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転生したら、アンデッド!  作者: 三ノ神龍司
第一幕 死の森に生まれたゾンビと古の魔女
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第二十五章 『役割』の終わり

 真夜中の森をランタンをつけた馬車が数台、進んでいる。周りにはアンデッドが彷徨っているが、生者である彼らを見ても攻撃する意思を見せない。

 

 けれど攻撃されないからと言って、心安まるわけでもない。馬車に乗る奴隷商人らは内心神経を磨り減らしながら、ランタン、そして鬼火に照らされた悪路を進む。

 

 アンサムは不機嫌な顔をしながら、御者の後ろにいた。

 

 想定よりも明らかに屋敷に着くのが遅れてしまっている。

 

 時折、馬車が不具合を起こしてその度に止まって対応する手間を取らされていたのだ。初めはただの整備不良の不具合かと思っていたがよくよく調べて見ると故障箇所には手が加えられていた。何者かが邪魔をしているらしい。だが理由は不明だ。

 

 まさかバックアードが報酬を払いたくないからと遅らせていちゃもんをつけるのかと思ったが――そんなせこい真似はすまい。

 

 ならば、第三者かと思うが恨まれることはあれどこんな森まで追っかけてくる相手は思い至らない。

 

 犯人を捕まえようと注意はしているが、警戒網に引っかかりすらしない。

 

 (ここまで痕跡が見つからないとなると隠密特化の『あの人狼』達かもしれねえが、あいつらとは今んとこ関わり合いになってねえしな。『俺』を探しに来たのなら、接触してこない意味が分からねえし)

 

 理由も相手も分からない以上、どうすることも出来ない。邪魔はしてくるが、止めようとはしていないようだ。まったく意味が分からない。

 

 気味が悪い。……なんだかこの森に来てからというもの、悪いことが続いている気がする。

 

 奴隷の幼女には逃げられるし、森で出遭ったバックアードには敵意を向けられてしまうし。

 

 (……そもそもあの骸骨、あんなに力を持っていやがったのか?)

 

 今思うと不自然な気がしてきた。リッチは確かに強い部類に入るが、何度か会ったバックアードはあんな威圧感を出せるほどの強者ではなかったはず。ましてや防げるにしても光魔法を直撃していながら大したダメージがないのは今思うにおかしい。

 

 だが人間でもあるまい。あの幼女が放った魔法は明らかに人間でも灰に出来るレベルであったため、ただの人間である可能性はないのだが。

 

 そもそも光魔法は、魔法全般を問答無用で消滅させるため魔法で防ぐ手段がないに等しい。魔法を得意とするリッチにとっては、天敵中の天敵と言って良いだろう。

 

 ……ならば何故防げた?

 

 (……いや、魔法でも防ぐ方法はあるか? 前に聞いた話じゃ、箱形の障壁を作って、攻撃の来る方の一辺を受け皿とするんだったか? その障壁内部に魔力を充満させて空間拡張を行う。光魔法は持続性と拡張された空間への干渉力が弱いから、距離さえ稼げばいいらしいが……あれは完全に食らってたようだが、その説明はどうする? ……受けても問題ないってのはあり得ねえ。今、考えられるのは食らったように見せかける幻覚だが……アホか、まったくもって実用的じゃねえよ)

 

 そもそもあの一瞬でその過程を一度に全て組むことが困難だ。それにこの森は魔力が濃いと言っても遺跡以外では、それほどの濃度はない。故に空間拡張を行うレベルの魔力濃度を一瞬で実現するのは不可能と言って良い。

 

 それに魔法を使うためには魔力はただ集めれば良いという訳ではない。使える魔法は濃度ごとに決まっており、魔力濃度が一定量以上でも以下でも魔法は発動しないのだ。

 

 (障壁用の魔力に空間拡張の魔力を同時進行で集めて混ぜ合わせねえようにする? 理論上はあり得るが、んなの実戦で使うのは無理に決まってんだろ。あの瞬間、光魔法の影響で大気中の魔力も薄くなっていたしな)

 

 例外として操作しやすい内在魔力で補うという発想はあるものの、内在魔力はあくまで大気中の魔力を操作するため少量使用する個人に宿る魔力だ。個人が持つ故にその容量は基本的に少ない(だから身体強化系や回復系のスキル及び魔法は使用時間が圧倒的に短いのだ)。

 

 (……『じいや』に聞いた話じゃこの森に住む古の魔女が無限に近い魔力量を誇ってるらしいがそんな化け物いるわけ――――待て)

 

 アンサムの背に何か冷たいものが落ちてくる。

 

 もし、『あの時』に現れたのがリッチではなく、古の魔女であったのなら辻褄が合うのではないだろうか。そうであるのならば、あの威圧感も納得出来る。

 

