表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/50

パキラ・クラフティ。

パキラに「18歳のフランチェスカ」だと話しても、最初は飲み込めていなかったようだが、話していくうちに少しずつ理解してくれたようだ。


そして、やたらとこの国のことに詳しくて驚いた。


調べるのが得意でないと、ここまで情報を集めるのはなかなか難しいだろう。


「パキラ……吾輩は話したのにゃ。お前は何者にゃ?」


もしかしたら、パキラも私と同じように猫になって巻き戻ったのだろうか……?


いや、あの驚き方を見るに、それはない気がする。


「あ、あぁ……そうだったな。俺はパキラ・クラフティという。エリオント・サントノーレ殿下の側近の一人だ」


サントノーレ国。


大帝国トライフルと並ぶ大国で、この国を挟んで両隣に位置している。


「もしかして……」


「あぁ。エディが思っている通りだ」


サントノーレ殿下が留学しているのは知っていたが、知見を広げるためというのは建前だったらしい。


「サントノーレ国と大帝国トライフルの間にあるパネットーネ国。トライフルがパネットーネ国を手に入れようと画策しているらしい。我が国としては、それは望ましくない」


確かに、パネットーネ国が緩衝地帯として存在していることで、二国間の衝突は抑えられているのだろう。


サントノーレ国は国民を大切にし、他国とも協力しながら発展してきた国だ。


一方、大帝国トライフルは軍事国家。


小国は幾つも侵略され、亡国となってきた。


恐らくトライフルは、ついにパネットーネ国にも目をつけたのだろう。


そして、いずれはサントノーレ国にも――。


「それでパキラは、猫なのに諜報活動を頑張っているんだにゃ」


「あ、いや……違うぞ? 俺は人間だ。ただ猫に変身しているだけだ」


ずっと頭のいい猫だと思っていたけど、違ったらしい。


……ということは、私の声は他の人にも聞こえているのだろうか。


今までかなり喋っていたから、少し不安になってくる。


「そうにゃのか……ずっと猫だと思ってたにゃ。もしかして……吾輩の声は人にも聞こえているにゃ……?」


「俺が猫の時はエディの声も理解できるが、普通の人間には、よく鳴く猫にしか聞こえていないはずだな」


にゃーにゃーよく鳴く猫。


「立派なれでーに対して失礼にゃ!」


パキラをぽこぽこと叩くと、パキラはただ笑っているだけだった。


「れでーって……クク……あと、その取ってつけたような語尾と吾輩呼び。ずっと気になってたんだよ。クク……」


元の私の話し方ではないと、自分でも分かっている。


だが、何度練習しても最後に「にゃ」がついてしまうのだから仕方がない。


「まぁ、その話は置いておいて……ここからは真面目な話だ。エディは今、どのくらい情報を持っている?」


ふざけている場合ではないと思い出し、私はお兄様たちから得た情報も含めて話し始めた。


「カルミアだけど、姉が一人いるにゃ。その人が、今話していた大帝国トライフルと関係があるにゃ」


カルミアの姉の母親が、大帝国トライフルの公爵令嬢だったこと。


国を追放された後にカルミアの父と出会い、カトレアが生まれたことを伝える。


「パキラの話を聞いて、追放が本当か分からなくなったにゃ。もし何年もかけてトライフルが準備していたとしたら……狙われた可能性もあるにゃ……」


カルミアの家は、おそらく昔から家系魔法が使える。


祖父の絵が他国に出回っていたなら、魅了魔法の存在も知られていた可能性がある。


「カルミアに姉がいたのは初めて知った。確かにトライフルなら鑑定魔法を扱える者もいるだろう。……追放ではなく、意図的に送り込まれた可能性もあるわけか。で、その姉はどこにいる?」


「う、う……家にいるのにゃ。お兄様の嫁にゃ……」


気まずそうに答えると、パキラは呆れたように「は?」と声を上げた。


「こ、これには深い事情があるにゃ。その件については……」


私から説明するより、お父様たちから話した方が早い。


そう判断して、次の休みの真夜中に来てほしいと伝えた。


「真夜中? なんでだ?」


「来たら分かるにゃ! とりあえず猫の姿で頼むにゃ。フランチェスカの家は分かるにゃ?」


貴族街の中心にあるため、場所はすぐに分かるはずだ。


「おそらく大丈夫だが……真夜中というのはどのくらいだ?」


「皆が寝静まった頃にゃ。少し奥に進むと小屋があるのにゃ。草陰に隠れていて見つかりにくいかもしれにゃいけど……蝋燭の光が漏れていると思うにゃ。そこに来てほしいにゃ」


パキラは少し不安そうな顔をしたが、私の目を見て嘘ではないと理解したのか、ため息をついた。


「分かった。次の休みだな」


頷くパキラ。


正直、お父様たちと引き合わせるのは不安が残る。


だが――もう、なりふり構っていられる状況ではない。


とりあえず今日は遅くなってきたので、一度家に帰ることにし、パキラと別れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