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シゾフレニア  作者: 民音慧可
第一部 空想上の物語
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信じれるもの

放課後、本当は家に帰る途中に有る人気の無さそうだが、安くてそこそこ旨い品物が揃っている

スーパーで買い物を済ますが


ソヴィとの約束もあるので一旦帰宅する


部屋に向かい、着替えて必需品を持ちソヴィの部屋をノックし呼ぶ


しかし、返事が無い。だが1階にいた様子は無かったし、かといって玄関に身に覚えが無い靴が在ったので外出しているようでもない


なら考えられるのは一つ、2階の自室である他無い


もう一度、今度は強く2回ノックする


「・・・・・・・」


おいおい、どうするよ


このまま入って確かめろってことか?


面倒臭い


だが、約束破ったら後々くどくど言われそうだからなぁ


なにより折角効率悪いのに家に帰ってきたのにこれじゃあ帰宅損だ


かといって、入るのか?


そんな典型的なラブコメ展開を俺が望むと?


鼻で笑えるレベルだな


でも他に手段無いし、今回ばかりは仕方ない


「・・・・・・・」


無言でゆっくり開ける


そこはまだ私室と呼べるには程遠い陳家なものだ


それも当然、ソヴィの荷物は明日辺りに届くのだから、まだ荷物という荷物は無い


そしてそのソヴィというと


「・・・んっ・・・」


うつ伏せでミーと一緒に寝ていた


(やっぱりな・・・さてどうするか)


どう起こそうか考えていた末、一つの方法が浮かんだ


そそくさと部屋に戻りある物を探しだし、それをソヴィの部屋まで持っていくと


パァン!!


「うわっ!!な、なに?!」


大きな音が鳴り響き、ミーが無言で飛び起た


それと同時にソヴィも飛び起き周囲を警戒する


その音の原因は、湊の右手に有る玩具のピストルだ


随分と昔、知り合いから貰ったまま放置していた物で


形だけピストルで、装弾のところには火薬だけの弾を使い、それを装填し発砲することで大きな音だけがなる仕組みだ


本物に見せかけたピストル。銃弾以外はそれっぽいので一見するとよく勘違いされるということで今や販売中止になったとか


「ようやく起きたか、寝坊娘」


「え?あ、ああ。湊」


目を手で擦りながら俺が居ることを確認する


「ごめん、猫と遊んでたらつい・・・」


今ソヴィは俺を見ていないので、俺は顔を逸らしつつ横目で様子を伺う


嘘は言っていないが、少し寂しげな顔している


いや、不安げな顔か


ここまで長旅で疲れているのだろう。


父の死もあって精神的に来ていたのかもしれないな


辛気臭いのは嫌いだから(自分は辛気臭いオーラ纏っているくせに)フォローしておくか


「こういう時ぐらい正直に言ったらどうだ?疲れてるって。まあどっちにしろ、明日から休日だ。自由に過ごしながらゆっくり休めばいい」


「・・・・そう、だね。うん、そうする」


これでフォローできたかな?


さて、本題に入るか


「一応聞くけど、何で俺がここにいるか理解してるか?」


「えっと、うん大丈夫。私の我が儘で戻ってきてくれたんだよね。それのなのに寝ちゃってて・・・ ごめん」


申し訳ない顔をする


これではフォローした意味無い


これだから女は面倒なんだ


「そんなことはどうでもいい。行くのか行かないのか決めろ」


「・・・・・」


「なんだよ。」


「いや、最初の時から思ってたけど何で目線合わせてくれないの?」


「特に理由は無い。強いて言うなら目線を合わせることが苦手なだけだ。・・・って話を逸らすな。 早く決めてくれ」


「ああごめん。うん、勿論行くよ。私が言い出したことだし」


「そうかい。なら準備してくれ。下で待ってる」


「・・・分かった」


部屋を出て、1階に向かう


(我ながら、お節介が過ぎるな)


それは心に余裕を持てた証


甘さ、とは少し違う


(いや、実際に甘いのか知れないな。)


久しぶりに俺に接してきた他人


だから俺は嬉しいのかもしれない


こういう性格だが、元々人と接することは嫌いでは無い


むしろ好きな部類である


誰かと笑って、馬鹿やって、それで助け合って


そんな存在、即ち友達というものは嫌いでは無いのだ


でもーーーーー


(ああ、分かってるさ)


そんな存在を出来る限り作ってはいけない


俺の事情を知ってなお今でも時々遊んだりする奴は居る


そいつらには何度も忠告した


何度も関わるなと進言した


だけどそいつらはYESと首を立てに降らなかった


友達で居るのに理由は必要か?


とか意味分かららんことを抜かす奴もいた


忠告をした、進言した


なのに俺とつるむのをやめない


なら俺も覚悟しよう


正面から向き合うことを


だが・・・・俺はやっぱりどこかでそいつらとは縁を切りたかったのかもしれない


友達だから


赤の他人とは思えないから


お前達を危険に晒すような真似だけはしたくない


だからいつもそいつらとの関係には、どこか一線を引いてる


いつでも俺から離れていっていいように


俺自身そのことで傷つかないために


俺は、心の底では信用しないようにしている


信じれるものは自ら歩んできた経験と自身の身体のみだと言い聞かせている

一気に投稿します

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