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転生したらイージス艦でした  作者: ふぉれむ
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「DDG大和のお仕事」

最近はやりの(?)転生ものに乗ってみようとおもいました、まる。


プロローグ的な何かです。

 「敵ミサイル捕捉。迎撃します。」

 涼やかな女性の声で大和に通信が入る。敵のミサイルの様子も、声の主、随伴艦夕張のVLSから発射されたミサイル迎撃用のミサイルの飛翔していく様子も大和からもはっきり見えていた。敵艦と断定された艦隊は四隻の編成で国旗は掲揚されていない。事実関係はどうあれ、現実としては所属不明艦として扱うしかない。そして先制攻撃を受けた以上は専守防衛を旨とする海上自衛隊の艦艇としても迎撃するのは権利でもあり、国民の国家財産を守るうえでの義務でもある。

 敵のミサイルは中距離の対艦ミサイルであることは大和のレーダーではっきりと捉えていた。ミサイルの数は四。大和に二、随伴艦の夕張と阿賀野にそれぞれ一。最後尾に控えていた五十鈴は標的から外されている様だ。大和に二発のミサイルが向けられたという事は、則ちこちらの艦隊四隻の中で最大の脅威と敵方が判断した為だろう。

 彼我の距離は四十四キロ。凡そ時速二千キロで飛んで来る敵ミサイルが大和に到達する迄に係る時間は僅か一分二十秒に満たない。四発のミサイル群に素早く反応した夕張から、敵ミサイルから遅れる事四秒で放たれた迎撃ミサイルは一直線に敵ミサイルに向かって疾駆する。小型超高速の対ミサイル迎撃ミサイルは時速三千キロ。敵ミサイル発射から僅か三十秒足らずで全弾命中。迎撃に成功した。

 その間、大和も何もしていなかった訳ではない。敵艦の情報収集と同時に反撃の対艦ミサイル四発を、敵旗艦と思われる5500トン級の巡洋艦と、その随伴艦三隻のうちの二隻に向けて発射。大和の随伴艦阿賀野からも敵随伴艦の大和が標的から外していた一隻に向けて対艦ミサイルを二発発射していた。発射から弾着までは約73秒。こちら側が対艦ミサイルに対して素早い反応をした事で、敵艦は対応に追われているのか、大和、阿賀野の両艦から発射された対艦ミサイルに目に見えた対応をしていない。大和のレーダーにはミサイルの軌跡が輝点として表示されている。減り続ける数字は弾着までの残り時間。夕張が迎撃した敵の対艦ミサイルの爆煙を突き抜けた頃になってようやく敵艦隊に動きがあった。機関全開、右に転舵。だが、残念ながら全艦一斉にとはいかなかった。有人艦である可能性が非常に高い。そして敵艦隊は対空迎撃能力が非常に低いか、あるいは全く無い事が予想された。敵艦からチャフが散布される。チャフは言うなれば金属製の細かい紙吹雪で、電波を乱反射させる事でミサイルの誘導を躱そうという物だ。残り8秒。敵艦甲板から散発的に銃弾がばら撒かれる。驚いた事に生身の兵士が自動小銃でミサイルを迎撃しようとしていた。

 (無理だ)

 大和は呆れると同時に内心ため息を吐いた。カウントダウン・・・3・2・1・弾着。

 ミサイルの先端に付けられたカメラを通して、大和は敵艦の様子を最後まで観測していた。敵旗艦へ指向されたミサイルの内一発は戦隊後方の機関部付近に、もう一発は艦橋に突き刺さり・・・爆発しなかった。最初から爆発しない様に弾頭を抜いてあったからだ。しかしそれでも艦橋は大破、機関部も損傷して航行不能。幸いにも酷い浸水は発生していないらしい。大和から発射された残り二発のミサイルもそれぞれ敵随伴艦の船体後部に命中。同様に機関部を破壊。航行不能にしていた。

 その一方で阿賀野から発射されたミサイルは、敵艦隊の最後尾に位置していた随伴艦に二発とも命中せず。これは外れたのではなく最初から当たらない様に撃たれていたからだった。当たる事は無かったが船体を挟み込む様に派手な水柱を上げる。非常に解り易く威嚇したのだった。動力を失って船足を落とす前の三隻を避けて右に転舵した唯一被弾しなかった敵艦は、敵旗艦と思われる艦の右側で停船。大和達海上自衛隊艦隊から見れば、被弾した旗艦の影に隠れた様にも見える。大和のマストに国際信号旗のL旗を掲揚。停船せよの合図。数分ののち、旗艦の影に隠れた艦のマストにM旗が掲げられた。同時に白旗。

 停船した敵艦隊に向けてそのまま接近。ミサイルにとっては2分も掛からない距離であっても25ノットの船足では一時間近く掛かる距離だ。その一時間の間に最後尾に位置する五十鈴よりさらに後方20kmの位置に控えていた海上保安庁第三管区所属の大型巡視船PLH22やしまに連絡。戦闘終了を知らせ、臨検を要請した。戦闘は海上自衛隊の仕事だが、捜査・逮捕など海上での警察行動は海上保安庁の担当である。それに完全無人艦である大和以下4隻には該船に乗り込む人員が居ない。海上保安庁の巡視船の到着を待ち、敵艦乗員の投降、武装放棄。責任者の逮捕と負傷者の保護、死亡した乗員の遺体の回収、そして不審船の曳航の準備。すべてが整う迄戦闘終了から3時間を要した。

 「任務終了。」

 第十八護衛隊旗艦大和から全作戦終了が通達される。大和の随伴艦、夕張、阿賀野、五十鈴からそれぞれ了解の旨の通信が入る。

 「これより母港に帰投する。」

 第十八護衛隊の母港横須賀に。

機動運用部隊では無く、地方配備部隊でも無く。直轄部隊として運用されている初の無人護衛艦隊。旗艦大和、それがオレ、尾道ヤマトの今の「人生」である。


毎週水曜日に更新していければいいなぁ・・・

できるかなぁ・・・無理だろうなぁ(ぉぃ)

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