「航空自衛官岩田道夫二等空尉の経歴」
体調不良に職場の異動、引っ越しが重なりなかなか続きが書けませんでしたがようやく・・・丸ひと月開いてしまいしました。
DDG大和の船体の全幅24メートルをフルに使用して造られている格納庫の全長は50メートル程ある。その中に幅28メートル、長さ32メートルの飛行甲板が左右二つに分かれ、さらに縦に二つ折りにされた状態で格納されている。飛行甲板としてはお世辞にも広いとは言えないが高度な操縦技術と、搭載予定の新型の直離着陸型戦闘攻撃機に腕利きのパイロットが搭乗するのであれば充分な広さを確保できている筈だ。
飛行甲板展開準備完了。格納庫のシャッターが開く直前に格納庫の後方左右に個所についた黄色い回転灯が注意喚起の為に点灯し始めた。その時に通信が入った。通常の通信、岩田一尉からだった。
「練習支援艦天龍艦長、岩田一尉です。端的に申し上げます。大和の飛行甲板展開試験を拝見出来ませんでしょうか。」
あまり感情の籠っていない様な声音はやはりいつもの通りだが、今日は少し話す速度が速い。
岩田一尉は、海上自衛隊に移籍する前は航空自衛隊の戦闘機乗りだった。だとすれば、考えなくとも航空機に関する事に興味が無いわけが無かった。しかも先程一尉に「搭載予定機」を尋ねられた時に「機密事項」と答えてしまっている。本音を言えば、単に知らなかっただけなのだが、状況を冷静に判断すれば、搭載予定機は「新型である」という推測が成り立つ。猫でなくても好奇心が湧くという物だ。
「こちら大和、先に通達した通り後方200メートル、単縦陣を維持。ヒトマルマルマルの訓練開始まで準備、待機せよ。」
すぐさま夕張さんから隊内リンク通信。
「こちら夕張。大和さん余り杓子定規なのも・・・」
いい淀む夕張さん。言いたい事は解ったし、正直自分も正直似た様な感情を持って居た。それに現場での細かい判断、命令権は第十八訓練護衛艦隊(仮)の旗艦である大和に一任されている。ついでに言えば飛行甲板展開試験に関しては、眼が多い方が、得られる情報が多い程良い。
「・・・・・・。」
何か言葉を返そうとする雰囲気の岩田一尉を牽制するように、オレは直ぐに言葉を続けた。
「と、言いたい所では有りますが、大和にとっても初めての事であり得られる情報は多方面から多く得られる方が良いと判断します。先の命令を撤回。夕張は右舷後方100メートルの位置にて、天龍は左舷後方同じく100メートルの位置にて待機。光学観測、サーモグラフィック観測を実施。データをリアルタイムで大和に転送して下さい。」
「こちら夕張、了解。」
素早く素っ気無い返答。
「こちら天龍。了解。あの・・・宜しいのですか?」
岩田一尉は自分から上申して来た要求なのになぜか狼狽えていた。ダメ元で言ってみた事がすんなり承認されて返って混乱してしまっている様だった。いつもの岩田一尉の、冷静沈着で眉一つ動かしそうにない態度とはかけ離れていて、非常に人間臭い態度だった。
通常の通信をする一方で、オレは岩田道夫二等空尉の事を調べ始めていた。記録では岩田二等空尉はかつて小松基地所属のF-39Jの非常に優秀なパイロットであった。二十一世紀初頭にアメリカから購入実戦配備が始まったF-35も、2050年代に入り、世界情勢が不安定になって、各地で紛争が増え始めた頃には既に旧式化し、幾度となく近代化改修を繰り返してどうにか前線を飛び続けているだけの存在になっていた。二十一世紀半ば頃世界中で頻発した、民族間紛争や地下資源の奪い合いによる国土問題、それに伴う軍事行動の増加に伴ってアメリカ軍は自国の軍事技術を日本に売り込む、または押し売りしている余裕が無くなっていた。そこで日本は独自に次世代戦闘機の開発に着手。三菱重工のX-2は次世代戦闘機の技術開発及び能力の獲得を目的とした実験機であり、続くX-3も実験機の枠を出なかったが、2070年頃から開発が始まったX-4はただの実験機ではなく、実戦配備試験機であり、ついにX-5の開発コードで設計が進められていた機体がついに、2095年にF-39Jワイバーンとして完成した。
