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悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

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34/50

エーデルワイスはカトレアの懐に潜り込む。

お茶会が終わり、数日が経った。


お茶会の時は、この数年を埋め合わせるかのように、お互いの近況を報告し合う会となった。


――一人と一匹を除いて、だが……。


お母様とフランチェスカが楽しそうに話しているのを、私とカトレアは笑顔で眺める。


そんな姿を見て何を思い出したのか、カトレアは少し寂しそうな顔をしていたような気もする。


カトレアの懐に入るなら今がチャンスだと思った私は、カトレアの膝の上で丸くなった。


猫が嫌いでなければ、大抵これでメロメロになるものだ。


「あら……エディちゃんは少し眠たいのね。ここで少し眠っていなさい」


私の頭を軽く撫でながら話しかけてくるカトレアに、


「にゃぁ~」


と軽く返事をする。


こうして見ると、あまりカトレアが悪い人には見えない……。


これは毒されているということなのだろうか。


もしかしたら毒されているのは私ではなく、プリチーなエディちゃんにカトレアが毒されたのかもしれないけど。


そんなこんなでお茶会はあっという間に終わり、ここ数日はカトレアと一緒に出かける日が増えていた。


***


カトレアが馬車に乗ると、私も知らぬ顔で一緒に乗り込む。


ここ数日間、カトレアの行き先は孤児院ばかりだった。


そう――以前お兄様は「嘘だと思う……」と言っていたが、本当に孤児院でボランティアをしていたようだ。


「エディちゃんは猫でいいわね。自由気ままに生きられるもの……」


私の頭を軽く撫でながら、窓の外を見ているカトレア。


一緒に馬車に乗っていて思うけれど、カトレアは本当に悪い人なのだろうか……。


孤児院でも、子供たちはカトレアと遊ぶのを楽しみにしている様子だったし、カトレアが来た時の笑顔は本物だった。


そして、もう一つ気になることがある。


カトレアと一緒にいるメイドのロベリアだ。


このロベリア……あまりカトレアを守る気がないように感じる。


それにロベリアが話しかけようとすると、カトレアの顔が一気に強張るのだ。


「カトレア様……」


「わ、わかっているわ」


こうして見ると、立場が逆に見えてくる。


カトレアがロベリアの言いなりになっているような……そんな印象だ。


「カトレア様……」


「わ、わかっているって言っているの!!で、でも孤児院の子たちは悪くないじゃない……私のことを『お姉ちゃん』って慕ってくれているだけだもの……」


ロベリアがもう一度名前を呼ぶと、カトレアは声を荒げた。


話の内容的に、孤児院の子たちに何かしら鍵があるように思える。


カトレアが取り乱すと、ロベリアは冷めた目で見つめ、


「カトレア様……」


と低い声で呼んだ。


その瞬間、ロベリアの周囲だけ、空気が凍りついたように感じた。


「にゃぁ~?」


空気を変えるために、カトレアの膝に乗る。


私の背中に顔を埋めながら、カトレアは小さく呟いた。


「わかっているのよ……わかっているの……このままだとお母様が……」


必死に心を落ち着かせようとしているのだろう。


そんなカトレアを見てか、ロベリアは足を強く床に叩きつけた。


「カトレア様。いい加減にしてください。このままでは約束を守っていただいたことにはなりません。この件は旦那様へお伝えいたします。よろしいですね?」


「ま、待ってください……おじい様に伝えるのは……。明日こそは成功させますので……もう一日だけ猶予をください。お願いします!!」


どうやら、このロベリアという女。


カトレアの祖父のメイドだったようだ。


そしてカトレアは祖父に怯えている……?


いや、先ほど「お母様が……」と言っていた。


もしかしたら母親が人質に取られていて、従うしかない立場なのかもしれない。


カトレアの祖父……一人はカルミアの祖父でもある人物か。


元画家で、それが見込まれて男爵位を賜った人だ。


画家ということは絵を描くのが好きなのだろうか……。


そう考えると、野望があるようには思えない。


――もう一人、可能性がある。


ブラオベーレが以前言っていた言葉を思い出す。


「カトレアのお母様は、大帝国トライフルの公爵令嬢だった」


今日のカトレアの様子を見るに、今までの暴動はカトレアが起こしたものではない。


この国にいる者たちが、それぞれで立ち上がった可能性もある。


国王もあの状態だし、正直この国はなくなってもいいとさえ感じているのも事実だ。


それほどまでに、今の王族は腐っている。


パキラたちはこの国がなくなったら困ると言っていたが……。


だったらサントノーレ国に吸収された方が、よほど国民のためになるのではないか。


――だとすると。


明日、カトレアが起こす予定の“何か”。


それが大帝国トライフルに関わる計画の一部なのだろう。


「明日なら、まだ間に合うかもしれない」


そう考えた私は、屋敷に戻り次第、ブラオベーレのもとへ向かうことにした。


手紙を書いてもらうためだ。


もちろん、お兄様たちにも伝えるつもりだ。


カトレアを見ている限り、本心ではやりたくないように見える。


説得すれば、止められるかもしれない。


そう考えながら、私は次の行動を組み立てていった。

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