表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/48

エーデルワイスからのお願い。

貴族院から帰ると、珍しくエディが部屋で待っていた。


ここ数日は忙しそうにしていたから、一緒にいることが減っていただけに、とても珍しい。


「エディがもう帰ってきているなんて珍しいわね」


「最近忙しかったからにゃ。本当に皆、猫使いが荒いのにゃ……」


「皆って……?エディもお友達出来たのね!良かったじゃない」


あまりエディから友達の話を聞かないから新鮮だ。


中身が人間でも、猫同士でコミュニケーションが取れるものなのね。


「そ、そ、その話はとりあえずいいのにゃ。それよりも、このチャームを首輪に着けて欲しいにゃ」


どこから取り出したのか分からないチャームを目の前に置き、鼻でツンツンと動かす。


それにしても高そうなチャームだ。


こんなの猫同士であげられるものなのだろうか……。


エディは猫であって猫ではないし、あまり気にしすぎたら負けだと思った私は、何も聞かずに首輪にチャームをつけた。


「これ凄いじゃない。黒水晶よ」


黒水晶はこの辺ですぐに手に入るものではないので、かなり貴重だ。


サントノーレ国なら少し採れると聞いたことがあるけれど……。


エディは真っ白いから目立つかと思ったけど、赤い首輪をしているからか、そこまで主張は激しくなさそうだ。


「そうにゃのにゃ?」


「えぇ……全く、いつもどこを歩いているのかと思えば。飼い主がいるのに浮気はダメだからね!」


「し、しないのにゃ!そういうのではないし、気にしないで欲しいのにゃ。そ、それよりも!!大事な話があるにゃ」


貰った相手を思い浮かべているのか、少しあたふたしているエディ。


あまり慌てている姿を見ていないからか、なんだか不思議だ。


「大事な話って何かしら?」


そう聞くと、エディは少し真剣な顔になった。


「吾輩……フランの元を離れるにゃ」


ん?


さっき浮気はしないと言っていたのに、離れるとはどういうことだろうか……。


私が首を傾げてエディを見ていると、先程の話を思い出したのか、またあたふたし始める。


「か、勘違いしないで欲しいにゃ!少しの間、カトレアのところに行ってくるという話にゃのにゃ。だからフランの元を離れるということにゃ」


「カトレアお義姉様のところに?何しに行くの?」


カトレアお義姉様とはあまり話したことがないけど、そんなに悪い人には見えなかった。


何かあるのだろうか……。


「フランはまだ知らなくていいにゃ。カトレアと仲良くなるために、一度お茶会を設定して欲しいのにゃ。そこから吾輩は仲良くなるのにゃ。出来ればお母様も呼んで、女子会ということにするにゃ」


女子会……。


お母様とのお茶会もここ数年したことがないし、カトレアお義姉様とのお茶会もしたことがない。


これはもしかしたら、家族と仲良くなれるチャンスかもしれないと思った私は、エディの言葉に頷いた。


「わかったわ!お母様とお姉様には、次の休日空いていないか聞いてみましょう」


エディは笑顔で頷くと、


「あとよろしくにゃ!」


と言って、そのまま眠りについた。


処刑まで、あまり時間がない。


もう少し私も何か行動しないといけないんだろうけど……。


とりあえず今は、ダリアと仲良くなることに時間を使おうと心に決めた。


***


部屋で紅茶を飲みながら、ゆっくり書類を読んでいると、パキラが猫のまま帰ってきた。


「おかえり、パキラ。最近は猫でいる方が多いんじゃないか……」


頭を撫でると、鬱陶しそうに顔を振られる。


見た目は愛くるしい猫なのに、本当に残念だ。


「そんなに残念そうな顔するなよ、エリオント。ちょっと頼みがあってきたんだ」


そう言いながら、パキラは人の姿に戻っていく。


パキラの髪の色はこの辺では珍しく黒い。


まるで黒曜石のような色だ。


そして目の瞳は黄色い。


まるで夜の中に月があるような感じがして、俺はすごく気に入っていた。


「で……なんだ?お前が頼みなんて珍しいじゃないか……」


「本国から黒曜石を送って貰えないか?」


黒曜石って……この辺では確かに採れないものだが……。


「理由にもよるが……お前がつける訳じゃないんだろ?」


「あぁ……渡したいやつがいるんだよ」


黒曜石には浄化の力もあるが……もしかしてそっちの方だろうか。


「俺のわがままで色々動いてもらっているし、頼むのは構わないが……そんなに急ぎなのか?」


パキラを見ていると急いでいるのはわかるが、本国から取り寄せるとなるとかなり時間がかかるだろう。


もちろん大きさにもよるけど……。


「出来れば三日で準備して欲しい。大きさは猫がつけるから、首輪に着けて邪魔にならないくらいのチャームがいいな」


切羽詰まった様子で言うから、人にあげるものだと思っていたが……まさかの猫とは。


でもパキラが仲良くしている猫って確か――


「十八歳のフランチェスカか!」


あまりの驚きに大きな声が出てしまい、思わずパキラに頭を叩かれた。


「うるさい……。アイツがカルミアの姉、カトレアが何をしているか探ると言うから……少しでも魅了魔法にかからないようにと思っているんだ。もちろんカトレアが魅了魔法を使えると決まった訳ではないが……念には念を、だよ」


そういうことだったのか。


なんか色々勘ぐって申し訳なかったが……。


十八歳のフランチェスカ。


いくら猫の形をしていても、フランチェスカとパキラが仲良くなっていることに、少しモヤモヤしてしまう。


「なるほどな……俺もこれからはエディと呼ぶようにしよう……」


「なんか言ったか?」


心の中で思っていたことが、どうやら口に出ていたようだ。


俺は何でもないと返し、早速黒曜石を取り寄せることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