第12話 プリンの材料
ドデベアを討伐後、ノロット王国に戻ることにした。
「マスターお腹空きました!」
お腹を押さえながら、レイが訴えてくるが、食べられる物などない。
あるとしたら、ドデベアを探している最中に作った砂糖くらいだ。
とりあえずギルドに戻り、解体した肉を一部もらえないか頼んでみることにした。
キャンピングカーの上にドデベアをレイに乗せてもらい、ロープで落ちないように固定して、ノロット王国の門前までやってきた。
門番は驚いた様子だったが、そのまま通してくれた。
キャンピングカーをしまい、門の中に入る。ドデベアはレイに持ってもらった。
「さすが騎士様だよな〜。三百キロくらいありそうなのを、軽々と持てるなんて」
「軽々じゃないですよ!重たいんですから!」
少しレイは怒っていた。
ギルドの中には入らなさそうなので、ギルド前にドデベアを置いて中に入った。
「緊急依頼達成、ありがとうございます!緊急依頼の報酬として金貨十五枚。それと、ドデベアの買取が金貨十枚です。レイさんのつけ代を差し引いて、金貨五枚になります」
受付嬢に依頼達成の報告をした後、ドデベアの買取分として金貨五枚が手元に残った。
「マスター!このお金で、プリンの材料を買いましょ!」
「忘れてなかったか。そうだな……ところで、ドデベアの肉って、少し譲ってもらえませんか?」
「可能ですけど……解体に少し時間がかかりますので、1時間ほど後に、再び来てください」
「分かりました」
その間に、プリンを作るための材料を買いに向かった。
「卵と牛乳って、どこに売ってるんだ?」
「卵は露店に売っていると思いますが、牛乳はすぐに腐るので、牧場に直接買いに行かなくちゃいけないですね」
露店には色々な物が売っていた。塩やレモンっぽい果実、ネギっぽい野菜などを、卵を買うついでに購入した。
胡椒も買おうかと思ったが、スプーン一杯程度の量で金貨一枚という超高額だったのでやめた。
レイはというと、肉や魚の塩焼きなどを食べ歩いていた。これ以上続くと、稼いだ分のお金を全部使われそうだったので、レイを引っ張って牧場まで案内させた。
「ふう、これでプリンの材料が揃ったな」
「早くプリン食べたい〜」
「それにしても、大量に物が入るアイテムとかないのかな〜」
「ありますよ」
露店で買った食材や調味料、牛乳の入った皮袋を手に抱えて愚痴をこぼしていると、レイが袋を見せてきた。
「アイテム袋です」
「あるのかよ」
俺はそのアイテム袋を借りて、買った材料をすべて中に入れた。
「なんで、今まで出してくれなかったんだよ」
「すっかり忘れてました!」
そんな会話をしながらギルドに戻り、解体されたドデベアの肉を受け取りに行った。
「解体済みのお肉です。銀貨一枚になります」
俺たちが討伐したドデベアの肉を、金を払って買い取るというのはなんだかなぁ、と思いながらも、銀貨一枚を支払い、ギルドを後にした。
「え、宿とかに泊まってなかったのか?」
「お金が無かったので、馬小屋で寝泊まりしてましたね。藁の上で寝るとチクチクして痛いですけど、意外と暖かいですよ〜」
「は、ハハハ……」
そう返すのが精一杯で、俺は愛想笑いしかできなかった。レイは馬小屋生活が当たり前のように過ごしてきたのだろう。
俺は一瞬、何か言おうとして言葉を探したが、軽々しく同情するのも違う気がして、結局口を閉じた。
「ここでは、レイド号を出せないので、魔域に行きましょう!」
「そ、そうだな」
ノロット王国を出て、キャンピングカーで森の中に入り、夜ご飯を食べることにした。




