表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ピーマン

私の好きなピーマンの食べ方は、

フライパンでちょっと焦げ目がつくくらいまで焼いて、ちょっとしょうゆをかけるだけ。

ピーマンそのものの苦味が感じられるくらいがちょうどいい。


ピーマンがずっと好きだった訳ではない。小さい頃は苦手な味だった。

高校生の頃、たまたま焼肉屋で食べたピーマンがおいしくて、そこから少しずつ食べれるようになった。


ピーマンの苦味を好き好んで食べるようになったのは、結婚してここ数年の話。


「俺は、ひじきと一緒に食べるのが好きなんだよなー。この食べ方が一番おいしいだろ?」

「うん、確かに美味しいよ」

「だろー?やっぱ夫婦って味の好みが似るんだなー」

…。確かに、美味しいよ。確かにね。ひじきだって美味しいし、ピーマンだって美味しい。でも、ピーマンの苦味がひじきに消されてしまいそうで、私はあまり好きじゃない。

その食べ方と同じくらい、あなたのことも好きじゃないのかも。

彼に養ってもらってる私は、そんなこと言えないのだけど。




「あっ、さっき買ってきたピーマン、フライパンで焼いたんだね。しょうゆかけて食べると美味しいよね。俺もよく弁当に入れるんだよ。」

「そうなの?私もこの食べ方がシンプルで一番好きなの!」

スーパーで二人で買ったピーマンを、二人だけしかいない彼の部屋で食べる。このピーマンの苦味がまた私を幸せにする。

「今日、家に帰らなくていいの?」

「うん、旦那は今日から出張で、明後日帰ってくるの」

「そっか。じゃあ、今日はずっと一緒だね。」



私も大人になったからなのか。

苦いくらいがちょうどいい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