①クロスケ視点
今回はギャグ回です。
感動はこれっぽっちも有りません。
だけど読んだら、もう一回読む直す事でしょう。
ふぁ〜
目が覚めて先ずはトイレを済ませる。
エサを貰える部屋に向かうと、今日は屋敷の雰囲気が違う。
厨房から甘い匂いがして、メイドさんたちはクジ引いて喜んだり悲しんでたりする。
俺はピンときた、今日はエイミちゃんが来るんだ!
腕を奮ってお菓子を作っているのと、本日のエイミちゃん担当を決めているんだろう。
エイミちゃんは最近来るようになった女の子だ。
甘えて抱きつくと気持ち良い。
ぷくぷくのほっぺで、ちょっといや健康的なぽっちゃりさんだ。
この子に撫でてもらうと心地良いんで、皆んなに大人気だ。
更にこの前はマタタ・いやマッタの実のせいで皆んなが我を忘れて触れ合いを堪能させて貰いました。
俺もあの時の記憶は無い。無いから何をしたのか罪になりません不可抗力ってやつだね、
失礼!俺は「クロスケ」呼ばれている。
決して「クロちゃん」と呼ばないでくれ。
「くろ」でも良いんだが、他にもいるのでクロスケで頼む。
此処に来たのは半年程前。
気がつくと公園で野良生活をしていたが、捕まって危うく殺処分される所を保護された。
カミラ婦人グッジョブだ!10点!
名前はカミラ婦人に貰った。
貰われて来た時、何故かメイドさんの傍にいる、更衣室に居る、お風呂場に居るとの評判から、
[黒い]+[スケベ]でクロスケになった。
いや、居たのは偶々だよ、新しいお屋敷を探険してただけ!それだけだよ!
話を戻そう。半年前に此処に来た時、先輩にティガーと呼ばれる大きな猫が居た。
初対面、野生で0円生活をして居た俺はいっちょ締めましょうか!って野望がありました。
若かったな俺。これも若ゆえの過ちかって思おう。
で初対面、マジでビビったね、何とか漏らすのは耐えました。俺偉い!
何せ俺の後に来た奴は例外なくちびってたからね。自分で自分を褒めよう。
まぁ、ティガーの兄貴は身体はでかいけど優しくて人見知りでした。
そんな兄貴が屋敷の不動のトップなんで皆んな争いとか無い。
皆んなちびってるから偉く出れないしね。
お屋敷には、よくネコが欲しいって色んな人が来る。
貴族は可愛いからとか、子どものおねだりでって。平民は倉庫とかでネズミを捕まえる為とか欲しがる理由も身分バラバラだ。
お屋敷の人は身分を気にしない、猫が好きかどうかが判断基準だ。さすが公爵夫人!教育が出来てる。プラス10点!
で結構入れ替わりが激しいけど、ティガーの兄貴はもう2年近くいるそうだ。
兄貴も人見知りだからあんまり会おうとしない。会っても皆んなビビってる。
そんな兄貴は天気の良い時はほとんど庭の大きな木の所に居る。偶に登って枝の陰で寝てる。
偶に誰かを探してるみたいな眼をしてる。
俺は、三食食べられて、ゆったりできる、ネズミや虫を獲らなくても良い、天国な此処にずっと居たいんで、選ばれないようにしてる。うん働いたら負けだ!
偶に捕まってお客の前に連れてかれるが、嫌そうな顔を目一杯するんで、選ばれない。
カミラ夫人は、「あなたはどうしてメイドに抱えられている時の笑顔ができないの?」って聞くが、
出来ないんじゃない!やりたくないんだよー!
メイドさんに抱っこしてもらいたい時は足元で可愛くおねだりすると一発だ。
この屋敷のメイドさん猫好きだからね。
で話を最初に戻すね、今日はエイミちゃんが来る日らしい。
初めて来た時にティガーの兄貴と運命の出会い⁈って相思相愛!すげーラブラブっぷり。
ハイ即決でした。だけど兄貴はあのデカさ、エイミちゃんよりもでかい。
もしかして乗せれるんじゃないかな?いやあの子の重さじゃ、・・・すいません調子乗ってました。
で住む所を準備するまでこっちに毎日来てたんだが、お屋敷の皆んなをファンにしてた。
もしかして魅了のスキル持ちかって思ったね。
まぁ俺はどちらかと言うと、お子ちゃまのエイミよりもママさんが好みかな?
