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悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

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エーデルワイスとパキラ

フランチェスカにダリアと友人になるよう話したあと、私は王宮に向かっていた。


処刑まで、あと1年もない。このままでは、本当に処刑の未来しか見えない。


もしフランチェスカが処刑されたら、私という存在はどうなるのだろうか。


まぁ、今そんなことを考えていても仕方がない。


なるようにしかならないのだ。


卒業パーティーが終わると、あたりが一面花で埋め尽くされる季節となる。


「もうこの姿になって、3度目の春だにゃ……」


周りを見ながら王宮までの道のりを一人で進んでいくと、目の前に見たことのある猫がいた。


あんなところで何をしているんだろうと首を傾げながら、ゆっくりとパキラに近づいて声をかける。


「パキラー! 久し――」


「シッ!」


真剣な面持ちで口の前に手を持っていき、人差し指を立てて静かに前を向くパキラ。


私はパキラが向いている方を見る。


「オルテンシアさまぁ。カルミア、次はあのドレス屋さんみたいですぅ」


「可愛いカルミアの頼みだからね。入ろうか」


腕を組んで、二人でドレスショップに入っていく。


そもそも婚約破棄をまだしていないというのに、もうそのつもりのようだ。


「……本当に、救いようがないにゃ。」


「で? なんでお前がいるんだ、エディ」


おでこをコツンと叩きながら話しかけてくる。


「それはこっちのセリフなのにゃ! 吾輩は王宮に向かう途中だったのにゃ。見たことのある背中が見えたから声をかけたのにゃ。パキラこそ、なんであの二人を見ていたのにゃ?」


あの二人とパキラに関係があるようには見えない。


首を傾げて聞くと、パキラは溜息をつきながら話し出した。


「あるお方に頼まれているんだ。ここから先はお前の秘密を聞いてからじゃないと話さないぞ。お前もあるんだろ?」


半目でじっと見てくるパキラ。


確かに話さなきゃいけないということは分かる。


だが、果たして信じてくれるのだろうか。


少し考えてから、重い口を開いた。


「わかったにゃ……パキラは何度も助けてくれてるし、話すにゃ」


少し長くなることを伝えると、パキラは移動しようと言い、大きな木の木陰に座った。


「吾輩の話は少し信じ難いこともあるかもしれにゃいけど、出来れば信じて欲しいにゃ」


パキラはこくりと頷く。


「分かった」


「にゃふぅ……吾輩は、18歳で処刑されて死んで、貴族院の入学式前日に巻き戻ったのにゃ……」


***


少し遠い目をしながら話し始めるエディ。


この国の人たちは馴染みがない魔法も、自国では当たり前に使われていることを考えると、巻き戻りの魔法があってもおかしくないと思うが……。


「吾輩は18歳の……フランチェスカだにゃ」


ん?


……んん?


……んんん!?


「待ってくれ……フランチェスカは変身魔法が使えるのか?」


いや、違う。


俺が学院にいない間、フランチェスカ嬢と話したと言っていた。


しかもエディは今、《《18歳》》のフランチェスカだと言った。


エリオント殿下と同い年だし、誕生日が早かったとしても18歳になったのは最近のはずだ。


だがエディは3年前からいる……。


「変身魔法? あれば便利そうにゃけど、違うにゃ……」


エディは一つ一つ教えてくれた。


18歳のフランチェスカは国家反逆罪で処刑されたこと。


そして、死んだと思ったら猫になって巻き戻っていたこと。


「ちょっと頭を整理させてくれ……」


なるほど……巻き戻りだけを考えると、家系魔法があるとしたら使えなくもないのかもしれない……。


「エディの家は家系魔法が使えるのか……? いや……これはこの国では聞いてはいけないな……」


エディを見ると、恐らく家族から言ってはいけないと口止めされているのだろう。


少し困った顔をしている。


……だが、今はそれよりも重要なことがある。


エディは《《処刑された》》と言った。


「エディ……嫌なことを思い出させてすまないが、処刑されるというのは本当か?」


「本当だにゃ……首チョンパされたにゃ……」


首……ということは、断頭台に乗せられたということか。


「18歳で……ということは、もうすぐじゃないか!?」


「そうだにゃ……だから急いでいるにゃ」


エディになってから記憶は少し飛び飛びらしいが、処刑された日は大体覚えているらしい。


卒業前の休み期間に入った辺りで、言われもない国家反逆罪で捕まったそうだ。


「今この国では、小さな火が至る所で広がっているんだ。だからその主犯にされた可能性が高いかもな……」


「そうにゃのにゃ!? 婚約破棄もうまくできなかったようにゃ……。だから宰相を探し出して話を聞きたいにゃ」


やはり婚約破棄は出来なかったのか……。


エディが焦る気持ちは分かるが、猫が一匹で動くには限度があるだろう。


「なるほどな……俺も宰相の行方を追っているんだ。エディ……ここからは提案だが、俺と組まないか?」


俺はこの国を調べたい。


そして、フランチェスカ嬢に一目惚れしているエリオントの恋を応援したい。


エディはフランチェスカの処刑を止めたい。


この思いは同じはずだ。


エディは少し考えたあと――


「よろしく頼むにゃ」


そう言って頭を下げた。

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