両親と初対面だが対応を観察して何が悪い!
マティアスとは明日以降に話す約束の後には帰り、残された俺はボケっとベッドで今後のことを思案していた。
少なからず俺自身が淑女教育は必要としては考えてはいたが、その前に両親がゲームとどう異なるのかをまずは確認しないと今後の計画に支障が出るのではないか?
マティアスはこのヒロインが来た両親は頭が良いと言っていたが、それはどこまでの知恵と行動でのことなのかも俺は知らないんだよな。
ゲーム設定ではヒロインには甘いきはしている。
ストーリーの中にある視点が一人称であるのにもかかわらず。ヒロインの無邪気さや純情さ、相手を思いやるところはある。それは少なからず両親からの愛情で育ててもらったと言えるだろう。
ただし、攻略対象者を籠絡してるのは引っかかるんだがな。人たらしなら納得するが、攻略対象者には婚約者いるんだぜ!
ゲームであろうが許されるのかね! とツッコミ入れたくなったもんだよ俺は。
ハッいかん思考がズレた、両親だ両親。
まあーまずは実際にどんな奴がヒロインの両親かもておかねえとな。
ヒョイとベッドがら飛び降りると、ふと服が寝巻きだったことを思い出す。
着替えていくか、それともこのままか?
二択的な選択肢が頭によぎるが、このままに行ってみるかと思う。相手がどう反応して対応し、何を言うのか興味がある。
さあー実験させてもらうぜーーヒロインの両親どもよ!
くくくと黒い笑みを浮かべて部屋を出る!
廊下を出て使用人が俺の格好にマジマジと訝しむ表情を浮かべているが、声をかけて来ないことにほうほうと納得する。
さすがに新参者に対して使用人がこちらを警戒して来るのは当たり前と言えるだろう。特にぽっとでの小娘が実の子としてここの貴族に入って来たなら尚更ってもんだ。
ヒロインは倒れる前はどんな感じに過ごしてんだろうな。
魂だって実際は消えてるのか存在しているのかすら不明ってのが気にはかかってんだが。
もし何かのきっかけで会えたらいいな。
「セイレーンお嬢様出歩いて大丈夫なのですか?」
不意に後方からの声にびくーってなって振り向くとメイドが心配げな表情でこちらを伺いみている。
あ、なーんかうっすらと意識戻った時にいた女性だよな。
もしかしてヒロインの侍女か?
「...あーうん。一応体調も良いし両親、いやお父様とお母様に挨拶しておこうかと思いましたの...よ。」
ヒロインらしくしとかんと変だと思うだろうとの返答だったんだが、何故かメイドの女性はじーーーとこちらを観察するように見られて背中に嫌な汗が出るもメイドの女性は何かを納得するかのように俺の側に来て笑みを浮かべている。
なんやねん、この女性.......妙に怖いんやが。
笑顔が!!!!
「ふふ、そう身構えないでくださいませ。ただ...寝巻きなのと髪の毛も寝癖がついた状態で平然といるのが気になりましたので部屋戻るという選択肢はおありなのかと?」
「.......正直に言ってもいいなら、ない!!親の反応を見ておきたいから!」
「ふむふむ、その根拠は?」
「親の反応を観察して何が悪い!!! ってかあんた俺の反応みて別人だと判断できる人間だろ!!」
「ふふ、何故そう思われるのですか?」
「似てんだよマティアスのやり口に!」
あらあらとわざとらしい表情で言うが、顔が笑っていないのはこちらがどう出るかを見極めようとする人間の仕草だと感じ。かくせんとおもい対等に反応しておくと、まるで正解だったかのように表情は優しいものに変わる。
「似ているとは少々気にくいませんが、同じ人種でしょうことは認めておきます。あと彼より協力するようにと暴露されてますので伝えておきますね。」
「は!? なんだと!!!」
「お嬢様大きな声あげるとボロ出ますよ。」
「ぐ!! あんた嫌な性格してるって言われるだろ?」
「さあーどうでしょう。さてさて、それよりも本気でこのままご両親と対面するつもりですか?」
話題そらすメイドにはあーーと思いっきりため息をつきつつ、先程の意見に揺るぎなしの返答をするとメイドは了承する。
本気でと逆に焦るが、俺とは初対面の癖に何かやり遂げようとする気がするのと両親への良い刺激になると意味深な発言に訝しむがメイドはそのまま俺を両親がいる応接間に案内してくれたのだった。
部屋につくとノックを3回して俺が来たことをつげると入れと優しげな声が聞こえ中へと入室した。
中には無精髭が整い少しふっくらしているが中年とは言えないほどの美丈夫が中央の机に座り俺をみる眼差しは優しげではあった。
そして近くのソファーには胸の開いた服を着こなし、髪などきっちりと結衣上げて気品がある雰囲気なのに何処から出るのか子供いるとは思えない色気を醸し出している。
まあー少々俺の格好には優しいが、何故にその姿で来たと言わんばかりの表情がうっすら感じたりする。
まあーそうだろうなああーー。
その表情しないと、こっちもつっこめんからな。