しふくの時と言われても7
またやった
投稿忘れ
二話更新
すみませんでした。
9時と10時に予約してます。
長時間の移動というのは存外体力を消費するものだ。
大分空港から羽田空港経由で北京空港の移動は延べ10時間程の時間が掛かった。
最近はアイテムボックスの存在もあってか、海外への渡航が少し厳重に行われるようになっているが、今回は事前に中国側とも話はつけてあるので難なく飛行機に搭乗する事が出来た。
これも全て千尋という存在の価値を世界が認めているからに他ならない。
俺自身はサブキャラを使っての移動なので、実質疲労は皆無だが流石に同行しているメンバーは多少は疲労しているようだ。
リーダー、番長、助手ちゃんは初めてのお出掛けという事もあってか色々な物に興味を惹かれるようで大人しくしていながらも、視線はあちこち目移りしていてとても可愛らしかった。
そんなこんなで北京首都国際空港へ無事に到着した俺達を待っていたのは日本大使館の職員さんだった。
職員さんに案内されてホテルへ行き、明日のスケジュールを軽く確認してから別れた。
そして俺達は晩御飯を食べる為に、純が事前に調べて予約してくれていた店へと行って美味しい中華を堪能してから再びホテル
へと戻ってきた。
「着いた時も思ったけど、広すぎだろこの部屋……一泊いくらぐらいするんだ?」
中国側がわざわざ千尋様御一行の為に用意した部屋は4部屋で全て高そうな部屋だった。
「5万円ぐらいじゃないかな?にしても本場の中華は美味しかったね!北京ダックも包子も餃子も何もかも美味しかった!」
「あぁ!確かに美味しかったな!」
「がははっ!確かに美味かった!しかし北京も中々に栄えているな!」
本場の中華を味わえたのはとても良かった。
一馬さん、千尋、純も楽しめたようで何よりだ。
「お料理は美味しかったですが、日本と違って人の視線が私は少し気になりました……」
「リーダーは美人だし、目立つのも無理無いっすね!」
「気にし過ぎ……」
リーダーは耳を隠してはいたが、類稀な美貌により人々から視線を浴びてしまうので少し不快に感じたようだ。
「こればっかりは慣れるしか無いな。んで、部屋割はどうする?」
安全面を考慮して出来る事なら全員同室が好ましいが、今回は一馬さんも居るのでどうするか考えたい。
「お父さんと私とまこちゃんで一部屋、残りの純、リーダー、番長、助手ちゃんで一部屋で良いと思うがどうだろう?」
「俺はそれで良いかな」
「私も賛成かな!戦力的には申し分ないと思う!」
「私達もそれで構いません」
全員が賛成のようなので、部屋割はこれで決まりだ。
折角4部屋も用意してくれて有難いのだが、何が起きるか分からないので出来る事なら万が一の時に備えて纏まっておきたい。
「良し!じゃあ今日はもう解散!明日は何時集合だっけ?」
「朝の10時に大使館の職員さんが迎えに来てくれるから10時までに集合だね!私達がそっちの部屋に行くから、待っててね!じゃあおやすみ!」
「りょーかい、おやすみ」
こうして一旦二手に別れ、明日に備えて早めの就寝タイムに入る。
「ふぅ……じゃあ俺は一旦サブキャラから意識切るから、何かあったら念話してくれ」
「あぁ」
「おぅ!おやすみ!拓美!」
「おやすみ!」
こうして中国ダンジョン攻略作戦の一日目は終わった。
☆ ☆ ☆
サブキャラの手動操作は維持したまま意識だけを本体に戻して、部屋で一人伸びをする。
「殆ど寝てただけなのに結構疲れたな……本場の中華は堪能出来たけど、本体の腹が膨れた訳じゃ無いから腹が減ったな……」
味覚はあるし食べたものは活動エネルギーとして活用されるので無駄にはならないが、本体である俺のお腹が満たされる訳では無い。
「リーダーのパスポートの名前は良かったけど……番長と助手ちゃんのパスポートの名前は流石に可哀そうだったな……階層も増えたし、中国のダンジョン攻略が終わったら皆に名前付けてやらないとな……」
リーダーのパスポートの名前は佐々木美帆。
番長は佐々木バンチョー。
助手ちゃんは佐々木ジョシュー。
俺が名前を付けずにいたせいでリーダー以外の二人の名前が残念な事になってしまっていた。
今日初めて二人のパスポートを見た俺は申し訳ない気持ちで一杯だった。
怠惰ダンジョンは今後も人員が増える。
そうなった時、怠惰ダンジョンに居る全ての者に名付けを行うのは物理的に不可能だ。
なので一応、幹部であるリーダー率いるエルフルズの初期メンバー、番長率いる鬼人娘衆の初期メンバー、博士、助手ちゃんには名付けを行う予定になっている。
「本当は皆に名付けしてやりたいんだけどなぁ……」
他の怠惰メンバーに関しては各々の上司にあたる幹部から名前を付けて貰うか、自分で考えた名前を名乗るという事に決めた。
これで一応は個体としての名前は全員が得られるようにはなったが、名付けでは無いので名持ち格差自体は発生してしまう事は目に見えている。
「……こればっかりは諍いの種にならない事を祈るしかないよな」
名前の大切さ、名付けの重みを再び実感してしまった。
「マスター!おかえりなさい!英美里がマスターの分のご飯を用意してくれてます!早く来てください!」
扉越しに聞こえるベルの声。
「はいよー」
毎日ご飯を用意してくれる英美里に感謝しながら、居間に向かう。
当たり前の事が当たり前である幸せ。
何も言わなくてもご飯が出てくる有難み。
どんなに美味しくても、どんなに高級でも、お店で食べる料理より、結局は家で食べるご飯が一番安心出来るし美味しいのだ。
「英美里のご飯は世界一ィィィィイイ!」




