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悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

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嫌われている人にさらに嫌われるにはどうしたらいいのか考える

「オルテンシア王太子殿下が嫌いそうな人、目指すかぁー」


そもそも現時点で嫌われているというのに、どんな女を目指せと言うのだろうか。


「考えても無駄だし……とりあえずオルテンシア王太子殿下の好きなタイプを考えてから、嫌われるタイプを考える方が早そうね」


「何を考えるんだい?」


ベンチに座ってボーッと考えていると、エリオント殿下が顔を覗き込んでくる。


「わっ! び、びっくりさせないでくださいませ、エリオント殿下」


婚約者ともこんなに近寄ったことがないし、異性と近寄ることなんて、お兄様やブラオベーレ、お父様くらいだ。


思った以上に驚いてしまった。


「あぁ、すまない。何か考えているようだったからね。もしよかったら相談に乗るよ」


確かに、私だけで考えるよりは男性の意見を聞いた方が確実かもしれない。


そう思った私は、エリオント殿下に相談してみることにした。


「ありがとうございます。単刀直入に聞くんですけど、好きなタイプの女性ってどんな人ですか?」


「え? す、好きな女性のタイプ?」


「あ、えっと……特にそういう変な意味ではなく……その、参考までに教えていただきたいなと思いまして……」


エリオント殿下は真っ赤になりながら「好きなタイプかー」と考え出す。


こちらまで、なんだか恥ずかしくなってきてしまう。


一般的にモテるタイプが分かればいいのだけど……。


「そうだな。俺は明るい子が好きかな。あと笑顔が可愛い子。それに、国を一緒に支えてくれる子かな」


国を一緒に支えてくれるかぁ……それについては相手次第だと思うけれど。


普段からそんなに笑わないし、その辺は変える必要がない気がしてきた。


「ありがとうございます! 参考になりました」


「いや、いいんだ。それで、なんでこんなことを……?」


理由も話さずこんなことを聞くのは失礼だったかもしれない。


そう思った私は、理由を伝えた。


「えっと……他の方には秘密にしてほしいのですが、私、婚約者がいるんです。その婚約者との婚約を白紙にしたくて……その方の好きなタイプと真逆なタイプになれば嫌われるかと思ったんですが、既に嫌われているので、どうするのがいいのか考えていたんですよ」


「なるほどね。そういうことだったのか……」


さっきまでエリオント殿下の顔は真っ赤だったのに、今度は眉間に皺を寄せて怖い顔をしている。


顔が整っている人ほど笑っていないと怖いとよく聞くけど、どうやら本当らしい。


オルテンシア王太子殿下は……王太子殿下という肩書き以外にいい所は一切ないから、余計にそう感じるのかもしれないけれど……。


エリオント殿下が何か考えているようだったので、邪魔にならないように私はご飯を無心で食べ続ける。


「フランチェスカ嬢。また後日、この話の続きをしたいと思うのだが、声をかけてもいいだろうか」


「え? えぇ。大丈夫ですが……」


「じゃあその時にまた話そう」


それだけ言うと、エリオント殿下は構内に入っていく。


時間を確認すると、だいぶ話し込んでいたのか、お昼休憩も終わりそうだった。


残りのご飯を食べて、急いで教室に戻った。


***


フランチェスカと別れたあと、彼女の婚約者について考えていた。


「まさか……婚約破棄を考えていたとはな……」


相手がこの国の王太子となると、なかなか婚約破棄は難しいだろう。


徹底的な証拠が掴めればいいんだろうが……。


この国の王族のことは、他国でも噂になっている。


特に今の国王になってからだ。


外交もせず、いつも椅子にふんぞり返っているだけの愚王だと有名だ。


最近では、少しずつ別の国に移る国民も増えている。


あと数年もすれば、この国は火の車となるだろうことは、留学してみてよくわかった。


魔法を使える人がほとんどいない国で、どのような生活をしているのか。


生活水準が高いのではないかと思っていたが、全くそんなことはなく……むしろ、かなり低いのではないかと思っている。


「チャンスだろうな……」


そう思っていると、パキラが猫の姿で戻ってきた。


「今日は随分と離れていたようだね、パキラ。それで何かわかったかい?」


「あぁ……エリオント。遅くなってすまなかった」


変身を解いて、少しずつ人間の姿に戻っていく。


昔から変身するところは見ているが、未だにどうなっているのか……不思議だ。


「そうだな。国王は愚王だということと、その息子もまた愚息ということは分かったよ。フランチェスカ嬢と結婚させようとしているのも、何も言い返さず仕事をしてくれるからに過ぎないようだ」


なるほど……。


きっとそこまでのことを考えてフランチェスカ嬢が婚約破棄を考えたわけではないのだろうが、話を聞く限り、今まで執務をこなしていたのは彼女なのだろう。


「まぁ、今のフランチェスカ嬢は昔とは違うし、言い返しそうだけどな。あとは、オルテンシア王太子殿下だが……やはりカルミアと肉体関係を持っていたよ。要するに浮気だな……見たのは俺だけだったから、エディはその姿を見ていないが……こういったとき、記録できる魔法とかが使えると便利なんだが……ないのが残念だ」


……一日で、随分と材料が揃ったな。


浮気か。


浮気については証拠を押さえるのが難しいからな。


記録魔法……が使える人がいたら確かに楽だが、この国にはいないだろうし、自国から呼ぶのも時間がかかる……。


直接、浮気現場に乗り込むのが手っ取り早いか……。


「そうか……どうにかフランチェスカ嬢とオルテンシア王太子殿下を別れさせることができないか……少し考えてみるよ」


浮気現場に乗り込むにも、そう簡単に上手くいくかと言われれば難しいだろう。


だが、恐らく不可能ではない……。


少し頭を悩ませながら、自室に戻った。

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