好みはともかく、お屋敷の皆んなは何とかエイミちゃんをうちの子にって秘密会議を開いてる。
一度覗いたら、執事のオッチャンが「先日は『爺』と呼んで貰いました」って笑顔で報告して拍手を貰ってた。
いやあんた執事頭ってこの屋敷の使用人序列1位なんだろう?ちょっとこの屋敷の将来が心配になった。
メイドさんは「先日は猫まみれになって大変嬉しそうでした。猫の充実は絶対条件です、坊っちゃまより大事」って力説してた。
まぁ見なかった事にしておこう。俺は猫なんで、家政婦じゃないから屋敷の秘密に興味はないよ。
俺に言えるのは「アレク坊ちゃん頑張れ!」だけです。
ティガーの兄貴がエイミちゃんちにお引越しの日。俺ににとって大事件が起こった。
それは、エイミちゃんとママさんが猫の間で待ってる時、
二人が座ってるソファの隙間で俺はいつものお昼寝をしてました。
隙間って何でこんなに落ち着くんだろうね。あと小さい箱なんかも最高!
するとヒソヒソ話が聴こえて来た
「ねぇ、お母さん」
「外ではお母さまよ、エイミ」
「お母さま、お兄さまってひどいのよ」
「何かあったの?」
「ニャンコの名前がティガーよって言ったら、
『ティガーって虎だよな、じゃあ俺は寅さんって呼ぼう』って言うのよ」
ン?
「あら、フーテンって言わないだけましじゃなない」
ンン?
「しかも『次に飼うのはサクラにするのか』って」
ンンン?
「この前なんか『黒でティガーならブラックタイガーか、なら2代目はコスモタイガーだな』だって」
エェ〜〜!
「何の事?」
「昔見てたアニメに出てた飛行機の名前だって」
オイ!ちょっと待ってー!
「あれ、こんな所に居るのは〜〜〜クロスケだね」
「どうしのかしら、なんかニャゴニャゴ騒いでるわね」
「いつもはおとなしく隅っこで寝てるのよ」
「エイミちゃんお待たせ〜」
「あっカミラおばさま」
「どうしたのクロスケ、そんなにしがみついて」
ニャー、ニャニャー、ニャー!
「もしかしてエイミちゃんちに行きたいのかなー」
ニャ、ニャーニャ
「でも今回は駄目よ、今回はティガーの番って決まってるの」
「ごめんねクロスケ、又今度ね」
ニャーーん
その日ティガーの兄貴は屋敷を去った。
兄貴がいなくなった屋敷の勢力争いだが、エイミちゃんが偶にティガーの兄貴を連れてくるので平和である。
俺?俺はエイミちゃんが来るときだけ良い子アピールを忘れない。
次は絶対俺がエイミちゃんちに行くんだ。
できれば一杯飼いたいって言ってたし!
ティガーの兄貴にはエイミちゃんは取りませんって頭を下げている。
決して二人の間に割り込みませんって何度も念を押しているんだが兄貴不機嫌だ。
だから邪魔しません。
大人しくしてます。
だからエイミちゃんちに連れてって下さい。
なぜなら、
俺は
俺は!
俺は日本の話題に触れたいだけなんだー〜
そんな俺の「クロスケ」の本名は「クロキ キョウスケ」
元は日本人で享年27歳。
死ぬ前はブラック企業で毎日「猫の手でもいいから貸してくれーって叫んでた。
あだ名はずーっと[クロスケ]って呼ばれてました。
「なんてことだ」
公爵様のお屋敷に転生したネコが紛れ込んで居る様ですね。
「なんてことだ」(2回目)
多分貴方はもう一回読み返すでしょう
ヒントは色々ありましたからね
なんてことだ(3回目)
取り敢えず現時点ではここまでです。
連載が続いてたら又浮かぶでしょう
魅力的なキャラクターが一杯ですから。
小鳩子鈴さま、感謝です。暫くは感想欄にてお邪魔します。