「ええ。大和としても第三者視点の情報は必要ですし、多角的検証は後に不具合が生じた時に原因究明、修繕に役に立ちます。」
「・・・了解。こちら天龍、大和の左舷側100メートルに遷移します。光学カメラ、サーモカメラ起動します。」
根が真面目で、それでいて頭の回転も速く仕事も早い。予想外の展開であっても自分が納得できる事であれば直ぐに行動に移せるだけの対応力もある。天龍と夕張が所定の位置に移動していくのをレーダーと大和の艦橋最上部にある全周光学カメラで確認する。
「こちら大和。近江艦長、豊郷二佐からは何か御意見を頂けますか?」
「こちら近江、豊郷二佐。針路速度維持。高みの見物をさせて貰うよ。補給艦では十分な観測機器なんぞ積んでおらんからな。記録画像用のカメラだけ向けさせて貰らっとるわ。」
「こちら大和、了解。」
あっさりと通信終了。が、豊郷艦長も興味が全く無い訳ではないらしく大和のカメラには艦橋で双眼鏡を構える豊郷艦長の姿が捉えられていた。
優秀なワイバーンドライバー、F-39Jのパイロットの事をそう呼称するのはF-15Jイーグルのパイロットをイーグルドライバーと呼んでいた時からの慣例なのだそうだが、岩田二等空尉はその中でもエースと名高いパイロットだったらしい。
戦時中であれば敵戦闘機を5機撃墜した者がエースと呼ばれる、という基準もあったそうだが現代の戦争において5機も敵機を撃墜できるような状況にはまずならなかった。航空自衛隊では二十二世紀現在、教官機から撃墜判定をもぎ取ったパイロットをエースと呼ぶ風潮があるらしい。その中で岩田二等空尉は三度の撃墜判定を勝ち取り、更にその中の一機は最強と名高いアグレッサー部隊の教官からだという。いずれにせよ、岩田二尉が当時最高のワイバーンドライバーであった事に異を唱える者は殆どいない。
「こちら夕張、定位置に付きました。」
「同じく天龍、定位置に付きました。」
どちらも通常の音声通信。大和を頂点とした一辺100メートルの正三角形に艦隊が編成される。その後方にやや遅れる形で速度を維持したまま補給艦近江が続く。
「こちら大和、夕張、天龍、両艦了解。天龍、岩田一尉宜しいか。」
飽く迄も作戦行動中の畏まった通信口調。
「は。なんでしょうか。」
「確か貴艦にはターゲット用にドローンを搭載していたと記憶していますが、間違いありませんか。」
「はい、高価なので一機だけですが、天龍艦内から遠隔操作可能な機体が搭載されています。」
「ドローン・・・?」
夕張さんが隊内リンクで疑問符付きで呟く。
これはたった今思い付いた事なので夕張さんもオレが何をしようとしているのか解らなかった様だ。
「可能ならば、ドローンを飛ばして上空からもリアルタイムで観測して頂きたい。」
命令ではなく、一応お願いの形を取っているが、岩田一尉より年下とは言え大和が階級は上、艦隊としても旗艦の長。命令しているのと大差ない。
「了解しました。」
岩田一尉、間、髪を入れず返答。
「それと、ドローンのパイロットは岩田一尉が担当して下さい。」
天龍にはもちろん、ドローンの専門パイロットがいるだろうが、あえて艦長岩田一尉を指名。ドローンのパイロットには申し訳ないが、今、この場に航空自衛隊出身の、しかも元とはいえ一流のパイロットが居るのだからそちらに頼みたい、と言うのが理由の一つ。もう一つの理由が、大和は完全無人艦であり機密性が高い。遠隔操作のカメラ越しとは言えども下士官を艦に近づけたくないという事。そして三つ目の理由、これはまだオレの心の中だけにしまっておく事にする。