 ……それにもし、あれがリッチではないのなら……このままでは不味いかもしれない。

 

 何故なら、あれがバックアードではないなら、古の魔女に光の種族である幼女を奪われてしまったということなのだから。

 

 (……引き返すか? ――ダメだ。あれが魔女だったなんて確証は得てねえし、何より事実だった場合、ここで引き返したところでアンデッド共は追いかけてくるはず。それくらいあの骸骨はあのチビ助を欲しがってたんだ)

 

 逃げるという選択肢は、もうすぐに屋敷についてしまうのだからここまで来た以上ない。逃げたところで周りのアンデッドからバックアードに情報は伝わるだろう。

 

 何もかもが不利な真夜中の森でアンデッドの追跡をまけるとは思えない。

 

 (俺がすべきは、あの骸骨との交渉だ。とにかく状況に合わせて、やらねえとな。……やりたくはねえが魔女の住処からチビ助を奪うことも考えなきゃならねえか)

 

 古の魔女が住むと言われる村の伝承は、聞いている。過去に勇者が造ったと言われる結界にて守られているらしく、それは魔物を拒絶するモノだ。バックアードやその仲間は入ることは出来ない。

 

 だが人間である自分達なら――顔が割れている自分とペド以外なら――入って奪い返せるはずだ、とアンサムは必死に考える。

 

 少々抜けている仲間に任せるのは心配だが、行けないことはないだろう。

 

 ふう、とアンサムは息を吐き出す。

 

 (つうか、魔女の話をあの骸骨にするのがそもそも悪手だからな。あまりしたくはねえ。……どうなるか分からねえが、こいつらには屋敷についたら警戒していてもらう他ねえな。最悪、あの骸骨と戦うことになりかねねえ)

 

 何ら問題ない大丈夫だと楽観的にはなれない。想定されるすべての未来があまりにも恐ろしすぎるのだ。軽く考えていたら、容易く命を落とすだろう。

 

 気を引き締めねばなるまい。

 

 ――そしてついにアンサム一行はバックアードの屋敷に辿り着いた。

 

 馬車数台は敷地内に止まると、後ろで錆びた高い鉄格子の扉が閉じる。

 

 アンサムは、それに小さく舌打ちする。錆びている箇所がいくつか見受けられるため、時間をかければ穴を開けることはできるだろう。

 

 もっとも、この地面の下にはアンデッド共が潜んでいるだろうから、時間なんてないものだろうが。

 

 それでも一応、アンサムは仲間にこっそりと警戒しておくように注意を促しておく。

 

 アンサムの雰囲気から何かを感じ取ったのか、いつもとぼけた仲間は気を引き締めたように頷き、各々武器を持った。

 

 アンサムは一人、屋敷へと向かう。


 扉を叩くと、中からバックアードとは違う下位種のスケルトンが扉を開ける。喋る様子はなく、知性もあまり感じられないが最低限のドアマンとしては役に立つようだ。

 

 アンサムは、吐息を一度ついてから中に入る。そしてそのスケルトンは扉を閉めるとカタカタと骨を鳴らしながら、歩き出す。

 

 一瞬ついていくかどうかアンサムは迷う。するとスケルトンがある程度進んだ後、くるりと振り返りジッとこちらを見てきた。ついていくのが正解のようだ。

 

 (……喋れる奴、いねえのか? 前に何度か来たときは、そういうゾンビがいたはずだが)

 

 アンサムは微かな疑問を抱きつつ、玄関ホールから二階へと上がり、一室へと案内される。

 

 その部屋へと入ると、広い部屋の一番奥のデスクの椅子に法衣を纏った骸骨――バックアードが座っていた。その隣には金髪に金色の目をした騎士風のゾンビが佇んでいる。

 

 書斎のような場所だった。両側の壁にはボロボロの棚に所狭しと紙束が詰め込まれている。バックアードは研究熱心なアンデッドと聞く。ここにある無造作に詰め込まれた紙束はすべてこのバックアードの研究書なのだろう。

 

 蘇生術や憑依に関するモノが大半だと以前聞いたことがある。恐らく人類としてもかなり貴重な資料であろうが、アンサムはあまり見たいと思えなかった。そこにあるのはたぶんすべて人体実験で得た賜だろうから。読んで気分を害することが多く書かれているだろう。

 

 バックアードが頬杖をつきながら、アンサムを眺める。

 

 「……来たな、奴隷商人。……して、例の子供はどこだ?」

 

 (……畜生が、最悪だ)

 

 バックアードの今の言葉により、ミアエルを手渡した者が偽物――古の魔女の可能性――であることが判明した。最悪の事態に一歩近づく。

 

 だがこの事態は想定はしていたため、内心冷や汗を掻きつつも、アンサムは困惑した表情を浮かべてみせた。

 

