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悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

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一匹の猫。

フランチェスカが授業中の間、暇だった私は図書室に潜り込もうと、図書室の窓が開いていそうな場所を探していた。


季節的にも窓を開けているところが多かったりするのだが……今日は図書室に人がいないのか、すべての窓が閉まっていて入れるところが見つからなかった。


仕方なく塀に上って何かないか探していると、「にゃ~」と猫の鳴き声が聞こえた。


この辺であまり私以外の猫を見かけたことがないし、もしかしたら迷い猫かもしれないと思った私は、近くに寄ってみる。


にゃぁぁぁ(大丈夫かにゃ?)


近くに寄ってみると、私とは正反対の真っ黒な猫が一匹横たわっていた。


もしかしたら他の猫に何かされたのだろうか……。


外から来たとなれば、他の猫と喧嘩したということがあってもおかしくはない。


きょろきょろと黒猫の身体を確認してみたものの、目立った外傷は見つからなかった。


「ど、どうしたのにゃ?」


目がゆっくりと開いたので、恐る恐る話しかける。


「の……のどがかわいた。」


どうやら歩き疲れていたらしく、喉が渇いていたようだ。


何はともあれ、病気やケガじゃなくて安心した。


私は近くにある噴水を案内する。


この辺に水飲み場なんてものはないし、衛生的によくはないと分かっていても、噴水くらいしか水が飲める場所は見つからなかった。


「もう少し歩けば馬小屋があるから井戸があるけど、ここでいいかにゃ?」


井戸に行ったところで、猫の自分たちでは水を汲み上げられるわけではないし、馬の飲み水を拝借するくらいしかできないのだけど……。


「あぁ……助かった。俺はパキラ。君の名前は?」


「エーデルワイスにゃ。飼い主からはエディと呼ばれているにゃ。」


いつもフランチェスカやお父様たちといることが多かったからか、猫と話すのはすごく新鮮に思いながら、なんでここにいたのか聞いてみる。


「実はな…………」


すごい溜めてから話すから、大変なことがあったのではないかと思わず唾を飲み込む。


「迷子になったんだ。」


「にゃ!? そんにゃに溜めるからにゃにごとかと思えば迷子かにゃ!!」


思わずパキラに向かって必殺肉球パンチをお見舞いしてしまった。


私のプリチーな肉球がいいところにヒットしたらしく、少し涙目になりながら話しかけてくる。


「い、痛いじゃないか……。エディだってなんでここにいるんだ?」


「爪は伸びていないから怪我はしないはずにゃ。吾輩か? 吾輩は……秘密にゃ! それよりも迷子なら送るにゃ。この辺りは吾輩のテリトリーだから、任せるにゃ。」


ふふんと得意顔で話すと、手で制してくるパキラ。


「クク。そんな得意げな顔しなくても……エディは猫っぽくないな。俺はここまで来れば帰り道は分かるから大丈夫だ。ありがとな。」


そう言ってシッポで軽く頭をポンポンと叩いてくるパキラ。


まぁ帰れると言うならいいだろう。


それにしても猫っぽくないのは中身が人間だから当たり前だ……。


「帰れるにゃらいいにゃ。あみゃり会うことはにゃいだろうけど、みゃたにゃ! パキラ!」


私はパキラとは逆方向に向かって歩き出した。


***


エーデルワイスの姿が見えなくなるのを確認すると、俺は変身魔法を解いた。


エリオントに言われて、早速フランチェスカ嬢が連れていた猫に近づいて分かったことは、やはり普通の猫ではないということだった。


俺の家系魔法は変身魔法を得意としている。


そのため王族の影として働くことがよくあり、俺もエリオントの側近として仕えていた。


「エリオント。」


エリオントのところに戻ると声をかけた。


「おかえり、パキラ。で、どうだった……?」


「やはりエーデルワイスからは魔力の反応を感じたよ。」


「エーデルワイス? あぁ、あの白猫のことか。」


普通であれば、変身魔法を使っても相手の言語が使えるようになるわけではない。


だからいくら俺が猫になったところで、猫の言葉を話すことは無理なのだ。


しかしエディはそれに気づかず、普通に俺と話していた。


一人称と取ってつけたような語尾は笑いそうになったが……。


「ククッ」


「パキラが笑うなんて珍しいな。そんな面白いことがあったのか?」


「いや、ちょっと思い出しただけだ。エーデルワイスが飼い主を待っていると言っていた。恐らくその飼い主がフランチェスカ嬢なんだと思う。」


ただ、飼い主と言っているということは、意図的に変身して猫になっているわけではなさそうだということ。


そして見かけた時は図書室に潜り込もうとしていたから、何か調べようとしていたのではないかということも伝えた。


「ちょっと待て。お前の変身魔法では猫と会話なんかできないはずだろう。なのになんで会話しているんだ?」


「あぁ、なぜかあいつの言葉だけは理解できたんだよ。もしかしたら言語系の魔法が使えるのかもしれないが……ちょっとその辺は分からなかった。」


魔力の流れが分かっても、相手がどんな魔法を使えるのかは鑑定魔法などが使える人でないと分からない。


だからエーデルワイスがどんな魔法を使えるのかは、調べてみないと分からないのだ。


「フランチェスカ嬢からも微量だが魔力の流れを感じたよ。パキラ、あの家についてもう少し詳しく調べてほしい。」


「承知した。」


それだけ伝えると、今度はアマレッティ家について調べるために、エリオントの近くを離れた。

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