「は・・・は。了解しました。」
さすがに岩田一尉も戸惑いを隠せないらしい。しかし先に予定外の要求をして来たのは岩田一尉の方なのでこれで貸し借りなしだ。
岩田二等空尉が事故に遭ったのは小松基地での四対四、教官部隊四機に対して岩田二尉を含む四機での空中戦の訓練の最中だった。
天候はやや雲が多いものの飛行に差し障り無し。先にアグレッサー部隊二機が上がり、訓練のF-39J四機が離陸。その後を追う様にして残りの二機のアグレスが離陸。日本海上のいつもの訓練空域。設定は空中哨戒中のF-39Jに国籍不明機が接近、日本領空に高速で侵入、それを哨戒任務中のF-39Jが迎撃に移るという筋書きだった。
空中戦の最中に全貌を把握する事は不可能で、上空で訓練を見ていたAWACS、空中早期警戒機のデータと、地上で記録していたレーダーの情報の両方を突き合わせて、更に各機体に残されたフライトデータを検証しなければ正確な事は解らない。まず最初に解ったのは、何らかの理由で岩田二尉の機体が乱気流に巻き込まれ操縦不能になった。高度が下がり危険と判断したアグレッサー部隊の杉下三等空佐から岩田二尉に対してベイルアウトする様に命じられた。が、本来吹き飛ぶはずの風防が外れず、やむを得ずブレイクスルーベイルアウト、要するにコックピットを覆うガラスを突き破って射出座席を打ち出す緊急脱出を行った。この時に岩田二尉は砕けたヘルメットバイザーの破片が左のこめかみに刺さり、更には首を痛めて三か月の入院措置。幸い頸椎損傷もなく、運動能力に問題は無かったが、左目の視力が低下したまま戻らなかった。退院してから地上勤務を続けながらトレーニングを続けパイロットへの復帰を望んでいたが、主に視力の問題で空に戻れないと悟ると、海上自衛隊への転属を希望。実際に転属になる迄の六か月の間に、「対艦攻撃任務の攻撃機側から見た防空の要点」という論文を書き、海上幕僚監部、海上幕僚長宛てに送付。それから二か月後に海上自衛隊へと正式に転属となった。
「こちら天龍、艦長岩田一尉。ドローン準備完了しました。」
映像付きで送られて来た通信に移った岩田一尉の顔は、遠隔操作用のヘルメットにほぼ覆われて口元しか見えなかった。このヘルメットはバイザー部分が不透明でVRモニタが採用されていて、ドローンから送られてきた映像をリアルタイムで全周囲視認する事が出来る優れもので、通常の戦闘機では機体を挟んだ反対側を見る事はできないが、このシステムであれば死角は一切ない。大和から、事実上の命令でドローンのパイロットに任じられた岩田一尉は僅か五分で準備を終えた事に成る。有人機に乗るのではないから対Gスーツを着用する手間が一切掛からないとはいえ、準備の手際が良い。恐らく初めてではないどころか、使い慣れているのだろう。海上自衛隊に転属になってもいまだ空への未練は断ち切れていない事が容易に察せられる。
「こちら大和、了解。発艦して大和格納庫上空200メートルで待機、録画しつつ映像をリアルタイムで大和へ転送して下さい。」
「岩田一尉了解。コードネーム『ぽん・で・りんぐ』、発艦します。」
コードネームぽん・で・りんぐ。恐らく岩田一尉の操るドローンの事なのだろうが何故あの有名なドーナツ屋の商品名なのかと言う疑問は、その姿を一目見ればあっさりと納得できた。飛行用の六軸のプロペラと光学カメラ二台、赤外線カメラ一台、レーザー測距装置一台、そしてチャフとフレアの使い捨て発射装置が一台ずつ、プロペラと交互に配置されて全体として円形になっている。形が確かにあの特徴的な形のドーナツ状だった。