 「――どういうことでしょうか? 貴方の使者と自称するアンデッドの方が光の種族の子供を引き取りに来たのですが。知性もある様子でこの近辺でそのようなアンデッドは貴方の部下しかいないと思ったのですが……」

 

 「……なんだと?」

 

 バックアードの眼窩に宿る火の玉のような目が、わずかに燃え上がる。

 

 強い殺気に当てられて、心臓が縮み上がりそうになるが、以前出遭った偽物のバックアードよりかはマシだった。もっともどちらも敵対したら勝てないため、状況は今の方が最悪だが。

 

 アンサムは脳をフル回転させつつバックアードに、弁解ではなく、状況を説明する。ただし、バックアードの偽物らしき存在と出会ったことは言わず、あくまで使者を騙るゾンビが現れたことだけを告げる。

 

 バックアードの偽物と出会ったことを告げないのは、恐らくあれは古の魔女である可能性があるからだ。バックアードは何よりもあの魔女を毛嫌いしているのは、アンサムも知っていた。なので下手に話題には出したくはなかったのだ。

 

 古の魔女本人に出し抜かれたと判断されてしまえば、激昂してそのまま八つ当たりで人生を終わらせられるかもしれない。

 

 だからあくまで、謎のゾンビがやってきたとだけ告げることにしたのだ。

 

 アンサムが説明を終えても、バックアードは突然怒り狂いはしなかった。だが、やはり、かなり不機嫌になっている。

 

 「我は知らぬぞ、そのようなゾンビ。そもそも知性を与えたら、同時に会話能力も与える。そのようなゾンビ、いるはずがない。我の管理する土地にそのようなゾンビが野良で居続けるなど、さらにあり得ん。……貴様、我を謀るつもりか?」

 

 「まさか。そもそも現物を持たずに貴方のところへ来て、騙し通せるとは思ってはいません。ですので、彼のゾンビと光の種族の子供の行方が分かるまでお代はいただくつもりはありません」

 

 「…………」

 

 バックアードがコツコツと自らの側頭部を指で叩いてる。相当苛ついているようだ。

 

 だが予想よりも怒りの度合いが弱い。

 

 アンサムが自分を騙すつもりがないのは理解したのだろう。だが、楽しみにしていた光の種族の子供が手に入らないと知って、腹が立っているようだ。

 

 「貴様とは短い間だが幾度と取引をしている。貴様は生者ではあるが、仕事の出来は信頼してはいる」

 

 「ありがとうございます」

 

 「だが、この失態はどう取り繕う?」

 

 アンサムの心臓がやや早めに打ち始める。答えを間違えた場合、即、死に繋がる。

 

 「貴様の言葉を真実としよう。しかし、たとえそのゾンビが原因であったとしても貴様の落ち度に変わりはない。――貴様は何を支払い、この穴を埋める?」

 

 「……それは……」

 

 考えろ、考えろ。代償は何にする? 残りの奴隷全て? 否、あの光の種族の子供は特別だ。雑多な奴隷など対価になりはしない。

 

 ならば、バックアードと敵対する古の魔女か彼女が住む村に何かをする? ――冗談ではない。あんな化け物にちょっかいをかけたら、それこそ死んでしまう。順位としては最後の手段だ。

 

 ――ここはどうにしかして、退くようにしなければ。珍しい力を持つ存在を渡すと確約すれば――。

 

 ――アンサムは色々と必死に考えた。だが、時間切れだった。

 

 「そういえば、だが」

 

 バックアードがアンサムの返答を待たず、口を開いた。赤い瞳が、アンサムを真っ直ぐと見据える。

 

 「生者共が住まうプレイフォートという国は貴様も知っているな?」

 

 その名を聞いて、アンサムの心臓が跳ね上がる。

 

 幻覚か、表情のない骸骨が笑ったように見える。何か、不味い気がする。

 

 「生者共の営みなど、我はまったく興味はない。だが、生者――とりわけ人間共が持つ力には興味がある。…………我ら魔物は道具を使うスキルを手に入れる事が出来ない。それは知っているか?」

 

 「……耳にしたことはあります」

 

 魔物は何故か道具を使うスキルを手に入れることが出来ないようだ。そのため、剣術などを扱えたとしてもスキルはいくら修行をしても手に入れる事は出来ない。

 

 「だが例外はある。ここにいるウィリアムは『剣術』系のスキルを持っている。本来あり得ないが、貴様ら人間が考えた疑似進化の法を持って『ナイト』という存在に進化したのだ。それによってスキルを手に入れた」

 

 「…………」

 

 ――人間は進化しない。それどころか、魔物達が普通に聞こえているという『天の声』が人間には聞こえない。だから人間はレベルアップしたとしてもスキルを得たとしても、何らかの方法で確認するまで知ることが出来ないのだ。

