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#04.エイミ視点

今回は#03のマーサと対になってます。

未読の方はご一読をお願いします。

皆さんこんにちはエイミです。

今日もティガーと公爵さまのお屋敷へお出かけです。


何時もティガーは馬車の中では私の横で寝そべっています。

ふわふわの尻尾がゆらりゆらりと揺れています。

まるで私専用の猫じゃらしですね。

う〜ん、飛びかかりたい。

ウズウズしてしまいます。


毎回そんな感じです。


今日の新入りにゃんこさんはどんな子たちなんでしょうね。

クロスケくんは元気かな?

元気でしょう。

今日も元気いっぱいで来るでしょうね。


公爵家で手入れされた、ツヤツヤの黒い身体に白い靴下のお手手とぷっくらした肉球。

正直言って好みです!ドストライクです!

ティガーに会っていなければ、そして嫌われていなければ。

あの子を我が家にと、お願いしていたでしょう。

しかし、今のあの子はライバルです。

ティガーは絶っ対にわたあせません。いえ、渡せません。


まぁ、偶に会わせるぐらいは譲歩してあげましてよ。って悪役令嬢みたいですね。


さて今日のお出かけですが窓を開けてますといい風が入ってきます。

我が家の馬車は、お父様が作った昔の車みたいにハンドルをグルグル回すとガラスが下に下がるんです。

お父さまは動力をどうにかしないとパワーウインドーは未だ無理なんだって言ってましたけど。

今は我が家と王家、公爵家にしか導入されてません。

噂を聴いて色んな貴族から要請されてますが王室認可が必要として待ってもらってるそうです。


ステータスって言うんだそうです。

お兄ちゃんは、「オヤジ、車作ろうぜ」って、言ってますが、

お父さんは「急ぎすぎは事故や争いを生む少しずつだ」って言ってます。

ですけどお母さんにカメラ作ってと急かされて頑張ってます。

全くお母さんには甘々なんだから。


思い出し笑いをしそうになりますね。


ティガーは風が心地よいのか開いた窓から外を眺めてます。


公爵さまのお屋敷への途中、大きな樹がある公園みたいな所に差し掛かります。

よく小さいお子さんとお母さんが集まっている所です、公園デビューですね。


すると!

急にティガーが身を乗り出そうとします。

危ない、と思わずティガーを抱きしめました。


「ど、どうしたのティガー?」

ティガーは窓から飛び出しそうです。

「ティガーお願い、大人しくしてl

お付きの侍女も手伝って何とか抑えてくれました。


しばらく移動するとティガーは大人しくなりましたが、視線は変わりません。

今まで見たことの無いティガーです。


その日、公爵さまのお屋敷でもティガーの様子はおかしかったです。

あっ、クロスケちゃんとはいつも通りです。

クロスケちゃんは通常運転?

いつも以上に甘えてます。

ティガーの前で仰向けになって、うにゃん!うにゃん!と体をくねらせてます。

他のニャンコが構えてると思ったら、堪らん!という感じでクロスケに猫パンチを浴びせてます。

あら、これって三角関係なのかしら、でもあの子達みんなオスなのよね?

これってび〜える?前世でハマっていた親友の笑顔と同時に幻のお母さまのこめかみぐりぐりが〜

あの子なら多分[ティガ×クロ]か[クロ×ティガ]って鼻息荒くしてたわね。

私には違いが分からないけど。もう遠い世界の友人を思い出します。

美味しいお菓子も頂きます。いつも美味しいお菓子を用意していただけるので、

一度厨房にお邪魔して、直接感想を伝えた所、奥でハイタッチしてました。

責任者の方がいつでもご用意してますよって満面の笑顔を返して貰いました。

侍女さんたちもこぶしを作って『ファイト〜』って言葉が聴こえて来そうです。

お土産にとおかしを頂いて帰宅します。


帰宅途中、あの場所で又ティガーが同じ事をしました。

離れる時の初めて聞いた悲しそうな声が気になります。



これは、あのお宅に伺った方が良いと私の直感がピコ〜ンと反応します。

何たって身体は子供、中身はアラサーですから!

ハッもしかしてあの子供探偵も転生者?…ではなかったですね。




翌日、お母さまは王宮のハンナ先生?とのお話だそうで、1人でお出かけします。

心配されましたが、御者さんもいますし、ティガーのボディガードです。


目的の家に着きました。昨日も見ましたが大きな樹です、あの枝に登ってお昼寝したら気持ち良さそう。

近付いて改めて見ると素敵な家です。前世で家族で、こんな家が良いなぁって話してました。

お母さんが、定年したら田舎でこんな家に住みましょうって言ってました。

広い庭付きの平屋で家庭菜園するの、憧れのスローライフねって

『私も住む〜』って言ったら、『あなたはお嫁に行ってるでしょ』って、言われたらお兄ちゃんから『案外いるんじゃないの〜』って言われて。『お兄ちゃんこそニートで引きこもらないでよね』って言い返して笑ってました。


気がつくとティガーが隣に居ました。ジッとテラスのベンチを見てます。

御者さんも一緒に玄関に向かいます。

緊張しますが住民の方を呼びましょう。


・・・・・ドアノッカーに手が届きません.......


