第四十一章 変化できる不死の最悪な戦い方
妹さんが鼻にシワをものすごい寄せて咆吼を上げながら、突撃してきた。俺はというと、怒ったり、悲しんだり狂ったように笑ったりしている他の胴体達が勝手に身体を動かして、妹さんに突撃してかち合うのを眺めていた。
はい、どーもアハリートです。正気を取り戻した途端にこれですよ、ビックリですわ。
《マスターマスター、もしもーし》
(もしもーし)
《あっ、まともになった?》
(おれはしょうきにもどった!)
《駄目そう……》
大丈夫ですよ。
と、まあそんな軽快な会話をしつつ、俺は妹さんとのオートバトルを眺めていた。割となんとか死なないで戦えている。
若干ながら、防御力っていうか弾力が上がったっぽくって、ぶっ叩かれてもさっきみたいに削がれずに、ぶちゃ、ぐちゃあ、と内部がぐっちゃぐちゃになるだけだ。そのおかげで戦い続けることが出来るようになっていたのだ。
……いやしかし、この身体が勝手に動くの、本当にどうしようね。意識はあれど、制御が利かなくなっている。なんというか、俺も身体を動かせるけど、たくさんの他の意思が好き勝手にやってるせいで、俺の行動が反映されにくくなっているのだ。
(……俺の近くに咲いてる胴体には魂があるけど……壊れた感じ……俺とは全く違う? 何これ? なんか俺とは独立してる?)
《進化で手に入れたスキルに『魂隔離』っていうのがあるから、それだと思う。一つの身体に別の魂を隔離しておけるスキルっぽいね。あと『同期』っていうスキルも手に入れたから、身体とかスキルを別の人が動かしやすくなってるんだと思う》
(……うーん、そうかあ。でもこの人ら、誰? 豚は………………なんでいるの?)
うんち、ぶりぶりしてぷぎぷぎ鳴いている。しかも、必死に足をパタパタさせてるんだけど宙に浮いてるから、歩行になんら関与してないし。なに、この無駄にシュールな癒やし要素。
《豚は知らない。他のは……マスターが取り込んだ魂とか取り込んだ魂が取り込んだ魂の断片とかじゃないかなあ。ただの断片の断片が生きた姿を気取ってるだけだと思う》
(出来の悪いコピーみたいな感じ?)
《そういう感じかな。……もしかしたら、生きている人の魂を引っこ抜いて自分の身体に保存とか出来るかもね》
それはえぐいな。助けられないのに、助けたい、手を出せないどうしようもない人質じゃん。――どんな時代でもやっちゃいけないような倫理観から外れた行いだけど……モンスターとしての振る舞いとしてはちょっとだけ憧れるものがある。
(にしても、レギオンってヤバいなあ。王種以外まともに相手出来ないじゃん)
《さすがにここまでじゃないよ。弱い人じゃ倒せないのは、当然だけど、戦意喪失するほどじゃないから。……『精神波』と……たぶん『同期』のせいで相手に防御不可の『精神汚染』してるんじゃかなあ。感情スキルとか精神を保護、強化するスキルがないと近くにいるだけでマスターに取り込まれようとしにきちゃうかも》
えげつねえ。我ながら恐ろしいんだが。
ラフレシアの言うとおり、俺らの周辺にいる奴らは戦いを止めて、俺を崇めるように見つめている。ビビりながらも擦り寄ってきてるから、リディアが止めていなかったら、敵味方問わず俺に取り込まれていただろう。
(ところでこれ、どうすればいいの? 制御全然出来ないんだけど)
《正気に戻れば本体だし、なんとか出来ると思ってたけど、見込みが外れちゃった。うーん、完全に独立してるから……改めて支配してみる?》
(『侵蝕』……は効きそうだけど、動きが鈍くなるからな。……ワームくん?)