通信が切れて、ドローン、ぽん・で・りんぐが大和の方へとゆっくりと近付いて来る。相対速度ではゆっくりだが大和も天龍も十二ノットで航海しているのだからそれなりの速度が出ている筈だ。それでもぽん・で・りんぐは安定して直線的に大和に向かっている。風の影響、艦隊の移動速度を考慮すればかなり操縦に熟れている。
岩田二等空尉の墜落原因が判明したのは事故から二か月後の事。教官機の背後に付けていた岩田機の前を別のF-39Jが高速で横切った際に発生した乱気流が操縦不能の要因だった。あともう少しでロックオン、撃墜判定という状況での突然の出来事だった。横切ったF-39Jのパイロットは迎撃部隊三番機の島尾大助三等空尉の乗機。タイミングとしては教官機が、背後に付いた岩田機の追尾を振り切ろうと雲海にダイブした瞬間だった。島尾三尉は事故調査の聞き取りに対して、「教官機を追尾しようとしていただけで、結果的に岩田機の前に出てしまっただけである。」と答えたという。ただ、視野狭窄に陥り岩田機が見えていなかった、とは認めたという。
「こちら大和、これより飛行甲板展開試験を行う。夕張、天龍、並びにぽん・で・りんぐ、記録開始。」
夕張さん、天龍(の副官かあるいは通信士)、そしてぽん・で・りんぐの岩田一等海尉から「了解」の返信。
大和の飛行甲板は左右縦半分に分かれ、それぞれがさらに縦に二つ折りにされた長細い棒状になって格納庫に納められている。板状ではなく棒状になるのは飛行甲板が、航空機の重量やエンジンの排熱に耐えられる様に複数層重なり分厚くなっているからである。長さ32メートルの飛行甲板は、航空機を格納するスペースを確保する必要上、50メートルの格納庫に収納しきれず、常に2メートル格納庫から突き出しているのが常態だ。サイレンが鳴り格納庫のシャッターが開くのと同時に飛行甲板を後方へ押し出す。通常モードの飛行甲板展開でこのまま格納庫から飛行甲板が外に出切ってから山折りに畳まれている甲板を広げ、中央部分がロックされて展開完了となる。
その後、岩田二等空尉は志願して海上自衛隊に転属となったが、島尾三尉は責任を問われ地上勤務になりその四か月後三重県伊勢市の明野駐屯地へ異動となった。今の岩田一等海尉には関係のない事だが。
「飛行甲板展開完了。」
所要時間、6分18秒。地上での試験では6分を切っていたというデータがあるので、不安定な船上では少し余計に時間が必要な様だ。格納庫からの引き出しに4分、畳まれていた甲板を展開、固定する迄に2分と言うのが地上実験での数値だった。今回は展開、固定の行程で余計な時間が掛かった様だった。
しかし、大和は後部甲板にも大量のVLS、ミサイル垂直発射装置を搭載していて、飛行甲板を展開してしまうとその殆どが飛行甲板に覆われて使用不能になってしまう。その為、戦闘が想定される海域では航空機を発艦させた後は、着艦の要がある迄飛行甲板を折り畳み、VLSの妨げにならない様にする。それでも2割ほどのVLSが発射不能なままだが、全弾発射という事態は殆ど想定されていないのと同時に、飛行甲板を折り畳むだけなら2分と少々、完全に収容数となると三倍の6分が必要という差を考えるとよほどの事が無い限り完全に収納する意味が余りない。何らかの理由で艦載機が緊急着艦する場合にも折り畳んで置くだけの方が利がある。
飛行甲板展開完了と共に格納庫のシャッターを閉じる。今はまだ艦載機は載せられていないが、実戦配備された場合に格納庫の中が簡単に覗ける状態にして置くのは、敵にどんな機体を何機載せられるのか、という事を暴露しかねない。怖いのはスペックの解っている強力な艦ではなく、小型であっても性能が解らない未知の艦船の方である。
「こちら大和、飛行甲板展開完了。」
「こちら夕張、確認しました。」
「天龍、こちらでも確認しました。記録、継続します。」
「ぽん・で・りんぐ、確認しました。」
