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デイビットとの出会い

あれから数日後、手紙とパンフレットが家に届いた。

送り主は松前能力開発センターとなっている。

なるほど表向きは職業訓練学校ということだろう。

五十嵐はパンフレットには、親を納得させる魔法がかけてあると、冗談か本当かわからんことを言っていた。

俺は内容を見てないが、母さんはそれをみて

「あんたがいいならいいんじゃない。」

とか言っていた。

肝心の試験会場を記した手紙には…

「北海道!しかも無人島!?…」

手紙には簡素に


北海道 松前郡 松前町 宇大島 江良港 集合

1月18日 午前11:45

チャーター船で無人島に移動後、現地で試験説明後

13:30より試験開始

試験日

1月18,1月19日


と書かれている。


試験内容がまったく検討つかない。

しかも2日間てことは、無人島で一泊するのかよ。


本当になんなんだこの学校は。無茶苦茶すぎる。

…だけど俺はそんな無茶苦茶な学校と知れば

知るほど、余計に興味が湧いてしまうのだった。


1月18日

俺は手紙に指定されたとおり北海道にやってきた。

クルーズ客船が停まってて、受験生達が集まっている。

恐らく500人は超えているだろう。

「受験生のボケども!注目しやがれ!!!」

思わず声のほうをむくと、メガホンを持った高身長

の男が船の乗り口に立っていた。

なんだこの口の悪い男はと思ったが、どうやら魔法学校

の教員らしい。

あたりは一瞬で静まり返った。

教員がさらに叫んだ。

「俺は案内役と試験監督を任されている七条恭介だ。今からこのクルーズ船でてめぇらを試験会場に連れていく。試験会場には一時間と十五分ほどで到着する。」

それからは俺たちは七条の細かな注意を受けたあと

クルーズ船に乗り込んだ。


俺はデッキにでて遠い水平線を眺めていた。

今日も寒かったが、空はよく晴れていて、この後の試験の

合格を暗示しているような気がした。

そうやってぼけっと海や空を眺めていると、後ろから

走って向かってくる足音が聞こえたので振りかえると、

長身の金髪で青い瞳の男が向かってきていた。

手すりにつかまり、身を乗り出すようにしたその男の顔

は真っ青だった。

俺がこいつゲロを吐くぞ、と思った瞬間、

そいつは海に向かって胃の中のものを吐き出した。

まわりにいたものは皆遠ざかっていったので

一番近くにいた俺が声をかけなければなるまいと思った。

「大丈夫かよ、船酔いだろ?」

持っていたいろはすのペットボトルを差し出すと、

その男はハァハァと荒い息をしながら、受け取り

水を口に含み口をすすいで吐き出してからこう言った。

「ちくしょう!はじめて船に乗ったけど、こんなに気持ち悪くなるなんて思わなかった!」

「俺、田中デイビット。よかったら仲良くしてくれ。よく聞かれるから先に答えとく、アメリカ人と日本人のハーフで6つの時こっちに来た。」

俺は、デイビットが差し出してきた手を握ってこう言った。

「俺は飯島和平(いいじまかずひら)なあデイビット。魔法て俺たちにも使えんのかね。」

デイビットは握った手をふりながらこう言った。

「さぁ。でも、どっちでもいいんだ。

入試に来といて、こんなことを言うのもなんだが、

魔法を信じてるワケじゃない。

ただ魔法学校なんて面白そうだから来ただけだ。」


デイビットは俺と同い年だが、変わった男だった。

髪はどうやら黒を金に染めてるようだったし、瞳はブルーのカラーコンタクトをしていた。

船が到着するまでデイビットは俺を驚かせまくった。

煙草を吸ってその吸い殻を海に全力投球したり、もよおしてはデッキからそのまま海に小便をした。

そのくせ海はトモダチだから大丈夫さと笑って

すかさず海にタンを吐き出したり。

到着したときに、

なぜか俺まで船員にこっぴどく怒られてしまったが、デイビットは何を言われてもわざと真顔で遠くを見つめていたので、思わず俺は吹き出してしまったのだった。






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