「ぎぎぃ!」
鹿骨頭を開けて、にょきっと出てくるワームくんだ。
俺は元気よく出てきたワームくんをなでなですると、なんとも嬉しそうに身体を震わせる。
(おーよしよし、良い子良い子。ワームくんにお願いなんだけど、誰かの体内に入って操ってくれない?)
「ぎ? ぎぃ!」
首を傾げ、すぐに元気よく頷いてくれた。
ワームくんはすぐさま、体内に引っ込むと近場にいた一人に潜り込む。――と、ワームくんに入られた奴は、びくんとおおきく身を震わせ、大人しくなった。
(あらあら、ワームくんの耐性がないみたいだな)
《マスターと同一ではないみたいだね。あくまで本体を移せる器、みたいな感じなのかも。これならいけるかな?》
(出来うる限りワームくんを増産して宿していくか。独立してるなら、ワームくんの相互干渉もしないかもしれないし。材料的に全員は無理だろうけど、半分以上制御を奪えれば……俺の思うとおりに動かせるかも)
妹さんに殺されるか、殺してしまう前にどうにかせんとね。ただ、どっちも難しいかも。弾力が増したおかげでとにかく耐えられるのだ。肉を削がれて落とされると補填だけで再生出来ないけど、潰されるだけなら多少のロスはあれど、ほぼ完璧に再生出来る。
んで、攻撃に関しては元の攻撃力があんまり上がってないから、頑丈な妹さんを倒すには至らない感じ。
電撃、毒、触手巻き付きと頑張ってるようだけど、大したダメージはないんだよね。リディアのやべえ重い黒球を素で耐えてたっぽいから、納得は出来るんだけども。
ロケットの速度で直撃させれば骨は折れるだろうけど、脊髄砕いたっぽいのに動けてるから再生力も中々なもんらしいんだよね。
ちなみにこの間に、レギオンになった際のスキルをラフレシアから教えて貰った。なんと今回、統合スキルを手に入れたらしい。それが今さっき言った『同期』だ。『五感共有』と『スキル共有』も一緒に統合されたらしいよ。効果は同一体、もしくは近しい存在と様々なものを共有することが出来るスキルみたい。ただ、ラフレシア単体で俺のスキルが使えたりするもんじゃないみたいだから、多少なりと個々の適性に左右されるのは相変わらずみたいだけど(胴体達はそれなりに強い効果で使えている)。あとこのスキルのおかげでもしかしたら無条件で本体である俺はこの数ある胴体達に魂を移動出来るっぽいね。
他には『弾力強化』『魂隔離』『魔力吸収』『過剰生成』がある。『弾力強化』はそのまんまで、『魂隔離』もまあ、そのまんまだ。『魔力吸収』は、他人の魔力を奪うスキル――ではないらしい。あくまで大気中の魔力の吸収効率を上げるスキルっぽいな。『過剰生成』は……これは今現在、下半身内でポコポコと生成される魂とかだと思う。でも肉体に宿らないフリーの魂だ。
……胴体の数とかに制限があるのかな? 一定以上に胴体が増えることはないんだけど、殺されてしまうとその肉体が吸収されて再度違う肉体が生えてそこに新たな魂が加えられている。
……うーん、下半身にある身体達には(豚も)魂がないんだよな。下半身内には魂がたくさんできあがってるんだけど、その身体達に宿る様子はない。……レギオンにも一応のルールみたいなのがあるのかな。
あ、あと『異空ノ猟犬』っていう最上位スキルを手に入れたらしいね。んで、ラフレシアいわく、手に入れたということは特殊効果を使えるかもしれないってさ。同様に『死神ノ権能』の特殊効果も使えるようになったかもだって。まあ、効果分からんうちは下手に使えんから、妹さんには使わん。即死効果だったら目も当てられんし。
そんなこんなで俺が半数以上の胴体にワームくん達をぶち込むと、ようやく動けるようになってきた。
さてさて、どうしようね。
(声がけする?)
