそう、私教室入ってきた時笑いそうになっちゃった」
「私も授業中ずっと見ちゃった」
「絶対みんな気づいてたよね。誰か教えてあげたかな」
「どうだろう、ちょっと言いにくいよね」
そんなくだらない話をしていると昼休みが終わった。
放課後、今日は担任と進路について話し合う時間がある。
自分の番になるまで教室で待機し、時間になったら進路相談室へと向かう。
「失礼します」
「おう来たか、とりあえずそこに座ってくれ」
先生の指示通りにイスに座る。
「さて、早速だが……」
進路についての話が始まった。私はとりあえず大学に進学しようと考えている。
学力や内申点は平均くらいなので自分でも普通に入れる大学に入ろうと思っている。推薦などの
手を使うのもありだ。
「まぁ、はるの成績は平均ぐらいだなぁ
今志望している大学ならこのままいけば問題ないだろう」
「分かりました」
「推薦も考えてるなら面接練習とか自己PRもあった方がいいだろうな」
「自己PRですか、分かりました」
「自分の長所とか考えたことないか?」
「あんまり思いつきませんね……」
「うーむ、べたな質問ぐらいは答えられるようにした方がいいな。
仲のいい友達にでも長所を聞いてみたりしてもいいかもな」
「分かりました」
特に進展がないまま進路相談が終わった。
「(自分の長所か、ちょっと恥ずかしいけどAに聞いてみようかな)」
そう思いながらはるは帰り支度をする。
帰り道、段々と空が暗くなっていく。今日は一日曇天の空模様だった。
「(今日はずっと曇ってて太陽が見えなかったな、雨が降るわけでも急に日が差すわけでも
なく変化がない一日だったな)」
そんなことを思いながらはるは帰路につく。
たくさんの人が望むわけじゃないけれど、多くの人が嫌うわけでもない、
特に変化があるわけじゃなく、目立つ特徴も特にない
そんな天気『曇り』
明日の天気はなんだろう。
夕方のニュース
『続いては天気予報です。明日は全国的に雨と
なるでしょう。』
『曇り』のイメージはThe・普通って感じの高校生を書いてみました。
振り返ってみると普通過ぎてつまらないって感じがしなくもないけど
同じような話を書いても主人公しだいで感じ方が違うのもまた一興ってことで良しとしました。