謎空間と転生
少しずつ、意識が覚醒していく。手の感覚が無い。足の感覚が無い。呼吸を感じられない。すべての感覚や神経の活動を感じることができない。
「申し訳ないけど、話を聞いてくれ。」
声が聞こえる。耳鳴りのように頭に響く。
「君は勇者召喚に巻き込まれて死んだんだ。勇者召喚の魔法陣は邪神召喚の魔法陣を無理やり書き換えたものでね、中途半端に巻き込まれたせいで死んだのさ。まったく、神にも困ったものだ。」
「ゲームができないじゃないか。」
ゲームのために今までかなりの時間をかけてきた。まだまだ面白いゲームがたくさんでてきただろう。無念。
「ならちょうどいい。君のクラスメイトが召喚された世界は、神話の神々によって保たれていて、ステータスが存在する。実にゲームチックな世界さ。勇者の得たスキルをポイントに戻すと120ポイント、だから君に100ポイント分のスキルを与えてその世界に転生させてあげよう。ささ、一覧表を出すからその中から100ポイント分のスキルを選んでくれ。」
いきなり迷惑な話だが、乗らないといけないのだろう。そのほうがいい気がする。とりあえず選ぼう。
・武術の才 20ポイント
・魔術の才 20ポイント
・物作りの才 20ポイント
転生で時間はたくさんあるから才能を磨けばいいだろう。
・武術の知識 5ポイント
・魔術の知識 5ポイント
・物作りの知識 5ポイント
才能を取ったから知識を得て生かさないと。
・上限、制限の撤廃 20ポイント
できることが増えればそれだけで楽しい。
・演出効果 5ポイント
演出は大事だ。場の臨場感などを表してくれる。
これできれいに100ポイント。あとは何とかなるだろう。
「準備が終わった。送ってくれ。」
「じゃ、勇者召喚が行われる16年前に送るよ。」
勇者召喚の時に、巻き込まれた16歳になるようにするとか微妙な気遣いありがとう。
こうして俺は転生した。