 

 だが例外として、勇者のような特殊な存在やバックアードが言ったように魔物の進化を元に開発された『疑似進化』をすることによって天の声を聞けるようになる。

 

 ただ進化と言っても、魔物のように姿形は変わらず進化と同時にスキルをいくつか手に入れるだけのものだ。ただそれでも人間には十分な恩恵だ。

 

 「生者――とりわけ人間共は弱い。知能が高い以外は戦うための身体的特徴がない。だがそれ故かあらゆるスキルを手に入られる。そして進化で最上位ともなれば、場合によっては魔王に匹敵する力をも手に入れられると聞くな。……それは疑わしいが」


 アンサムの息がやや速くなる。目が自然と動く。視界に捉えたバックアードは落ち着いている。ウィリアムというゾンビがわずかに腰の剣に手を当てている。

 

 アンサムは腰に差しているナイフに意識を向けた。

 

 「……して、『パラディン』という光魔法を全般的に扱える規格外のナイトが存在する。ウィリアムもそれを狙っているが、魂の壊れたアンデッドは何分上手く成長出来ぬ。……ところでだが、我が欲するのは、結局の所、光の種族ではなく『光魔法のスキルを扱える者』だ。この意味が分かるか?」

 

 「……。……すみません、分かりません」

 

 アンサムが搾り出したような声にバックアードが愉快そうに笑う。

 

 「そうか、分からぬか。貴様は中々優秀だと思っていたのだがな。まあ、だが特別に答えてやろう。光の種族ならば増やすことも可能で安定して光魔法の研究が出来るから欲しているのだ。しかしそれが叶わぬなら、代用出来るモノが手に入ればよいのだ。――ところで先ほども言ったが、我は生者の技術以外に、さしたる興味はない。だが、興味があるものを調べていくうちに生者共について知ることはある」

 

 もはやバックアードに怒りの色はない。だが、アンサムにとって状況は最悪に向かっている。

 

 「プレイフォートの第一王子にして『パラディン』アンサム・レバールド。――聞くが、奴隷商人、貴様の名は一度聞いたことがあったな。だが全てではない。……アンサム、貴様の全ての真名を口に出してみよ」

 

 「……生憎、ですが私は、王子などではありません。そもそも――」

 

 「我を甘く見るなよ。第二王子が罪を犯し放逐されたことは知っておる。行方は不明だそうだが。……貴様のスキルを見ても大したものは持っていない。いや、逆に『何も持ってなさすぎる』。……我は魂についての知識が多くある。呪いにもな。……貴様の今の役割は、『奴隷商人』と言ったところか。確かに魔物相手の取引となれば死ぬ可能性があるだろう。……しかしもし、死なずに、その役割がなくなるとどうなる? 続けることが出来なくなれば? 貴様は新たな役割を求め、『主人』の元へ戻らねばならぬだろう。――そこで、だ。我の配下を貴様につけ、役割をもらうところで姿を晒した貴様の弱体化した『本体』を攫えば、……どうなる?」

 

 「――っ!」

 

 瞬間的にアンサムの身体に悪寒が走り抜ける。

 

 アンサムは一瞬にして踵を返し、ドアを蹴破り廊下に飛び出た。後ろからウィリアムが走り寄る音が迫ってくる。予想以上にウィリアムは速い。アンサムの視界の隅に、串刺しにようと剣を引いている姿があった。

 

 アンサムが、しゃがむとちょうどその真上を必殺の一撃が通り過ぎる。

 

 避けることは出来たが、ウィリアムは止まらず『剛力』で無理矢理、剣を振り下ろす。しかしその前にアンサムは見た目に寄らぬ軽やかな動きで床を蹴って前に跳び、紙一重で躱す。そのままアンサムは前転すると勢いを殺さず走り出した。

 

 ウィリアムの剣は床に深々と突き刺さってしまう。無理矢理、引き抜き、アンサムの後を追う。

 

 「逃がしはしない」

 

 「俺を殺しちゃ不味いんだろうが、ボケが! もう少し手加減しやがれ!」

 

 「致命傷は避けている。たとえ傷を負ったところで縫うか焼くかすれば問題ない。背骨が砕けて歩けなくなっても、最低限生きていれば問題ないだろう」

 

 「くたばれ腐れ死体が!」

 

 アンサムが全身全霊の悪態をつき、廊下を全力で走る。わずかにウィリアムの方が速いが、距離はそれなりに稼げた。外に出るまでならば、十分だ。

 

 (クソが! ここに来て、これか! どうする? 外に出ても恐らく――)

 