飛行甲板の真上から岩田一尉が操作するドローンの映像も送られてきている。全幅が24メートルの大和に対して飛行甲板は幅28メートルなので直上から見ると船体から飛行甲板がはみ出している様子がよく解る。
「こちら大和。ぽん・で・りんぐ、岩田一尉。」
「こちら岩田一尉。なんでしょうか。」
いつも通りの平坦な声音。いつでも落ち着いて、無口なタイプなのかと思っていたが、今日の先程の会話を思い出すと努めてそうあろうとして努力している様に思えて来た。気が急いて早口になる事もあれば予想外の事に戸惑う事も結構多い。その予想外を一つ追加しようと思う。
「岩田一尉、大和に着艦してみてくれませんか?」
「・・・・・・・・・・・・え?」
言われた事を理解するのにだいぶ時間が掛かった。その上「は?」ではなく「え?」に成っている。多分そちらの方が素の岩田一尉の口調なのだろう。
「私が、ですか?」
自分が、ではなく、私が。気が付けば繋いだままであった天龍との通信の向こう側で、先程から岩田一尉の代わりに通信を担当していた女性士官の笑い声が漏れ聞こえていた。大和と夕張さんとの間の隊内リンク通信でない限り、基本的には他の艦にも、そしてぽん・で・りんぐの遠隔操作室、岩田一尉のヘルメット内の通信機でもこの笑い声は聞こえている筈だった。馬鹿にした様な笑いではなく、楽しそうな笑い声。
岩田一尉の態とらしい咳払い。
「こちら岩田一尉、ぽん・で・りんぐ、大和飛行甲板に着艦試行します。」
いつもより更に平坦でいて硬い声。歯ぎしりする音まで聞こえそうだ。恐らく耳まで真っ赤になっているだろう。
「大和さん、意地悪ですね。」
夕張さんから隊内リンク通信。そういう夕張さんの声も少し笑いを堪えているのが解る。そして意地の悪い事をしているのも自覚していたので、夕張さんの言葉を否定しなかった。岩田一尉をドローンのパイロットに指名した三つ目の理由がこれだった。勿論、意地悪をする為ではなく、大和の飛行甲板に初めて着艦したパイロットとして記録する為に。事故で空を諦めなければならなかったエースパイロットへの、オレなりの最大の敬意の為に。
岩田一尉の操作するドローンは難なく飛行甲板のど真ん中に着艦。十二ノットはそれほど高速ではないとは言え、移動する艦の上、しかも格納庫の真後ろで気流が乱れやすい場所に、軽量のドローンを正確に操作して。F-39Jの元エースパイロットは、ドローンのパイロットとしても一流だった。
「着艦確認。見事な腕前です。」
「こちら岩田一尉。貴重な経験をさせて戴き感謝いたします。」
せっかく動揺させられたと思ったに、もういつも通りの感情の薄い声。
大和は無人艦、ぽん・で・りんぐは遠隔操作のドローン。着艦後何もする事も出来ないのでそのままぽん・で・りんぐは大和から離艦。天龍へと帰還。大和は飛行甲板を格納。所要時間は展開より早い5分40秒だった。時間が短く済んでいるのは、格納作業の時には左右に二分された飛行甲板が格納庫の幅以下に畳まれた時点で引き込みを開始するからだった。
例の島尾大助三等空尉は明野駐屯地へ異動後、非番の日に交通事故に遭い死亡。任務中では無かった為殉職扱いにもならなかったそうだ。その後綿密な事故原因の調査の結果、岩田二等空尉の事故は偶然ではなく、島尾三尉が意図的に乱気流を起こす機動を取っていた為であると結論付けられた。これにより島尾大助三等空尉は死亡後であったが航空自衛隊から除名処分となった。
岩田一等海尉はこの事を知っているだろうか。知っているとしたらどう思うだろうか。全く興味が無いと言えば嘘になるが、今敢えてそのことを岩田一尉に訊く事でもないだろう。そう判断して開いていたファイルを閉じた。
これからも出来る限り毎水曜日に更新できるようにがんがります。(たぶん無理。)
しかし誰だ、「ぽん・で・りんぐ」なんてタックネーム付けたのは・・・