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転生したら、アンデッド!  作者: 三ノ神龍司
第一幕 死の森に生まれたゾンビと古の魔女
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第十四章 スキル確認

 お待ちかねのスキルかくにんーどんどんぱふぱふー。

 

 リディアに能力の詳細をしっかり訊いておいたよ。

 

 あっ、ちなみにだが、熟練度譲渡については分からなかった。リディアもそんな現象、聞いたこともないって言ってた。というか、熟練度って他人にあげられるものではないらしいし。レベルアップを強制的に起こす方法はあるらしいけど、それはなんか『妖精』っていう存在だけの特権らしいし。一応、調べるとは言っていたけれども、答えが見つかるとは思えないなあ。

 

 一体、なんなんだろう、あれ。可能性としては、この身体の持ち主である勇者の可能性があるけれど、どうだろう。ただあれ以来、接触らしい接触はない。ここまで関わってきたのなら普通に語りかけて来いよ、とも思う。

 

 おら、勇者よ、語りかけてこないとは情けない。

 

 ……………………何も来ない。こう、今も何もないからこそ、確実に勇者だとは言えないんだよなあ。やっぱ危なくて頭のイカレた神様とかだろうか。どっちにしろ嫌だな。

 

 まっ、何であれ『誰か』元凶がいやがるはずだから、見つけたら絶対に一度ぶん殴ってやる。それが純粋な善意であろうとなかろうと関係ない。……助けてくれたのは純粋にありがたかったし、感謝はしているけど。けど、勝手は許せない。せめて対話をして欲しい。不安になるし。

 

 んで、話を戻すがスキル統合については、特定のスキルを五、六種類以上集めることによって発生するらしい。

 

 少なくともこれに関しては悪いことではないし、能力が大幅に強化されたことを伝えたら、統合出来るならしちゃった方がいいかも、とは言っていた。

 

 ただ、進化にはどう影響するか分からないらしい。『吸血』とかを統合したら、吸血鬼の進化ルートがなくなる可能性もあるかもってさ。あと、統合されたスキルをまた新たに取得っていうのは不可能っぽい。

 

 うーん、でも、強くなるならやっぱりやっておくべきなんだろうなあ。

 

 ……無駄に悩むのはこれくらいにして、手に入れたスキルを並べてみる。

 


 属性『寄生者』

 統合スキル:『侵蝕』『潜伏』

 通常スキル:『怪力』『感染』『水泳』『聴覚強化』『振動感知』『治癒強化』『毒性強化』『気化散布』『吸血』『走行』『大声』『粘液』


 

 こんなもんか。


  じゃあ、『寄生者』についてだが、これ文字通り、相手の体内にて物理的に働きかけるスキルが覚えやすくなるらしい。

 そしてそれらのスキルを使った際、熟練度上限に達した時と同等の効果が得られる(効果の上限突破はしないようだ)。

 

 んで、デメリットは移動速度の低下。

 

 ……これ結構でかいかも。移動速度の低下のせいで、本来、『ランナー』は普通の人間と同程度の速度で歩けるのに、俺は進化前よりちょっと速くなった程度だ。

 さらに走った際、それなりの速度を出せるはずが、今の俺は五十メートルを十二秒程度という微妙な感じになってしまった。……あともう一つ、『潜伏』&『水泳』による地中移動も効果の範囲内らしく、少し遅くなってしまった。

 

 属性って一長一短が過ぎるというか、尖りすぎているというか……。まあ、これのおかげで助かったから文句はさほど言えないんだけどね。

 

 んで、次。統合スキルだ。

 

 『侵蝕』。これは触れた相手の身体を蝕み奪う能力だ。『侵蝕』が完了した部分は、相手の抵抗が一切なくなる。そして完全に肉体を奪ってしまえば、如何様にも好きに操れてしまうようだ。

 俺の場合、『寄生者』の効果があるから、完全に奪う前でも抵抗はほとんどされないし、ある意味最強だ。

 けど、それでもちょっと時間がかかるから無為に使用しても、普通に殴られたり蹴られたり斬られたりと抵抗されて引き剥がされてしまうだろう。

 ただ、奪った部分の主導権を俺から取り戻すのは容易ではないようで、持久戦に持ち込めば有利になるかも。

 

 また俺の肉体が欠損していた場合、他者の肉体を吸収すれば、自分の肉体に変換して補填出来るようだ。脆いゾンビの身体であるため、結構、これが重宝したり。

 また相手の身体で八割ほど自分の身体を作ると相手の身体的特徴をスキルとして奪えるらしい。奪う力を選べる訳じゃないけど相手の力を奪えるのは貴重だな。

 