 ちょうど外から仲間達の悲鳴が聞こえてくる。外から感じる気配には仲間達以外のものが無数にある。確実に地面に潜っていたゾンビ達だろう。アンサムが廊下に出たと同時に、バックアードが遠隔で指示を出したに違いない。逃げることが不可能なほど囲まれていることだろう。

 

 「馬鹿共! 屋敷に向かって死ぬ気で走ってこい! 中ならゾンビもわかねえ!」

 

 アンサムは外に向かって声を張り上げる。今、出来るのはこれだけだ。

 

 立ちはだかるスケルトンを蹴散らし、襲い来るゴーストを即座に発見して接近する前に魔法を詠唱し、消し飛ばす。

 

 バックアードが言ったようにアンサムにはスキルはほとんどない。だが、魔法の詠唱はスキルがなくとも出来るためその力を持ってして対応している。

 

 瞬時の判断、行動によってギリギリの綱渡りを成功させていた。

 

 (ホールで後ろの野郎の対応だ。……馬鹿共が二、三人屋敷に入ってくれば、扉の封鎖に二人、余りがいれば上手くすれば、あいつと戦える。……期待は出来ねえけどな)

 

 どっちにしてもどん詰まりだ。ここを生きて脱出するためには、最低でもウィリアムを即座に倒し、かつバックアードの追撃を躱す必要がある。そして、この屋敷の敷地外に出るためには大量のゾンビの対応をしなければならない。無茶も良いところだ。

 

 アンサムがホールに飛び出ると、階下にて数人の仲間が必死に扉を抑え付けている。扉越しに開けてくれと叫ぶ仲間の声がするが、開けようとしない。そのうち、声が助けを乞う叫びから苦痛の絶叫へと変わる。

 

 そもそも中にいる者達も完全に手負いだった。至る所が噛み千切られ、掴まれてへし折れられた四肢、このままでは彼らもすぐにアンデッドの仲間入りするのは目に見えていた。

 

 少なくとも戦えるような状態ではないのは一目瞭然だった。


 (……終わったか。あいつらはともかく俺は捕まれば殺されないにしても、洗脳か何かで自由意志は奪われるだろうな。……はっ、そんで『あの馬鹿』が攫われた後で、スキルを定着させるために俺は殺されて終わるんだろうな。……つくづく運がねえ人生だったな)

 

 以前も第一王子でありながら、無能力故に王位を継げないと言われていたほどだ。才能があった第二王子に無能な第一王子。それを努力でもって覆し、ようやく手に入れたと思った幸せは、容易く奪われることになる。

 

 (……本当にクソッタレだな)

 

 アンサムは階下に降りて、ホールの真ん中で振り返る。後ろで仲間が泣き喚いているが無視だ。役に立たない上にゾンビになる運命だが、少しは保つだろう。ならば気にする必要はない。

 

 ウィリアムがゆっくりと降りてくる。もはやアンサムに逃げられる心配はないからだ。彼にとっては時間をかけるほど自分達が有利になっていくのだから。

 

 左右の一階の通路前にはスケルトンやゴーストが多数集まり、道を塞いでいる。

 

 アンサムは、屋敷内にはウィリアム以外のゾンビはあまりいないのだな、と今は割とどうでもいいことを考える。たぶん外の方が役に立つのと、屋敷内をあまり汚さないためだろう。腐らないと言っても血肉をぼたぼた落とされるのは嫌なのだろう。現にこの屋敷は意外にも綺麗だ。ゾンビが窓を割って侵入してこないのはそのためだろう。

 

 アンサムは口の端を曲げ、一階に降り立ったウィリアムに向かって不適に笑う。

 

 「絶体絶命っていう言葉が似合うよな、今の俺は」

 

 「苦しみたくないのなら、観念するんだな」

 

 「生憎だがしねえよ。俺は物心ついた時から、死ぬまで生き足掻くって決めてんだ。泥啜ってでも、絶望的でも、奇跡でもなんでも信じて終わる瞬間まで足掻くつもりだ」

 

 「無駄なことだな。この瞬間でどんな奇跡を期待する? 奇跡とは可能性があってこそ初めて起きる。可能性がなければどうやっても奇跡は起こらない。この死者が彷徨う死の空間において、生者が生者でいられることなど皆無に等しい」

 

 ウィリアムが剣を構え、刺さるような強い敵意を露わにする。

 

 「そのちっぽけなナイフで私を倒すことが出来るのか?」

 

 「ナイフでも、てめえの脳みそ貫くことも、首切り落とすこともできんだよ。可能性はゼロじゃねえ」

 

 アンサムはナイフを片手で構える。

 

 ――すると足元でパキパキ、とガラスの破片を踏み潰す音が鳴る。だが、気にならない。いや、意識に入って来ない。不自然なほど。

 

 そもそも屋敷は意外にも片付いており、先ほどまでガラス片など落ちていなかった。

 

