食事とセイレーンの事を考えて何が悪い!
お粥をマティアスにお裾分けしたのち、後の全部は自分で食べるからね! と一応宣言しておく。するとマティアスは俺の食事欲求に対してプッと吹き出した。
「ゆっくり食べな、これはセイレーンのための食事なんだからさ。」
「.......。あ、あーそうだね。うん...ありがとう。」
吹き出すなよなとツッコミたかったが、不意に思い出す。そういえばゲームじゃ父親が俺を見つけて養女として暮らす事にはなってたんだ。
だけどヒロインの記憶じゃ母親は庶民で、父親とはラブラブしといため、俺はちょっと邪魔だったりするのだが、けして俺の事を邪険には扱うことはなく市井にいた頃と変わらず世話してくれている。
くれてはいるのだが、食事は豪華すぎと場の空気感が苦手で庶民の頃の食事が良いと我儘言っていたのだ。主にヒロインがな。
そのせいかわかんないが、料理人に抗議して自分だけのにと食事を作らせていた。
アレー?ヒロインの純情無垢な性格違うんじゃね?
あれって演技っスカ!?
我儘言える立場じゃないのでは?
いかん話しがそれたね。まあそれもあって、ヒロインの純情我儘によって変えて貰い、食事を質素にしてもらったのだが、これが良くなかったのだろう。
母親と父親が激おこして、注意と貴族としての心得を小一時間の説教をくらったのだ。
確かに貴族の食事会とかのイベントってあったが、ヒロインのくせに礼儀作法もなく純情無垢って言う無知で、周りの貴族学生に嫌味言われてたんだよな。
で、颯爽と攻略対象者が助けてくれるイベント発生って感じだ。うーん、良いのかね?
いやいやダメじゃん!
少なからずは礼儀作法とか身につけておくべきじゃないか。
また話しが....よし時間を戻そう。
説教をくらってからは、しぶしぶながらも妥協したのちに部屋へと引きこもってしまうヒロインに、両親は頭を抱えるも期間をもうけて庶民の料理を出す条件を出せば、天の岩戸は開けられて両親に抱きついて『セイレーンは嬉しいです!!』と喜ぶのである。
そんで許してしまう両親、うーん甘い甘すぎるぞ!
ダメだと注意してから、すぐ許してしまうなど相手の思う壺だと思うのだ。
そんなんだからゲームじゃ許してもらう術をもって動いてたんだぞ。
まったくダメ両親でヒロインだと思うよ。
自分がソレだと思うとゲッソリするが、改善していこうかね。
黙々と考えを巡らせながら食事をして、おーいセイレーン?とマティアスの声に出して気づき意識を現実に戻せば、いつの間にやらお粥が消失していた。
「あ、お粥が消えた!? マティアス食ったわね!!」
「はあーなんでそうなる! 自分で食べ終わったんだろうが食いしん坊。」
「......なんと!! 考え事してたせいで、美味しい料理味食い損ねたー。」
ぐぬぬー。と悔しげにスプーンを握り締めてれば頭を撫でられた。
何故に撫でるんじゃ!
撫でられても、お粥は戻らんのにとマティアスを睨んでると、何故か納得しているようでニカッと笑みを浮かべた。
「また作って持ってきてやるから良い子で待ってな。」
おお!! めっちゃ良い奴だ!
「うん良い子で待ってる!」
あのお粥よ再び会おうぞ!
ぎゅむっと握り拳を作って返事をしてお粥の事を考えているなか、可愛いな今日のセイレーンはとかの呟きは聞こえていなかった。