 ああ、ちなみにだけど、統合された『溶解液』、パッシブじゃなくなったよ。好きに出せるようになったのだ。マジで良かった。使いどころは難しいけど、使いやすくなってくれて助かった。

 

 次は『潜伏』。これは潜る能力の特化系だな。統合に加わったのは『潜水』『潜土』『潜身』だが、訓練を積めば様々な物質に潜り込めるようだ。壁抜けも夢ではない。あと、今まで発動には手で掘るような動作が必要だったけど、今は沈みたい部分をくっつけるだけで良くなった。ただ、深度十メートル以内という制限は緩和されていない様子。

 

 それと何かに潜っている最中、『隠密』の効果がとんでもなく高くなるらしい。意識して身を潜めれば、見つかることもなくなるだろう。潜っていなくても、潜っている時ほどではないが、ある程度効果を発揮できるようでもあるらしい。

 

 ちなみに統合された『寄生』の効果は、他者の身体の中で生きられるようになるスキルだ。統合されたことにより、様々な物質の中でも短時間――一時間程度――生存が可能となるようだ。さすがに溶岩や硫酸の泉とかは無理だろうけど。

 

 本来ならこれ、呼吸が必要な生き物がこれを得たことにより様々な物質内でも生存が可能みたいな感じなんだろうけど、息をしない俺には必要なかったりする。他にも相手の体内で、免疫や魔力に攻撃されにくくなるらしいけど、そもそもそんなにしょっちゅう何かの体内に入るつもりないし。

 

 で、通常スキルだが、『怪力』『感染』『水泳』『振動感知』『聴覚強化』『治癒強化』はいいや。

 『怪力』はパワーがアップした程度だし。身体が壊れないことを前提とすれば、二百キロくらいは掲げられるんじゃなかろうか。だけど俺の身体的に、あんまり重い物は持てないから宝の持ち腐れだな。うむ、この『怪力』スキルを見るにスキル手に入れても、その力を発揮出来ないってありそうだな。

 

 『毒性強化』だが、これは毒系のスキルを任意で強化出来るようだ。ただ、単純に威力を上げるだけではなく細かい調整が出来るみたい。

 たとえば『感染』の場合は感染した後、症状を悪化させる単純な毒性の強化や、俺の体外に出てもしばらく効果を持続――汚染時間を長くさせられるように出来るらしい。

 微量の体液でも感染しやすくすることも出来るらしい。このスキルは対象となる毒の本来備わっている力を底上げする力のようだ。

 だからそれ以外の効果――痺れさせたり、腐らせたりなどは付加出来ないみたいだ。

 

 このスキルの対象となるのは毒系全般だ。『溶解液』も含まれる。『毒性強化』は結構、使える能力なので、毒スキルの取得を考えるのもよさそうだ。ちなみに強化は出来るが、弱化は出来ない。残念。

 

 『気化散布』は文字通り、液体を気化する能力だ。俺が直接触れている液体が限定だそうだ。ただ、相手に触れてミイラ化、とかは出来ないみたい。なんか内在魔力の影響がどうこう言ってた。そこら辺は魔法関連らしいから、とりあえず相手に直接的にスキルを使うのは難しいっぽい(『侵蝕』とはジャンルが違う、ともリディアが言っていた)。

 もしかしたら『寄生者』の効果で使えるかもしれないけど。

 

 『感染』を『毒性強化』して、その体液を『気化散布』とかも出来るようで、集団の中で使ったら一瞬にして大勢がゾンビ化するとか出来たり。やらんけど。

 

 このスキル、攻撃では『溶解液』との相性も良さそうだな。こちらも『毒性強化』と合わせれば、凶悪な範囲攻撃を行える。

 

 『吸血』は……うん、ただ血を吸いやすくなる技能的な能力だ。これと言って特徴はない。『走行』、『大声』も似たようなものだ。

 

 で、『粘液』だが、これは任意で体表にとろっとした体液を分泌出来る能力だ。とろみ具合も若干、操作可能で上手いこと使えれば、役には立ちそうな力だった。ただ、毒ではないので『毒性強化』には対応していないようだ。

 

 あとこの『粘液』任意で使えると言っても、油断していると手の甲や上腕、背中など、いわゆる固い方の皮膚部分にじんわり漏れ出てしまう。これはたぶん俺の皮膚感覚がないのが原因なんだろう。まあ、無意識で滲む量は多くないし、それほど困っているわけではないから良いんだけどね。


 さーて、こんなもんか。

 

 じゃあ、次――スキルの調整を行うか。

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