 気にならないことに、わずかに気付いたアンサムは、――つい笑ってしまう。

 

 アンサムのその所作にウィリアムは表情は変わらないが怪訝な雰囲気を表す。

 

 「何が可笑しい」

 

 「……何でもねえよ。そう『何でもない』んだ」

 

 アンサムの視界内で、人型の何かが走る。けれどそれが何か認識出来ない。視界に入っているのに気にならない。音もたてているはずなのに、それが行い発する全てが何故か意識から外れてしまう。

 

 「何を――――――?」

 

 ウィリアムが警戒するが、意味が無い。いや、もう何も出来ない。何故なら、すでに彼の頭は胴体と別れを告げてしまったのだから。

 

 しかし、それすらも気にならない。ウィリアムの身体が床に伏すがこの空間にいる誰もが、何が起こったのか認識出来なかった。ウィリアム本人であっても、だ。

 

 ――だが、情報の嵐はすぐにやってくる。

 

 出入り口付近の窓が割れ、誰かが侵入したこと。その侵入者が最短距離をもって、ウィリアムの背後に回ったこと。そして、ウィリアムの首が侵入者が手に持つ得物の一振りで切り落とされたこと。そのすべてがこの場にいる全員に知れ渡る。

 

 『侵入者』――獣耳を生やした少女、フェリスを認識することが出来るようになることで。

 

 フェリスの姿を確認したアンサムは、笑った。

 

 「ずいぶんやんちゃなお姫様が現れたもんだな」

 

 「姫様言うな。……てか、やっぱその姿なのにその口調……魔女さんの言う通りなんだ」

 

 フェリスがダガーの血を払い、アンサムを見ながらため息をつく。

 

 「まあ、なんか今のお前、色々と面倒臭いみたいだから言及はしないよ。ここに出発前に魔女さんが注意してくれたし」

 

 「そりゃあ有り難い。下手に暴かれると、俺は『対応』しなきゃいけないもんでね。つーか、魔女ってあの化け物と会ったのかよ」

 

 「化け物って……。それよりももうちょっと粘れなかったの? 『狩人ノ極意』もう使えないんだけど。『獣化』は魔力一回分はあるから使えるけどさ」

 

 アンサムとフェリスは背中合わせになりながら、怒り狂い喚くアンデッド達を見据える。

 

 「無茶言うんじゃねえよ。お前こそ、温存して奇襲しろよ」

 

 「ゾンビの索敵能力舐めてかかれって? そんなことしたら、頭と身体がさようならしてたのボクの方だっての」

 

 ふんっと鼻を鳴らすフェリスにアンサムは、口の端を持ち上げて笑う。

 

 己の力を過信しないこのワーウルフの少女は、やはり好ましい。実際の所、あの場であの『力』を使っていなかったら、フェリスは生きてはいなかっただろう。

 

 フェリスはウィリアムを簡単に倒したように見える。だが、ウィリアムはゾンビらしからぬ素早さ、技術を持ち、ゾンビとしての高い索敵能力と不死性をも備えていたのだ。真正面どころか普通の奇襲を仕掛けたところで、絶対に勝てなかっただろう。

 

 そんなウィリアムを一撃にて戦闘不能にしたフェリスが持つ『狩人ノ極意』というスキルは、使用者や使用者が行った全ての現象の結果を他者が認識出来なくなる、という力だ。姿は消えない。音も発する。だが、そのどれも誰一人として認識することが出来ないのだ。ただし『結果』が使用者から離れた場合などはわずかながら認識できるようにはなる。それでも違和感程度だが。

 

 そんな強力なスキルではあるが、その分、内在魔力を恐ろしいほど消費する。現在のフェリスでは、保って十秒使えれば良い方だ。

 

 幸い内在魔力を消費しない状態でも、少しだけだが認識阻害はし続ける。だがあくまで気休め程度だ。そうでなければ王種と言えど、キングフロッグなどすぐに撒けていただろう。


 「おい、そいつさっさと踏み潰せよ。お前なら噛まれても問題ねえだろ」

 

 アンサムは向かってくるスケルトンを砕きながら、頭だけになったウィリアムを顎で指す。

 

 「うっさい、お前がやれ。――まあ、やめといた方良いと思うけどね、ボクは。そいつ光の種族だし、あの子の知り合いかもしれないし。もし殺した後、知り合い――どころか家族だったら、こっちが殺されるよ」

 

 フェリスはゴーストが無数に飛ばしてくる武器を軽く払い、時に掴んで投げ返して違うアンデッド達を葬る。ただフェリスは魔法を使えないため、ゴースト本体を倒すことが出来ない。そのため苛々しつつアンサムとスイッチして倒してもらう。

 

 「やっぱあのチビ助保護されてんのな。どうだ、仲良くしてるか?」

 