《出来ればマスターの声でね。私だとこじれかねないし》
魔族はタイタンと敵対してただろうし、妖精とは間近で接触することはないにしても声は知ってるっぽい感じだったからね。
でも、俺の声は怯えさせるから頑張って『鬼胎』を止めないといけない。うーむ、ラフレシアにも協力してもらうか。ただ、俺と同様にラフレシアもパッシブ系のスキルを止めるのは出来るけど、止め続けるのは難しいらしい。
(『鬼胎』止めててくれる?)
《いいよ、面倒臭いけど。ただ『脱糞』を隠せなくなるんだよね……》
まだやってたんかい。……それ隠せなくなると、俺の横に張り付いてる豚のうんこが増すのかな。どうなるかつぶさに観察するか。無駄に耳と目が増えたし(実はぐちゃぐちゃな感情も常に感じていて、滅茶苦茶面倒臭い感じになっております)。
《はい、やったよ!》
(どーも)
さて、声をかけられるわけだけど、何を言おう。
率直に言うべきかな。怒り狂うかもしれんけど、妹さんの子供の名前も聞いてきたし、もしかしたら手を止めてくれるかも。
「止まれ、ブラーカー! あんたの子供は保護した! 今、あんたの姉のフーフシャーが連れてきてる!」
助けた人数は言わん方が良いね。攫われる前には、十人くらいいたらしい。半分になってるその意味を理解されたら絶対激昂するだろう。
妹さんの瞳が一瞬、動揺するようにブレる。けれど、本当に一瞬だけで低い雄叫びを上げて、鹿骨頭の俺を叩き潰してきた。
潰されちゃって、魂が別の肉体に移る。本当に核がないっぽいな。それに全ての身体と視界含めた全ての感覚を共有しているためか、魂が移っても混乱することはない(別の感覚ふらつきそうにはなるけど)。
「話を聞け! 一旦手を止めろ! お前が暴れてるから近づけないんだ! この無駄な争いを長引かせるほど思うつぼだぞ! また奪還されるかもしれない! ――お前自身があの子達を殺すことだってあり得るかも知れないだろ!」
ダミ声だけど、『言霊』のおかげで意味はしっかりと相手には伝わるはず。
俺の言葉に対して妹さんは――、
「黙れぇええええええええええええええええええ!!」
思い切りぶっ叩いてくる。今度は胴体まで一気に削がれるように潰される。力も格段に上がった。恐らく、身体強化のスキルを使ったんだろう。――幸い、攻撃を当てられたらそこからダメージが伝播して、という効果はないっぽい。
《たぶん強化スキル使ってるから、無理せず『私を使うか』、本当に危ない時は最上位スキルの特殊効果使って!》
(最上位スキルは、どっち良さそう!?)
《攻撃なら『死神ノ権能』、避けるのなら『異空の猟犬』! どっちも効果は予測がつかないけど、そんな感じだと思う! 『死神ノ権能』は良くて廃人か最悪殺すかもしれない!》
むむ、それだと『異空ノ猟犬』以外にないかなあ。でも、『異空ノ猟犬』もダメージがないとは言い切れないんだよなあ。空間削り取って移動とかありそうだし。少なくとも最上位スキルの特殊効果は『強制的な力』であるから、どんな効果だろうと絶対に効くと思って良い。ただ、燃費が身体強化スキル以上の悪さだから、連発は出来ない(そういうこともあるから、妹さんは使わない可能性が高い。追いつめすぎれば別だけど)。というか俺って魔力切れ起こすとどうなるんだろうね。供給を絶たれた時と一緒かな? それとももっと悪い?