御者さんが叩いてくれました。



ティガーは横でお座りしてます。尻尾は緊張してるのかピン!としてます。


ドアが開くと、品の良いおばあちゃんです。前世のお父さんの方のおばあちゃんに似てます。


「すいません、私エイミ ノースランドと言います」

おばあさんはこちらを………見てません。ティガーを見つめて固まってます。

ティガーを見てびっくりしてるのかな、馬車で待たせればよかったかな。


ミャウ!


ティガーが鳴きました。


すると、屈んで目線をティガーに合わせると、


「お久しぶりね、ティガー、元気でしたか?」


ティガーが抱きつきます、あの人見知りのティガーが!です。

やっと家の使用人に慣れてきたかなって程度のティガーが甘えてます。


ティガーに抱きつかれた状態でおばあさんがこちらを見ると、

「エイミさま?でございますね、私はこの家の使用人でマーサと申します。

先ずはお入り下さい。現在この家には私一人でございます」

御者さんは警戒しますが、私は大丈夫よと馬車で待機をお願いしました。

何たって、あのティガーの懐きよう、疑いようもないです。


奥へ案内される、その前にティガーは凄い勢いで入って行きました。


外観もですが、中は更に素敵です。

我が家にも欲しいです。


テーブルに案内されますが、カップが2つ?


他にどなたか?


私の視線に気がついたのか、

「これは亡くなった奥さまの分です。今日が最後なので一緒にお茶をしてたんですよ」

「亡くなった?」

「ええっもう2年になります」

「もしかして?」

「そう、奥さまと私とティガーがいました」

「昨日、ここを通った時、ティガーが気づいたんです」

「これも奥さまの仕業ね。サプライズがお好きでしたから」

家の奥からティガーが戻って来ました。

マーサさんに向かって一声鳴きます。

まるで「おばあちゃんいないの?って尋ねてるようです。


マーサさんは優しく撫でて「奥さまはいないのよって応えます。

「今は、あなたが飼い主なの?」

「いえ、家族です」

「そう、良いお宅に行けたのね」


「公爵夫人から、急に亡くなったとお聴きしました」

「そう、2年前の秋に。ですが安らかな寝顔でしたよ」

「……」

「あなた、今幸せ?」

「ハイ!家族みんなで幸せです」

「そう、おくさまもティガーが居てくれたお陰で幸せそうでした。一杯遊んであげてる?」

「ティガーとお庭で駆けっこするの大好きです」

「人見知りで甘えっ子だから大変でしょう」

「そんなところも可愛いです」

気づけばティガーは暖炉のそばのソファの傍らで寝てます。

「いつもあそこにいたわ」

マーサさんも懐かしそうに見ています。


色々昔の事を聴きます


あゝ、仔猫のティガーもみたかった〜〜

手のひらサイズ〜〜それずるい〜


その後もお話は尽きませんが時間は有限です。


そろそろお暇しましょうか。

「あの、また来ても良いですか?」

「残念だけど、私は今日が最後なの」

「最後?」

「ええ、今日でここにお勤めするのも終わり。本当はね、奥さまが亡くなった時に田舎に戻るつもりだったの。それが、働けるだけ働いて欲しいって言われて今日まで来たんだけど。

まさか、最後の日にティガーと又会えるなんて、気になっていたのよ。これも奥さまの導きかしら」

「私もそうだと思います」


「でもね今度住む家も近くなのよ」

新しい住所を伺いしました。本当に近くみたいです。

又、お話を聴きたいと思います。

本当ならうちで働いて欲しいと思ってしまいます。


ティガーに「帰るよ」って言いますと、又奥に向かって一声鳴いてから、マーサさんに擦りよって挨拶してます。

「お邪魔しました、又お話聞きたいです。いえ、マーサさんに会いたいです」

「ありがとう、又お会いしましょうね」


馬車に向かいますが。乗る前にふと、気になって振り返ると玄関で見送りしているマーサさんと、

樹の側に佇む品のある女性の姿が見えた気がしました。



家に戻ってお母さまにお話をしますと家の事がひどく気になった様です。


なんと後日訪問して、その夜、同じ家を作ろうとお父さまにおねだりしてました。

しかも設計図の写しと家具の一覧表も用意しています。

カメラの試作品で写真撮りまくったそうです。

あのお父さまです、きっと建てますね。家具も揃えるみたいです。


私もあのテラスのベンチでティガーとお昼寝してみたいです。















マイ設定。

おばあちゃんの家は、エイミちゃんち →→ →おばあちゃんち→→ →→→→公爵家です。

2年前は公爵家に行きませんのでその存在を知りませんでした。


ちなみに文中のうにゃんうにゃんは昔実際にみた光景です。

道端に車を止めた時に何気なく見た道路下の空き地。

お座りしているブチ猫と少し離れたところから身体を捩って近づくキジトラ。

しばらく見てるとブチが飛びかかって猫パンチして、

元の位置に戻って元の態勢に戻りました。

キジトラは何って感じで上半身起してブチをみてました。

人間寝起きみたいな姿でした


その時はなんで録画機を持ってないんだと嘆きました。

この物語を書いてる途中で無性に入れたくなりました。


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