 「お前のこと話したら殺されかけて嫌われた」

 

 「笑える」

 

 「くたばれ」

 

 軽口を叩きながら、二人は着実にアンデッド達を減らしていく。

 

 だが楽勝に見えて内心、二人は緊張していた。切り札を失った状態で、すぐにでも最大の脅威と対峙しなければならないかもしれないのだから。


 そして『それ』は現れる。

 

 「……これは……」

 

 バックアードはわずかに浮遊しながら、二階の踊り場につき、眼下のフェリスとアンサムを見やる。視界の中に、頭と胴体が別れたウィリアムや倒された他のアンデッド達を確認し、怒りで歯を軋ませた。

 

 「貴様ら、よくもここまで暴れてくれたな。覚悟は出来ているか?」

 

 「残念ながら出来てねえよ。ちなみに見逃してくれたらこれ以上は何もしねえが」

 

 「ほざけ。貴様は、我が糧になってもらう。その運命は変わらん」

 

 アンサムは苦笑するしかなかった。結局、生きてここから脱出するにはバックアードをどうにかするしかないらしい。アンサムは小声でフェリスに話しかける。

 

 「こんな中、助けに来たのはなんか考えがあるからだろ? どうすんだ、こっから」

 

 「一応、アハリートっていうゾンビがボクと一緒に来て、ボクが救出でアハリートがあいつを倒す予定だったんけどね。けど色々と問題が発生しちゃってさ、来れなくなっちゃったの。……だからギリギリまで待ってたんだけどなあ」


 少し遠い目をしてしまうフェリスだ。


「まあ、そっちが問題なく屋敷から出てきてくれたら良かったんだけどね。もっと頑張れよ」

 

 「そんな簡単に事が上手く行ったら、人生楽しいことだらけだったろうな」

 

 フェリスはアンサムが殺されそうになっていたから助けようとしただけのようだ。実際は殺されることはなく、悪くて洗脳される程度だが。最終的に殺されるにしても、猶予はあるはずだ。

 

 ――そう考えると、捕まってしまっても問題ないのではないだろうか、とアンサムは少し思ってしまう。ただし捕まった後にどんな洗脳をされるかが分からないのがネックだ。精神を壊されてしまったら下も子もないため、わざと捕まるのは最終手段と言えるだろう。


 「アハリートは来るって約束はしたから、いつかは来るとは思うよ」

 

 「その『いつか』が『いつ』なのかが問題なんだけどな。数日保つと思うか?」

 

 げんなりするアンサムの視線の先で、バックアードの周囲の魔力濃度が上がっていく。濃度的に物体をいくつか造るようだ。規模が中々大きく数も多い。そのため、顕現した魔法を放てばホールが半壊する可能性があるが、気にしてはいないようだ。かなり怒っている、ということになるのだろうか。

 

 反撃をしたいが、生憎とアンサムとフェリスには即座に放てる強力な遠距離攻撃出来る術がなかった。ならば接近戦をと真っ直ぐ階段を上って行ったら、良い的にしかならない。

 

 「――《氷精よ。槍となりて空を舞い、我が敵を刺し貫き給え。汝が地に墜ちし時、その凍てつく身を砕き敵に災いを与えよ》」

 

 バックアードの周囲に顕現する氷の槍。槍というには荒々しく無骨ではあるものの、先端は尖り、その身は大きい。その巨大さも相まって突き刺さろうものなら、身体に致命的な風穴が空いてしまうだろう。

 

 それが十数個以上浮かび、鋭利な先端がアンサムとフェリスを狙う。

 

 それは解き放たれた矢の如く、二人に襲いかかってくる。

 

 二人は左右に跳び、躱す。背後でかろうじて生きていた奴隷商人達の断末魔の悲鳴が響き渡った。さらに壁や床を穿つ氷の槍は、ものの一瞬で爆発し、氷の礫として追撃してくる。

 

 氷の礫は拳大ほどで、爆発の威力もあり、まるで散弾銃のように隙間なく襲う。

 

 二人は捌こうとするも、限度があった。

 

 フェリスはとっさに腕のみを『獣化』させ、身体を丸めて腕を盾にして急所の攻撃を耐え凌いだ。それでも強烈なダメージを受けてしまう。

 

 アンサムは氷の槍の性質をすぐに把握し、距離を取ったものの防ぐ手段がなかった。そのために、全身を礫に打たれてしまい打撲により満身創痍になってしまう。

 

 幸いまだ動けるものの、ダメージを諸に受けた部位は痛みで震えて使い物にならなくなっている。なんとか後ろから襲いかかってきたアンデッドの相手は出来ているものの、ギリギリの状態だ。

 