――うーむ、なんであれ、動作確認ってやっぱり大事だね、っていう話になる。
とりあえず、即座に分かたれた胴体を接着する。胴体の胴体達も死にたくないようで、互いに手を伸ばして癒着してくれていた。これぞオートリカバリー! ちなみに豚は相変わらず脚をバタバタさせていた。うんこも多くなった。老廃物出すのは構わないけど、あんまり血肉を消費しないでね。
――ちなみに妹さんとの対話については、手応えはある。少なくとも『意味のある言葉を返してくれた』から、しっかりと届いてくれているみたい。
「この先は人狼の国だぞ! お前が死ななくても、お前の仲間が死ぬぞ! ここに来るまでどれだけ失った! これからどれだけ失うつもりだ! 周りを見ろ! そして考えろ!」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!! 待って、死んだ! 邪魔するな! 取り返す! 一部でも! 死んでても! 死体が、語るな!」
妹さんがボタボタと涙を流しながら慟哭している。
攻撃が激しさを増す。俺の全身がズタズタに引き千切られる。それでも俺自身や俺の身体が必死に繋がっていき、まだ死ぬことはない。
ちなみに一応、こっちからも攻撃はしている。けど、触手でぶっ叩いてもビクともしないし(巻き付いた方がマシだけど、他の奴は叩きたがって、全部の触手を巻き付けるのは難しくなってる)、『放電』しても口とかから煙は上がるけど、痺れもしないんだよな。毒も強酸とか神経系のやつ食らわせても普通に攻撃し続けるし。
極まった強化スキル持ちって、本当に面倒臭いな。
こりゃ勝てんな。
最悪、こっちの言葉が伝わらなくても良い。妹さんに全力を出させて、それを耐え凌げれば、たぶんいけるはず。
ただ、時間をかけられるかどうか微妙なところ。
(ラフレシア、ダラーさんとこは?)
《……交戦中。しかも『プルクラ』と。耐えてはいる》
ふー! 場合によっては、次の瞬間にアスカが飛んでくるかもしれないわけか。
(ラフレシアが入った『器』は?)
《とりあえず被害が及ばないところに放置してくれてる。――やっぱり転移には魔道具使うみたい。場合によっては私がそれを使うよ?》
(オーケー、魔道具なら可能性が出てきた。ならプランCで)
さーてさてさて、ダラーさんのところが駄目そうだったら、妹さんを通すしかないな。んでもって、リディアに着いてきて貰う。人狼達には悪いけど、そっちで頑張って貰おう。死体持って逃げ回ってるらしい吸血鬼をさっさと捕まえれば良いんだからな。
まあ、死体渡した後、どうなるかは不明だけど。
人狼の国、壊滅しちゃうかもね。あとさすがに妹さんの命もないか。
そういう意味ではフーフシャーさんにも悪いことしちゃう感じか。
止められなかったら、他方面に軋轢を生むかもしれんのか。いやー痛みがあったら、胃がずきんずきんいいそうー。
……もう、無理にでも止めるか? 物理的なものが駄目なら、心を折るぞ。
「そうして全部失いたいなら、頑張って俺を殺せ。けど、俺は死にたくないから、そっちがさらに攻撃したら最悪の方法でお前を止めてやる」
「あがぁあああああああああああああ!!」
妹さんが怒鳴りながら、俺を真ん中からぶった切ってきた。
繋がろうとするけれど、返す手で引き千切ってくる。あらまあ、やばい。半身を失っちゃう。
「後悔させてやる」
俺がそう言うと、俺の言葉を耳にした妹さんが本体が宿る半身を狙ってきた。吹っ飛ばして再生を阻害しようとしている。――ちょっと頭使い始めてきたな。
もしかしたら、子供を見たら止まるかもね。
だから――俺は、自分の周りに毛むくじゃらの小さな獣を作りだした。
「!?」
妹さんが、びたぁ、と俺を吹っ飛ばそうとしていた手を止めた。――あっ、良かった、ちゃんと似てたみたい。こんなこともあろうかと、子供達の姿を観察していたからな。
「っっっ!!」
妹さんが、ぎぎ、と歯を軋ませて子供達の姿を象ったものごと俺を叩き潰してきた。あらまあ、すごい。
