こんなあっさりしてていいの…?
注意:この世界における家電製品は、すべて中学〜高校卒業後程度の学力を有しています。
また、何故か話せます。設定崩壊、キャラ崩壊が著しいかと思われますが、
それでも閲覧してくださる方はどうぞお進みくださいね。
あの旅から約3日が経った。
総移動距離は多分3000kmくらい。
旅の中でぶつかりあって、楽しんで、二台とも疲れきった。
で、ちょっと休んでからまた出発の予定だった。
ただ…あまりにも退屈だった。
すっかり旅に染まったせいで、非日常を体が求めている。
まだ3日しか経っていないけど、旅に出たくてうずうずしていた。
そんな時、あの公爵が、レンが行きたいんだって言ってくれた。
だから、早速行こうって話になった。
行くからには、一通り回ったこの国を出て次の国に行きたい。
そんなに遠くもないし陸路で行けるところにしようとか、
いろんなことを話し合った結果、小さな島国のトイネンに行くことが決まった。
もちろん島だし、連絡橋とかもない。
つまりは初の乗船が確定したというわけである。
なんで?いや最終的に決めたのは私なんだけどさ。
ピルビスタ港の待機場で聞いてみた。
「私達船乗るの?」
「え、乗らないの?」
「乗るんだけどね?いや、あまりにもなんかあっさりしてるっていうか」
「それはあたしも思ったけど…」
「にしても船だよ?」
「感慨深いね」
「なにがだよ」
「外にすら出られなかったあたしたちが、今度は海も渡るなんてね!」
「それは確かに、でっかい成長だね」
「…それに、この場所からっていうのも想像つかないよ」
思い出したくはないが、私と公爵はここで大喧嘩してあわや絶縁まで行ったことがある。
そんな私達にとって別れの象徴のような場所から、新しい旅を始めるって、
その出来事に対する供養や、決別の印なのかもしれない。
…さて、船への搭乗が始まった。
「あたしたちも客席でいいんだ?」
「当たり前でしょ」
「てっきり荷物スペースかと」
天然ボケを流しつつ、すぐに船は出港。
船内を探索してみようかななんて思っていたが、数分して感じた。
あ、これ無理なやつだ。
長い周期で不規則な縦と横の揺れが完璧に船酔いを誘発する。
とにかく、めちゃくちゃ気分が悪い。
「あからさまに気分悪いって顔してるね殿下」
「仕方ないでしょ、酔ったんだもん…」
「外の空気吸いに行く?」
「そうする…」
2台でデッキに出ると、ツートンカラーの青が目に飛び込んできた。
そして爽やかな潮風が吹き抜けていく。
開放感とか空気とか、いろんなもののお陰でなんとか気分が上を向いてきた。
あとどれくらいで着くかな。ぼそっと発したその言葉に、公爵は無慈悲に告げた。
「あと3時間くらい」
これがあと3時間続くらしい。
目的地には近づけど、気は遠くなる一方だ。
私には考えられないが、どうも公爵はノーダメージ。
私を気にかけつつも、機嫌のいい顔で景色を眺めている。
羨ましい。
「公爵ぅ…」
「どうしたの船酔い殿下」
「なんでそんな平気なの…」
「わかんない」
今はただただなんとか会話をして、気合で酔いを覚まそうとしているのだが…
うまくいく気配はなし。
結局、気分の悪さは最後までつきまとってきた。
なんとか港には着いたようなので、さっさと降りてゆっくりさせてほしい。
「公園でも行く?」
「なんでそんな急に…」
「ベンチに座ったりしないのかな、と思って」
「…する、したい」
「じゃあ行こう」
こういうところがあるから大好きなんだよ、全く。
はぁ、とため息を一つして、大きく息を吸う。
海岸の済んだ空気がおいしい。
よし、体調は万全だ。
次からは船移動は控えようと一つ決意して、出発の一歩を踏み出した。
違う国から見る空も、またいいものだと思った。
投稿が遅れてしまい大変申し訳ございません。これからは頻度が上げられると思いますが、
期待はせずにお待ち下さい。