 アンサムとしては一撃でこれとは、正直やっていられない気分だった。威力もさることながら、精度も高かったのだ。飛来してくる氷の槍は、偏差はしてこなかったものの寸分違わず狙ってきた。さらに礫はアンデッドを避けて全てアンサムとフェリスのみを狙い撃ちしてきたのだ。

 

 ――それは遠くのアンデッド達はもちろん、アンサム達の近くにいたウィリアムもだ。礫の欠片一つ当たった様子もないのだ。

 

 そしてそのウィリアムの頭部は動けぬ間にゴーストの一体によって回収されてしまう。

 

 ……ウィリアムは意外に大切にされているらしい。盾にしていれば、身を守れた可能性がある。今更、後の祭りではあるが。

 

 ――すぐに追撃は来ない。

 

 何やらバックアードは部分的に『獣化』したフェリスを興味深げに眺めている。

 

 「……『獣化』の出来る獣人とは珍しい。『病持ち』か? だが力を使い慣れているとみるに種族としての特権――スキルは妨害されて見れぬが――なるほど、この近辺でそのような獣人は、()()()()()()()()()()()()()()か? 確か特殊なスキルを持っていたらしいが――あれも貴重ならば生かすべきか。……増やせるなら増やすが――さて、あの『病持ち』の増やし方はどうだったか。同種かベースとなった獣とまぐわわせればいいのだったかな……」

 

 ブツブツと呟くバックアードの声は、フェリスの耳にも微かに届く。その内容に、さぁと顔色が青くなってしまう。殺されにくくはなったようだが、捕まったら最後、知的生物として尊厳をとことん貶められることが決定したのだから。

 

 アンサムはバックアードの声は聞こえなかったが、バックアードの性質とフェリスの反応から大体を察した。

 

 フェリスがちらりとアンサムに視線を向けてきた。なので、アンサムは痛みに耐えながらニヒルな笑みを浮かべてみる。

 

 「良かったな、死なずにすみそうじゃねえか。一緒に捕まるか?」

 

 「ボク、お家帰るぅ……」

 

 半泣き気味のフェリスだったが、どうしようもない。

 

 バックアードを倒さなければならないが現状、逃げるのはかなり難しいだろう。バックアードに対して一瞬にして近づく、もしくは強力な遠距離攻撃がない限りは一方的に攻撃を受けるだけだ。

 

 唯一、対抗出来るフェリスの『狩人ノ極意』は今使ったとしても発動時間が一秒切ってしまう。

 

 万事休す。

 

 このまま時間をかけていけば、バックアードは難なく二人を消耗させ捕獲が出来る。そのため、バックアードは焦ってはいなかった。ゆっくりと着実に、事を完遂させればいいのだと。

 

 実際にバックアードのやり方に間違いはなかった。

 

 誤ったただ一つの点は、――『凶悪な援軍』が訪れると露と思わなかったことだ。

 

 アンデッド達が迫り来て、アンサムとフェリスは先ほどと同じようにホールの真ん中で背中合わせになる。


 ただただ追いつめられていくだけであった。そんな中、この場で今もっとも知覚能力が高いフェリスの獣耳がピクン、と動く。


 「――なんの音――魔女さんの声? ――避けて? ――――――え、ちょ――」

 

 一瞬、視線は上に、次に顔がやや困惑と恐怖の強ばりを見せて――とっさにアンサムを抱きかかえてその場から飛び退いた。

 

 ――瞬間。

 

 どごぉん、という轟音と、がっしゃあん、とシャンデリアが叩きつけられる鋭い音がホールに鳴り響く。

 

 「何事だ!」

 

 バックアードの視界は土埃で覆われていた。

 

 ――何か天井を突き破って降ってきた。それは分かった。屋根に大きな風穴が開き、そこから月明かりが照らしていたから。

 

 最初に落ちたモノは土埃が舞っているせいで見えない。だが、二つ目のものは確認できた。

 

 「……ゾンビ?」

 

 天井の穴から、ゆっくりと、本当にゆっくりと俯せ状態のゾンビがくの字に折れ曲がって降ってきた。意味が分からないが、まさに言葉通りの光景がバックアードの目に映る。


 ……ゾンビが降りていくほど、不自然なほど、共に土埃が床に沈んでいく。

 

 土埃の晴れた先に、降ってきたゾンビ以外の人影があった。

 

 そこにいたのは、バックアードにとって忌まわしい存在だ。

 

 ――古の魔女、リディア。

 

 その魔女はくの字に折れ曲がって倒れ伏しているゾンビを隣にして、にっこりと笑う。

 

 「どうもお久しぶり。ご機嫌麗しゅう?」

 

 「どこまでも忌々しい……」

 

 対してバックアードは腹立たしそうに歯を軋ませる。

 

 ……戦いは最終段階へと進むことになる。

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