まあ、再生するんですけどね、それも今度は子供の姿だけで構成された胴体を造り出す。
「――――!」
妹さんの動きが明らかに鈍る。
遅いよー。半身くっつきましたよー。
ちなみに半身の方にもポコポコと子供達の姿を浮き上がらせている。
うーん、良いね。以前は絶対に無茶苦茶に潰されるって分かってるから、こんな無茶出来なかったけど、簡単に死なないと分かってるならこういう精神攻撃を何度でも出来る。
……相手に何度でも最愛の人を殺させることが出来る。
《……悪趣味》
(上等ですわ)
物理で勝てないなら、精神攻撃しかないんですわ。
(『変声モード』で『孤苦零丁』の使用準備して。それが入った一部を飛び散らせるから。んで、その時に『鬼胎』解いて)
《気が重い》
ラフレシアがげんなりとしている。だろうね。今から本当に最悪なことするから。
「う、ぐ――あぁ――あぁああああああああああああああああああ!!」
妹さんの歯がガチガチと鳴っている。それでも必死に食いしばって、腕を振り回してきた。でも無造作で、今さっきの頭を使ったものとは違い衝動的で、感情的だ。
けれど、バーサーカーモードほど滅茶苦茶ではない。
それに妹さんは子供がついた部分を潰さず、千切るように手を当ててきた(たぶん無意識に避けた)。子供の胴体がついた一部が、遠くに転がる。よし、誘導する必要もなかったな。
んでもって、明らかに俺ですよー、という感じの鹿骨頭を造り出し、潰させた――その瞬間だ。
「いたぃ――い、たい――」
「!!」
『その声』を聞いて、妹さんが総毛立った。
俺を潰したところで手が止まり、声のした方を見てしまう。そこには下半身のない毛むくじゃらの子供が、血の尾を引きながら、ズリズリと近づいてきていた。
目から涙を、口から血を流しながら、妹さんに手を伸ばす。
「あぁ――やぁ――おかあ、さ――」
「はっ、はっ、はっ――!」
妹さんの息が荒くなる。――普通だったらすぐに振り払えた強制的な恐怖心だけど、今は無理だよね。
そして、妹さんの手に、ひたり、ひたりと小さな手がまとわりつく。
「うっ――!?」
思わず手を引くが――あえて脆く作っていたから、ブチブチと千切れて毛に絡まる。
「う、あ――」
恐ろしい、けど振り払うことが出来ない。何故なら自分の子供の腕なのだから。なのに引き千切ってしまった。
本物じゃないと分かっているだろうに、それでもあまりにも似ている――声に関しては本物そのものであるために、どうしても割り切れないんだろう。
「なん、で――? なん――」
子供が妹さんを見ながら、そう言ってパタリと力尽きる。開いた目はすぐに濁り――わずかに強くなる腐臭を発する。
明らかにおかしい。見たら分かる。――でも、心は正常に判断してくれない。
「う、げ、ぇ――」
妹さんの身体が蠕動し、盛大に胃の内容物をぶちまけてしまった。
嘔吐は止まらないし、身体はまともに動かない。なので俺はそんな妹さんにまとわりつくようにして全身を覆って拘束しつつ、首に触手を巻き付けゆっくりと締め付けていく。
たぶん今まで使っていた強化スキルも切れてしまったんだろう、割とスムーズに絞め落とすことができた。
ごぼごぼと喉から音を立てながら、妹さんが白目を剥いて倒れた。
しっかりと気絶を確認して、俺はすぐさま妹さんから離れる。俺の身体が何をするか分かったもんじゃないからね。
(いえーい、勝ったー)
《…………。マスターの今後の課題は、なんというか……もっとこう、真正面からガチンコして競り勝てる力を手に入れることだと思う》
(出来ると思う?)
《頑張って欲しいなあ、って思う。……リディアとか毎回引かせることになるよ?》
そう言われたので、リディアの方を見たら……はい、ドン引きしてました。それに一応、お母さんですものね、あの人。
《それでアレを見た上で訊くけど……今後の方針は?》
(マッチョになれるよう善処して頑張ります、とだけ)
まあ、出来ないことに越したことはないからね。でも俺にそんな力つくかなあ?
次回更新は11月20日23時の予定です。




